両手いっぱいの愛

えっと。
今日はしょうこネタです。

この間まで私の胸の中で暖めていた思い出。


小さなしょうこ。
可愛かったんだよ。

ねえ。しょうこ。
しょうこはおかあさんのこと好き？
うん。
どのくらい好き？
えっとね。このくらい。って手をいっぱいに広げる。

意地悪なおかあさんは
え～っ、そのくらいしかおかあさんのこと好きじゃないの？
困るよね。小さなしょうこちゃん。

ねえ、しょうこ。
しょうこはどのくらいおかあさんが好き？
えっとね。あのくらい。って、高い木を指差す。
しょうこの背より高いね。
でも、
え～っ、そのくらいしか好きじゃないの？
意地悪だね。おかあさん。

こんなことをお出かけのたびに聞かれて
小さなしょうこは、答えるのにとても困るんだよね。

ねえ、しょうこ。

この空いっぱい。

なかなか、考えたな。

ねえ、しょうこ。

世界中をあわせたくらい。

ねえ、しょうこ。

小さなしょうこが困るところを見て喜ぶおかあさんて
悪趣味だね。

でも、ある日。

ねえ、しょうこ。
おかあさんのことどのくらい好き？

うんとね。宇宙くらい。

え～っ。そのくらいしか好きじゃないの？
（もう、それ以上大きいものはないだろうに、意地悪だね）

あのね。おかあさん。
宇宙はね、毎日、大きくなってるんだよ。
しょうこの好きも毎日、大きくなるんだよ。

く～っ。泣けるねぇ。
うれしいよ、しょうこちゃん。

って、話しをこの前、しょうこに話したんだよね。
そしたらさ。

へぇ～、しょうこもなかなかやるね。

えっ。覚えてないん？

うん。

ちっ。今まで、誰にも言わないおかあさんの宝物だったのに。　
忘れているなんてね。


じゃあさ。今はお母さんのことどのくらい好き？

えっとね。お母さんと同じくらい。

え～っ。たったそれだけ？