5月末に長崎県へ行きました。
その時に長崎駅前の本屋さんで買った『満天の花』をこの前読み終わりました。
旅先の本屋さんに入って、現地のことを題材にした本を買うということを結構します。
那覇に行ったら沖映通りのジュンク堂とかよく行くし、買うのは紀行本とかではなくて小説ですね。
この『満天の花』は、長崎でオランダの商官と遊女の間に生まれた花という女の子が、出島で通訳として活躍しながら幕末
の世を乗り切っていくという話です。
幼い頃に母親を亡くし梶屋という米問屋に引き取られていた花、8才くらいになると他の子はお手伝いとして奉公に出され
ていく中、青い目をした花は出島のオランダの商館へ小間使いとして通うことになりました。
そこで花はオランダ語を習うのと同時にジャカルタから連れられてきた料理長からパンの作り方を習うのですが、そのなか
で出てくるポルトガルのお菓子パオン・デ・ローというのがとてもおいしそうで、本も読み終わったことだし作ってみるこ
とにしたのです。
グーグルでレシピを検索してみると、パンデローというのがそれに当たるみたい。
この西洋のお菓子パンデローを日本風にアレンジして出来上がったのが文明堂のカステラだそうです。
底にザラメの蜜があって上部にしっかりと焼き色がつけられた文明堂のカステラ。
でもこのパンデローは半熟カステラとも呼ばれるくらいで、中央部を半熟な状態で仕上げるのがポイントなようです。
実際にグーグルにあったレシピ通りに作ってみると、案外簡単で卵をたっぷり使ったパンデローの出来上がり。
オーブンから出してみると、なんか良い感じ。
そしてオーブンペーパーをつかんで持ち上げ、型から外すのですが、もうね、すごいぷるぷるなんですよ。
見るからにウマそう〜
真ん中の部分はムースみたいにアワアワの半熟になっておりました。
はじめはフォークを用意していたものの、これはスプーンじゃないと無理。
食べてる時の見た目はともかく、最初にしては満足の一品ができました。
これは比較的簡単に作れるのでまた作ってみようかなあと。
今回はサイパンのケーキみたく甘かったので少し砂糖を減らして、風味づけにブランデー入れてみようとか思ったり。
長崎といえばチャイ屋マドゥバニのカレー、江山楼のちゃんぽんなんだけど、いつか長崎の地でパンデローを食べてみたいな。
というかスイーツに詳しい人たちにしてみたら、パンデローなんてけっこう有名なものなのかな?
そんなこんなで初めて作ったパンデローは、読み終わったばかりの『満天の花』の主人公花に想いをはせながらパクパクと。
出島に通いながら長崎の地で西洋の事柄を学び、それらを武器に幕末の乱世を生きた彼女。
今の時代に花が生きていたとしたら、はたしてどんな感じなのだろう?
もしかしたらパティシエになって焼き菓子とか素敵な洋菓子なんかを作っていたかもしれない。
いやいや、もしかしたらイタリアンやフレンチのシェフだろうか?
もしかしたらヨーロッパに留学して音楽を学び、日本中を魅了するような音楽家になっていたかもしれない。
もし楽器を弾くならやっぱりピアノかなとか、ワインを飲みながらそんなことを考えていたら段々と夜も更けてきましたとさ。