書き終えた手紙を家内に渡し、
コピーして赤ボールペンでサインし、修理見積もり書コピーを添付し、
相手方に速達で送るように私は指示した。
翌日夕刻になって修理工場から私に電話があった。
『えーとですね、、○○さんという方から電話があってですね、、』
例の車の修理内容を根掘り葉掘り訊き、もう少し安い修理ではダメなのかとしつこく言われた。
また、支払いを来週の火曜日までと言われているがもう少し待てないか?いつになるかは今は判らない。
という事だったという。
工場側は、
正規代理店としては修理の手を抜くことはできないし、入金の期限については当方では判らないと答えた、
と報告してきた。
私は『よーし、よし』と呟いて、工場の担当者に『それで結構だ』と礼を言った。
今回の事故で最も心配したのは【相手がヤクザではないか?】ということは前に述べた。
次に不安であったのは【物的証拠が車だけである】という事であった。
こちらと相手の車を調べ、我々がなぜ相手を特定しているか、など、
コトを詳細に調べれば【事故があったこと】は証明できるとは思っていた。
しかし、人身事故でもない車同士の事故で、警察が思うように動かない事は容易に想像できる中、
相手が【事故などは知らない】としらを切った場合、これを証明するのはチト骨が折れるかも知れず、
また、そうなると今度は単なる事故ではなく【当て逃げ事件】に発展し、
なかなか気が重いことになる、と危惧していたのだ。
しかし、男は私のシナリオどおり修理工場に電話をかけてきた。
これで、修理工場という第三者が
【事故があったこと】を“相手方の電話で”知ることにより【事故の存在】は確定したわけである。
ところで、私にはひとつ疑問が在った。
“ヤツは何故こんなにまで警察に行く事を嫌がるのか?”
私の推理は、男は無免許であったか免停中であったかのどちらかではないか、、
というものだった。
しかし、この事がこの交渉に重大な局面をもたらすとは思えなかったし、
私としては修理代金を回収できればどうでも良いことでもあった。
どのような方法で代金を払うかは相手が決める事であり、
私は期限を決めた以上動く必要はなく、ただ待っていれば良いと沈黙した。
、、、、ところが、私の推理は外れる。
つづく
What a good whodunit!
Looking forward to the sequel, I remain
Have a good night, P-san.
ありがとうございます、Meizeneseさん。
Meizeneseさんからお褒めの言葉を頂くとは、、
私にとっては、美空ひばりから
『あんた、、歌うまいわねぇ、、』
と言われたような気分です、、いや、ホント。
これからも宜しくご指導くださいませ。
ほんと、ありがとう。
スンゲー嬉しいです!