プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

「ヤラセシンポジウム」調査委員会

2011年07月29日 | 日記
 NHKニュースによると、「平成19年8月に、静岡県御前崎市で国が開いた原子力に関するシンポジュウムについて、質問が反対派に偏らないよう、あらかじめ質問を作成し、地元の人に質問してもらうことを・・・原子力安全・保安院が要請していた」とのことです。正直、国が開いたシンポジウムや住民説明会で、こうしたヤラセがない方がおかしいぐらいです。それは、政府であろうが県であろうが、公といわれるあらゆる組織に裏金があるがごとく、ヤラセによる意見の誘導があらゆる場所に蔓延(はびこ)っています。逆に言うと、こうしたヤラセが蔓延っている場所を、「公」というのです。

 しかしこうした(強制的)「要請」に関して海江田経産大臣は、「極めて深刻な事態だとして、(法律の専門家からなる)第三者委員会を設置し、事実関係の調査を急ぐ考えを明らかにした」そうです。海江田さんは、結構無謀な方なのだと思いますが、やるべきことはやる(つまり泥は被るが)、しっかりおかしなことは言わせてもらうというお考えのようです。正直、筋が通っていますし、それが一貫しており、ぶれていないように感じます。どこかの首相より、よっぽど自身の言動には責任を持たれているように思います。

ただ、「国が特定の意見表明を誘導したのであれば、大変申し訳ない」と謝罪するなど、実際国の意見や国策は、こうした「誘導」によって形成されてきたのであって、もしこれを否定、或いは申し訳ないこととして謝罪するとなると、これは大いに波紋を呼びそうに思います。実際、国会などは、この「誘導」の、「誘導」のための、「誘導」による質問が、しかも官僚(理事者)によって用意され、それを議員がもったいぶって、さも自分の意見のように質疑するのが慣例となっているのです。こうしたヤラセが、所謂、議会民主主義というものの実態で、このヤラセの皮を引っぺがせば、正に(強制的)「要請」による(共産主義国や開発独裁国家の)強権政治となんら変わらないものなのです。

我が愛媛県の伊方町で、平成18年6月に開かれたシンポジウムでも、「四国電力が社員や関連企業に対し、質問や意見の内容のメモを示して発言するよう要請していた」とのことで、結局このシンポジウムの後、プルサーマルが導入されることになるのですが、これなど完全に「ヤラセ」であって、一定の通過的なセレモニーであって、これで反対意見を封じ込める、そのような役割を担わされており、それに電力会社や関連企業、或いは役人も動員されているのです。

 しかし、これもまた、何も原発問題や電力会社だけに限ったことではなく、国政であろうが県政であろうが、市政であろうが、或いは「官」であろうが「民」であろうが、全ての分野で同じことが行なわれているわけです。これを「調査」などしても、国や県の成り立ちが、役所や産業のあり様が、全て明らかに「ヤラセ」だと判明してしまうことになってしまいます。問題は、「ヤラセ」が悪いのかどうかですが、正直私には答えが出ません。

ヤラセが悪なら、この世の(殆ど)全ての仕組みが、悪いことになります。それが「公」となり、また「民」となっているのです。そして私たちは、この悪を受け入れて生きてきたのです。ですから(ヤラセが悪なら)、このシステムを受け入れてきた私たち自身が、(殆ど)全て悪人ということになります。結局のところ、ヤラセが悪であるかどうかより、(殆ど全ての)私たちは、こうしたヤラセの世界で生きている、生きていかざるを得ない、ということなのです・・・

P.S. IAEAの天野事務局長が、ストレステストについて、IAEAも評価に加わると提案したそうです。菅さんの口先介入による原発運転再会停滞に対して、原発推進応援団長であるIAEAも黙って見ていられなくなったわけです。(ヤラセ)セレモニーは、国際的な様相を見せてきた、というところでしょうか・・・