夏音

「なつのね」ぶろぐ

標準化と国家の思惑

2005年10月24日 20時30分09秒 | テクノロジ
うわーん,また更新間隔があいちゃった.(^^;

さて,今日のネタは標準化のお話.

第65回 IEEE 802.11nに見る標準化への付き合い方という話が@ITに
載ってるんだけど,標準化のプロセスとそれにまつわる企業の態度
みたいなものをある程度正しく捉えているように思える文章かな,と思う.
#ただし,標準化のプロセスに参加したことがない人間の独断である.
#でも標準化に参加した人の話を聞いてるとだいたい合ってる気がする.

最近の標準化活動では企業だけではなく国家政策としてもごたごたしてる
部分もある.例えば,欧州はEUという巨大な組織を創り上げたが,
そのシステムの部分での互換性が十分に確保されておらず,互換性を
確保するために標準化というプロセスを利用しようとしてる.

また,中国もWTOに加盟したため,次のような義務が発生した.
"加盟国は,政府調達に関し国際規格が存在するときは当該国際規格に
基づいた仕様とする義務がある(第6条2項)."

でも,中国政府としては国内企業の保護とか,外貨を稼ぎたいといった
理由で,国外企業主導の標準化が気に入らない.で,自国技術を標準化に
持ち込んだりするけど,アメリカなんかの強い反対で頓挫したりしてる.

でも逆の見方をすれば,国外企業にとっては,標準化プロセスに食い込む
ことが出来れば,中国市場なんかへの進出への大きな一歩となるんだけど.

ということで,標準化のごたごたについては,企業レベルでの視点での
分析ももちろん必要だけど,国家レベルでの視点も考慮しないと,理解
出来ない状況も増えつつある.

いきなりだけど今日の結論.
標準化というプロセスを分析するためには,企業レベルの視点に加え,
国家レベルでの視点を考慮する必要がある.
特に国家レベルでの視点を考慮する場合には,国家の思惑,例えば,
欧州であればシステムの互換性,中国であれば外貨獲得手段といった
背景もきちんと踏まえる必要がある.

愚痴:最近,技術だけじゃやっていけないのよねぇ.(>_<)/