中国で見つけた珍しい???

中国在住の管理人が、中国で見つけた珍しいものを紹介していきます。

中国で格闘技を習う ~其ノ壹~

2011年09月19日 10時39分46秒 | 日記
 高校を卒業すると、私は大学に通うため東京に引越しました。アパートから自転車で30分くらいのところに、ブラジリアン柔術を教える総合格闘技の道場があったので、ここで格闘技を習うことにしました。寝技の他にも、週に2回ほど打撃の練習をしました。修斗フェザー級1位の人に厳しく教えていただいたので、教科書通りのミドルキックを身につけることができました。

 それから1年数ヶ月、私は北京の北方工業大学という所に、長期留学に行きました。場所は「石景山遊楽園」ですっかりおなじみになった石景山区、大学の裏側には汚いスラム街が広がり、北京の庶民生活を垣間見ることができます。

 さて、中国に来ると時間が余り、食べては寝るの生活になるため、運動不足に陥ります。私はせっかく中国にいるのだから、本格的なカンフーを教えてくれる所を探しましたが、まったく見つかりませんでした。近くで見つかったのは、大きな体育館の地下にある散打とテコンドーでした。散打とは中国のキックボクシングとも呼ばれ、ポイントと組み技を重視し、極端にKO率が低いため、競技としては面白くありません。しかしテコンドーよりは中国らしいと思い、しぶしぶこの体育館にお世話になることにしました。



 外国人は私の他にも、一人の欧米系の白人がいました。日本人は珍しいので、すぐに会員たちに覚えてもらいました。会員の中には数人の子供がいて、私が日本人であることを知ると、「日本円見せてくれよ」とからかってきました。私は体型がヒョロヒョロしているうえ、顔がいかにも弱そうなので、若干なめられていました。

 練習は余り満足できるものではありませんでした。土足であがる汚いマットの上で走り回り、格闘技に使うのか?と思われるジャンプ等おかしな運動で体を温めると、横一列に並びワンツー等の練習をしながら前進します。ときどき、後ろからついてくる人が「うひょう、うひょう」と、ブルース・リーを意識したような声を出します。こんなことをしばらく続けると、練習の残り時間が30分弱になります。残った時間でミットを使った打ち込みをして、練習が終わります。グローブもミットもボロボロで、まさにチャイナクオリティです。私は軍手を用意してましたので、これで何とか匂いの問題は解決しました。

 1週間に2回くらい通っていましたが、スパーリングがほぼ行われなかったため、いつも物足りない気分でした。スパーをやらずして強くなれるはずがありません。スパーをやらないなら、道場に通う必要さえないのです。こうして不満を抱きつつ通い続けると、指導員が「今度の練習では、スパーをやる!」と前もって宣言しました。どうやら道場生同士のスパーは、ちょっとしたイベントのようです。とにかく、中国人と戦うのは珍しいので、次の練習にも休まず参加しました。(続く)