『レセ・パセ』

2008-07-17 12:38:04 | シネマ





『レセ・パセ』 
出演: ジャック・ガンブラン, ドゥニ・ポダリデス 監督: ベルトラン・タヴェルニエ
2002年ベルリン国際映画祭にてジャック・ガンブランが銀熊賞(男優賞)受賞。



3時間にも及ぶ長編で、第二次世界大戦下、ナチスドイツの占領下にあるパリ、
ナチのプロパガンダ映画を作製する助監督とシナリオ作家というふたりのフランス人(実は反ナチ)
を中心としたパリの人々や戦況の移り変わりなどを描いた映画。


この映画に出てくるフランス人達はとても落ち着きがなく、いつも何かしゃべっており、
せわしなく動き、まるでジュウシマツの生態を視るようで心が静まらなかった。

事実に基づく作品で、ナチの横暴を描きたいという意向は解からないではないが、
だからといってこのパリジャン達が何を意図的に行ったのかは曖昧としており、
ただ困った弱った頭に来たと言ってるだけで、
ナチの秘密文書を手に入れるところもまったくの偶然で、成り行きでそうなったに過ぎず、
『あ、そうですか、、』と思っただけだ。

シナリオ作家のほうも、3,4人の愛人の間をウロウロしているだけで、
口で『ナチはケシカラン』と言ってはいるが現実にドイツ映画会社の本を書いているわけで
、、、なんだかよく解からないのである。

パリから退去していく人に『何故退去する?』と聞く場面があるのだが、
映画では退去する男はジャケットの内側の“あるマーク”を見せるだけだ。
このマークはユダヤ人の印なのだが、
そのようなことは知らない観客のほうが世界には多いのではないだろうか?

つまり、映画のつくりが、この時代背景や事情を良く知っている人にしか解からず、
非常に自慰的で内向しており、私などは排他的であるとさえ思った。


この映画は多分当時を良く知っているフランス人が観たら感動するのだろう。

しかし、不勉強の為か、私の心の針はほとんど振れる事はなかった。





★★☆☆☆






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