夏音

「なつのね」ぶろぐ

量子暗号?

2005年05月31日 21時44分32秒 | テクノロジ
NEC、商用光ファイバで世界最速13.0kbpsの量子暗号鍵の生成に成功
ちなみにNECのプレスリリースはこちら

量子暗号については,情報を表現するために光子を制御しないと
いけないのですが,雑音に対して非常に脆弱ということで問題に
なっていたけど,プレスリリースを読む限り,それを解決する
技術に目処が立ったということでしょうか?

量子暗号は第3者による解読が不可能という話で,これまでの通信の
考え方を一変させる可能性があるが,問題はやはり実現コストかな.

まず,安定した通信を実現するために高品質なファイバが必要になる.
もしかしたら,パケットロスなんかが発生する今のインターネットでも
使えるのかな?
もし,今のインターネットでも問題ないならいいけど,別のインフラが
必要になるとすると,普及の大きな足枷となるだろう.

で,そもそも情報を暗号/復号させるための装置が通信する両者に
必要になるはずだけど,RSAですら使ってる人をほとんど見かけない現状で,
さらに強固な量子暗号なんかを使いたいと思う人はいないだろうから,
まぁ,それくらいの値段なら導入してもいいかなと思うくらいの低コスト化を
進めなきゃいけない.

と書いているけど,まぁ,普通に考えれば到底無理な話だと思う.

で,そうなると政府,軍事目的,企業なんかがメインユーザとなる可能性が
残るんだけど,企業も取引相手のあるすべての企業に設置するわけにもいかない
だろうから,なかなか採用には踏み切らないと思う.
そうなると政府,軍事目的という非常に狭い市場がターゲットとなるが,研究開発
への投資を回収できるほどの市場規模があるのかよくわからない.

NECが世界一の計算能力を持つスパコンを再開発するみたいなニュースをどっかで
見たけど,この量子暗号もどっちかというとプレゼンスを示すことの方が大事だったり
するのかな.だとすると壮大な無駄遣いだな.(笑)

暗号については,以下の本が非常に面白いです.
コンピュータの歴史を知ってる人なら,チューリングとかが
出てくる話はきっと楽しく読めます.

「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393022

CMのためのCM

2005年05月28日 04時21分41秒 | 政治・社会
民放連、CMのキャンペーン実施へ

> 民放連、CMのキャンペーン実施へ
> 日本民間放送連盟(東京・千代田、日枝久会長)は26日、毎年8月にテレビ
> CMへの関心を高めるキャンペーンを3年間実施すると発表した。タレントらを
> 使ったテレビCMを制作し、民放連加盟の133社が地上波とBSで放送する。
> 雑誌や列車内などでも広告する。年間予算は1億―2億円とみられる。
>
> テレビCMが初めて放送された8月28日を「テレビCMの日」と定め、8月に
> キャンペーンを行う。CMを飛ばすAV(音響・映像)機器が増えている
> ことなどから、民放連は広告収入減の危機感を持っている。民放連では
> 「CMの有用性をアピールしていきたい」としている。

有用性を訴える相手は誰ですか?(笑)
というのはおいといて,電通が発表している広告費の報告を見てみると,
色々面白い点が見えてくる.

http://www.dentsu.co.jp/marketing/adex/adex2004/index.html

どーでもいいけど,一番下のグラフに注目すると,金融・保険が13.9%と
すごい伸びを示している.金融・保険の伸びに貢献してるのは,アコムとか
武富士とかの消費者金融なんだろうな.個人的には今のところ縁がないんだけど,
それだけ借りる人が多いんだろうか….街中で無人機使ってる人も見たことないし.



人間が不死身になる日が来る?

2005年05月25日 22時34分41秒 | テクノロジ

2050年、人間は「不死身」に=脳の中身をPC保存


>「われわれは大真面目でそれが実現可能だと考えている。現実味の
> ある数字を挙げれば、2050年には人の意識をコンピューターに
> ダウンロードすることができるだろう。となれば、人間にとって
> 死はもはや大きな問題ではなくなる」と断言した。

思ったを2つ記しておく.

まず,1つめ.
人間は生きながら死に向かっている,みたいなことを言っていたのは
ヘーゲルだったと思うけど,「死」を得ることは種として重要な意味が
あるのである.なぜなら,「死」の概念は遺伝子レベルで組み込まれてる.
「アポトーシス」と「アポビオーシス」と呼ばれる細胞の「死」である.
「アポビオーシス」は心臓等の非再生細胞の死であり,自らを切り刻み消滅する.
これは,自らのDNAを後世に残さず,種としての進化を促すためと言われている.
「アポトーシス」については省略.
このように遺伝子レベルで組み込まれている機能を否定することを,それが
可能であるからという理由だけで実現するのは躊躇されなければならない.

2つめ.
人間はその環境,そしてそれまでの記憶によって,自己を形成・維持できると考える.
意識をコンピュータ上に乗せることが出来るのであれば,記憶もコンピュータ上に
展開できるようになるだろう.そのとき,一体,何をもって自分と言えるのだろうか?


ちなみに原文はこちら.
2050 - and immortality is within our grasp

タイトルは「2050年…僕らは不死身となる」みたいな感じでしょうか?

インタビューの内容を簡単に読んでみましたが,2050年までの技術ビジョンを
示したもので,不死身になるって話だけしてるって訳ではないです.
せっかくなので記事の要点をまとめておきます.

・時事通信の記事にあるコンピュータの急激な進歩とは,PS3のCellのような
ものを想定しているらしく,PlayStation 3は脳の能力の1%を実現した,と
言ってます.で,PlayStation 5で人間の脳と同じくらいの能力を持つだろうと.

・近い将来では,'ambient intelligence'(環境知性?)が重要となると考えている.
例えば,車に花粉計測センサを搭載していれば,花粉を吸う前に,抗ヒスタミン剤を
取ることが出来るようになるんじゃないかと.
さらに,絆創膏と同じようなとても薄いシートが完成し,そのシートを通じて,
ビデオフォンやビデオのダウンロード,メール受信が出来るようになる.

・2013-2015は"simplicity"が重要となると予測する.
ITは人々がその使用方法を学ばなくても利用できる程度に成熟する.

・2020から2025年には,賢い電気回路を作成するために,DNAを利用することが
出来るようになっているだろう.

・実際には1チップではなく,幾つかの小さな自己組織化チップが積まれており,
それらが相互接続し,自己組織化すると.
そして,OSのほとんどがハード化されており,決してウィルスに感染することが
まくなると.

・2020年には"Virtual Worlds"が実現しており,仮想空間で多くの時間を
すごすことになり,コンピュータが作った環境の中で社会を形成し,ビジネスを
行うようになる.



ネットの向こう側…

2005年05月24日 23時10分49秒 | 雑談
僕はオンラインゲームにも手を出しており,時間を見つけてログインしている.

ネットの向こう側には感情を持った人間がいる.
でも,その人間の性別,年齢なんかは当然,その人の育ってきた環境や
職業なんかもさっぱり分からない.

そんな人々とコミュニケーションを行い,パーティーを組んでクエストをこなす.
自分のミスでパーティーが全滅したときには,ただひたすらに悔しい気持ちと,
パーティーのみんなに懺悔の気持ちでいっぱいになる.
そして,困難なクエストを達成したときにはその喜びを共有する.

そこには生の感情があり,年齢も性別も関係ない.

これはオンラインゲームをやっていく醍醐味の一つである.

ゲームの中で教えてもらったお話に「カリンの木の物語」というものがある.
Ulitma Onlineのお話だけど,とても大事なことが書かれてると思う.
 http://yue.chu.jp/story.html
紹介されている方は信長の野望というまた別のオンラインゲームをやってる.

オンラインゲームについては,もっと色々書いてみたいけど,
とりあえず,2つのことについては必ず書くつもり.

・テキストベースのコミュニケーションについて
・RMTについて

RMTについては,面白いエントリを見つけたのでメモ.
RMTの「市民権」in US
http://www.h-yamaguchi.net/2005/05/rmt_in_us_d412.html

脳の不思議…

2005年05月22日 21時44分31秒 | 雑談
攻殻機動隊のマンガを久々に読んでたら,ふと不思議に思ったこと….

小説とかマンガとか読むとき,音声化して読んでるわけだけど,
このときの声って基本的に自分の声.
で,読んでた小説とかマンガとかがドラマ化,アニメ化されて,
登場人物の各々に俳優さんと声優さんの声が割り当てられた後,
もう一度小説とかマンガを読んでみると…あら,不思議.音声化
されるのは自分の声ではなく,俳優さんや声優さんの声となる.

脳の本も何冊か読んでるけど,上の現象のメカニズムはさっぱり.(^^;
記憶した声から勝手に音声を作っちゃう脳ってやっぱり偉大.

それらしいキーワードで検索しても,疑問の回答が見つからない.(>_<)

#攻殻2の内容,何度読んでもよく分からない部分が多い.(^^;


Java 10年

2005年05月21日 22時35分37秒 | 雑談
http://ascii24.com/news/i/topi/article/2005/05/19/655948-000.html

Javaが誕生して10年というお話.
僕自身が初めてJavaにふれたのがJDK1.0とか出る前の頃だったから,
9年くらいJavaを使ってきたことになる.

今ではあんまり見なくなったAppletだけど,当時はサンプルコード
とか見て,Appletをひたすら作って遊んでた記憶がある.

当時はCをメインで使ってたけど,Appletとかで遊んでるうちに
デザイン,オブジェクト指向,ライブラリの豊富さ等にふれて,
そのままJavaにどっぷり….

最近,Javaの動向自体を追ってないんだけど,記事を読むと,
面白うそうなプロジェクトがいくつか.

- "Project Looking Glass"
3次元デスクトップ環境のプロジェクトで,Longhornなんかも
こんな感じとか言われてるやつですね.
なんといっても,日本人の石原さんが主導!!ガンバって欲しいです.

- "Scripting For Java Platform"
Googleなんかが使ってることで最近話題のAJAXみたいなものかな?
Javaライクでスクリプト書けるなら,他の覚えなくて済むから大歓迎.

- "Java Business Integration"
SOA(Serice Oriented Archtecture)ベースのフレームワークかな?
SOA自体がCORBAの焼き直しって感じで,そもそもの成功が怪しいから,
プロジェクトとしても成功が微妙な気がする.


10年でこれだけの進歩を見せたJava…これからの10年にも期待です.
#10年後にまだプログラム書いてるかどうか微妙だけど.(笑)


独占禁止法?

2005年05月20日 21時30分43秒 | 政治・社会
「私的録音・録画補償金制度では誰も幸せになれない」
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/16/news020.html

「ほとんどの消費者が知らずに払っている「私的録音録画補償金」
経済産業省・政策企画官の藤原 豊氏に聞く(上)」
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/meti20050425.html

コピーする度に対価を払うわけだから,これってデジタルデータに
ついては,私的利用という権利が消滅しているということなんだよね.

この辺は,著作権なる概念がなぜ存在しているのか,というべき論から
まずは考えるべき問題.CD輸入権問題の時にもblog上で色々議論があったけど,
文化がどうこうという話が多く,著作権のそもそもの存在意義について
議論したものは少なかったように思う.
もちろん,文化への影響とか議論するのも重要で,否定してるわけじゃないです.

で,iPodの話に絡んでiTunes Music Storeの話.
去年からiTunes Music Storeが今年からサービスを開始するといった
報道が流れていましたが,どうも話が変な方向になってる感じ.

"「iTMSも日本のルールで」――JASRAC、ネット配信に期待"
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/18/news088.html

この記事を読むと,Appleに対するJASRACの要求に,
1.著作権料の規定
2.JASRACの考えるDRMの適用
があるみたいだけど,これに従わないと,iTunesには曲の販売を
認めないぞ,ってことかな?
これって独占禁止法の適用対象ではないのかな?

独占禁止法 第1条
「私的独占,不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し,事業支配力の
過度の集中を防止して,結合,協定等の方法による生産,販売,価格,技術等の
不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより,公正且つ
自由な競争を促進し,事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし,雇傭及び
国民実所得の水準を高め,以て,一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の
民主的で健全な発達を促進することを目的とする.」

一方,同21条に
「この法律の規定は,著作権法,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法による
権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない.」
とあったりもする.

権利の行使が,例えば,流通の禁止みたいなものまで含むのか?,といった点は
法律の解釈なので,ちょっとわかんないや.(T_T)



英BBC:TVを見逃してもPCで視聴、実験開始へ

2005年05月18日 22時04分29秒 | 雑談
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/solution/news/20050517org00m300113000c.html

P2Pを使って,番組が見れちゃうという実験を行うそうです.

> 公共放送として、受信料負担者へのサービスとして実施するため、
> 海外からは利用できない。

とありますが,国を判断する方法なんてIPアドレスくらいしかない
だろうから,英国のどこぞのProxyを介せば見れちゃうのかなぁ.
BBCは良質のコンテンツを提供してるし,おもしろそ.
まぁ,それ以前に英語のリスニング力に問題ありだったりしますが.

BBCは今回の動きに加え,CC(Creative Commons)を積極的に活用するなど,
みんなの国営放送って感じが好印象.

一方,我らが国営放送NHKはというと….
「平成17年度 放送番組補完インターネット利用計画」
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/netriyou/index.html

みたいなものを発表してるけど,著作権等の問題があるので,
今一歩踏み込めていないような状況.
NHKの番組は後日,見逃したことを後悔することが多々あるので,
BBCを見習ってネット配信に積極的に取り組んでくれることを祈るばかり.

「エンデの遺言」とか再放送してくれないかなぁ.(>_<)/


Skypeと社会的信用

2005年05月17日 22時03分20秒 | テクノロジ
"1億ダウンロードを突破したSkypeの脅威(番外編)"
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/denwa/20050516/1/

Skypeを初めて使ったときに感じた音のクリアさは今でも印象に残っている.

音質のよさの大半が,GIPS(Global IP Sound)の音声コーデックのため
みたいな話を聞くこともあるが,同じコーデックを採用している他の
ソフトウェアの音質がSkype程よくないことを考えれば,Skype独自の
技術が盛り込まれているはず.ただ,その詳細はいまいち不明.

で,本題.
上記記事では,映像をやりとりするSkype Videoや企業向けSkypeの開発が
進んでいることが述べられている.
企業向けSkypeが成功するためには,Skype社が企業としての信頼を如何に
獲得するか,にかかっていると思う.その理由を簡単に述べてみる.

仕事でSkypeを使っています,というユーザの声をblog等でたまに見かけるが,
オフィシャルに導入しているという企業はあまり多くないと思う.
この要因としては,恐らく,Skype という企業がまだ十分に信用を得ていない
点にあるのだと思う.

メールが普及したと言っても,企業においては,電話は顧客や社員との
確実な連絡手段として,未だに重要なビジネスツールであり,そのため,
高い信頼性が求められている.

んで,電話サービスを提供するSkypeに信頼性があるかと言われると,
株式公開もされていない実体のよく分からない会社であり,買収や消滅の
可能性が0ではない.
(NTTや日本テレコムもその可能性が0ではないが,過去の実績なんかで
それなりのというか絶対的な信頼があると思う.)

例えば,ある企業がSkypeを導入してみたけど,翌日,Skype社が消滅なんて
事態になったら,目も当てられない事態になっちゃう.

この辺が企業が導入に躊躇する最も大きな理由になるんじゃないかぁと,と
いうのが記事を読んだ感想.

記事の中に以下の質疑がある.
> ――IPO(初回株式公開)や日本法人設立の予定はあるか。
>
> 株式公開の計画はまだない。投資会社と従業員を養っていけるだけ
> の利益が出ればいい。SkypeInやSkypeOut,Skype Voicemailといった
> 有償サービスを提供することで経営はうまくいっている。今はSkypeの
> ビジネスを広げることに注力している。
>
> 中でも日本は非常に重要な市場と考えている。人員の増加などで日本
> でのプレゼンスを強化していく予定だが,日本法人を設立する時期までは
> 決めていない。

Skypeが十分な信頼を獲得するにはもう少し時間がかかりそうな感じである.
ただ,どこかの大手企業なんかが採用しちゃうと,一気に普及…という感じが
しないでもない.

参考URL
Skype : http://www.skype.com/
Global IP Sound : http://www.globalipsound.com/

#文体模索中….今日の文体はとっても書きやすい感じがするので,
#しばらくはこんな感じで書いてみよう.

kakaku.comとアクセスへの不安

2005年05月16日 21時09分38秒 | 雑談
大手ニュースサイトでも取り上げられているが,kakaku.com の
サイトでトロイ系のウィルスがばらまかれていたことに関して簡単に.

kakaku.com はユーザにアクセスしてもらうことで成り立つサービスを
提供することで利益を得ているポータル業です.

今回のような騒ぎがあると,ユーザはウィルス感染を怖れ,アクセスを
躊躇してしまう可能性も高くなります.

さらに,スラド(http://www.slashdot.jp/)等でも話題になっていますが,
運営・保守体制にも問題があったようで,速やかに原因や対策を明らかにし,
アクセスすることへの不安感を払拭をさせないと,この事件が致命的な
ダメージとなってしまうかもしれません.

ということで,Alexaでも使って,kakaku.com へのアクセス数を定点観測
してみると面白い変動が見られるかも!?

http://www.alexa.com/data/details/traffic_details?q=&url=kakaku.com