ワラスボ

2009-02-11 13:40:05 | 時事






バイ・アメリカン 保護貿易主義は許されぬ(2月5日付・読売社説)


 世界不況が続く中、米国が保護貿易に走れば、景気回復にも悪影響を与える。か
つての大恐慌を深刻化させた教訓を忘れてはいけない。

 オバマ米大統領は、保護貿易の封じ込めへ、強い決意で臨む必要がある。

 米議会下院が1月末に可決した8000億ドル超(約74兆円)の景気対策法案
に、「バイ・アメリカン条項」が盛り込まれた。

 米国政府が発注する道路や橋などを建設・改修する公共事業で、米国製の鉄鋼を
優先的に購入するよう政府に義務づける内容だ。

 景気悪化で住宅と自動車市場が冷え込み、米鉄鋼各社の業績は急速に悪化した。
米国製の鉄鋼を公共事業に優先的に使用させ、業界を支援する狙いだろう。

 上院が近く採決する法案は、鉄鋼だけでなく、政府が調達する一般工業製品も、
バイ・アメリカン条項の対象に加えている。外国製品を締め出すもので、露骨な保
護主義といえよう。

 米国は戦前の大恐慌の際、バイ・アメリカン法を制定した。
各国が対抗したことで、ブロック経済化が進み、貿易が縮小して危機が拡大した。


 これを反省し、戦後は貿易自由化が重視された。こうした流れの中で米国は、世
界貿易機関(WTO)の政府調達協定で、日欧などに対しては、バイ・アメリカン
法を適用せず、内外無差別とすることを約束した。

 バイ・アメリカン条項はこの協定に違反している可能性が大きい。「今後1年は
新たな貿易障壁を設けない」という昨年11月の金融サミット合意も反古(ほご)に
なる。

 日本や欧州が、米国に懸念を表明したのは当然だ。全米商工会議所なども反発し
ている。

 オバマ大統領は3日、「貿易戦争の引き金を引くような条項が法案に盛り込まれ
ないようにすべきだ」と述べた。各国の批判などを踏まえた発言とみられる。

 上院で法案が可決された後、下院との調整を経て、大統領が署名し、法律が発効
する。大統領は、問題の条項を削除するように議会を説得すべきだ。

 金融危機が広がった昨秋以降、ロシアが自動車、インドが鉄鋼の関税を引き上げ
るなど、保護主義的な動きが相次いだ。

 米国で保護主義圧力が高まれば、こうした傾向に一段と拍車をかける恐れが大き
い。世界不況も長期化させかねない。

 自由貿易を推進してきた米政権の姿勢が問われている。

(2009年2月5日01時43分 読売新聞)







言わんこっちゃない。

心配したとおりではないか。


民主党は元々労働組合寄りの政党であり、

内向きの政策を採りがちであるから、

米国内の雇用を優先する保護主義を採ろうとする事は

オバマが大統領になる前から判っていた事ではないのか?


新聞各社も『グリーン・ニューディール政策』だとか言って、

オバマがルーズベルトの政策を踏襲しようとした事を

大拍手で歓迎していたのは何日前のことか?


「米国は戦前の大恐慌の際、バイ・アメリカン法を制定した」と言うが

この後極端なブロック経済路線を採って

日本から鉄鋼などの資材調達の道を取り上げ

危険が拡大どころか、

世界大戦にまで導いていったのは

他ならぬルーズベルトではないか。



以前私は

『オバマは保護貿易の誘惑に勝てるのか?』と書いたが、

今回バイ・アメリカン条約を上程しているのは民主党であり、

労働者層の多くを支持者に持つオバマが

大統領拒否権を使ってまでこれを削除させるのは

難しいだろう。


オバマといえども

経済政策に打てる手は限られているのだ。



それにしても、、、

こうなる事は素人の私にでも

充分に予測できたことだ。


あれだけ民主党のオバマを持ち上げたメディアが

今頃になって『保護貿易は許されぬ』などと、、、


マスコミに目は無いのか?

お前らはワラスボか? 







最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
長い目 (やまびこ)
2009-02-11 15:40:45
Pさん、こんにちは。

そうでしたね。
Pさんはオバマ大統領の登場を保護貿易主義の台頭と見ておられましたね。

しかし、私はもう少し長い目で見る必要もあると思いますよ。
バイ・アメリカン条項は国会議員達(たぶん民主党だけでなく共和党の一部にも同意者が相当・・)が付けたものであって、オバマ氏がどうこうしたものじゃないですよね。
オバマ氏はたぶん一定の限度におけるアメリカ製品の購入については妥協するかも知れませんが、全面的なバイ・アメリカン…外国製品ボイコットみたいなことには断固反対するでしょう。
変な話ですが、鉄鋼は分かるとしても、車はどうしますか?
まさかビッグ3だけを買えなんて、到底言えないでしょう。
トヨタ、日産、ホンダに現地法人は、デザインこそ日本の工場のモノとほぼ同じものを作ってはいますが、部品も鉄板もあらゆる部品の大半が米国製です。
当然作っている工場労働者は全部アメリカ人です。
それを買うなと言えば、別の意味で大変なことになります。(日本のクレームじゃなくてですよ。)
今は、8000億ドルの経済対策法案を一日でも早く可決成立させ、続いて金融支援法案を可決させなければならないので、一定限度の譲歩は仕方がないと考えているでしょうけど、彼の基本的考え方は保護貿易などは眼中にないと思います。
それはこれまでの彼のあまたの発言の中にも読み取れますが、アメリカ一国主義では国際政治も、経済も、軍事も立ち居っていかないということを再三再四言っています。
また、大統領選を通じて、クリントン氏は組織票としての労働組合の支援を頼みとした経緯がありますが、オバマ氏はクリントン氏ほど依存していません。
これはオバマ氏と労働組合双方の認識でもあろうと思います。
オバマ氏の真骨頂は、そういうしがらみにとらわれないで、世界の国々とのかかわりの中でいかにしたら合衆国がこの難局から抜け出せるかということだろうと思います。
私のような経済の素人でも、たとえば金融政策一つにしても、単純にウォール街に政府資金を回してやれば立ち直るというものではないと思います。
彼は世界各国協調によって新しい金融秩序(健全にコントロールされた金融業界)を築きたいのだと思います。

彼は議会相手に相当苦労はするとは思いますが、あれだけの国民の支持は議会も無視はできません。
大統領拒否権まで使うかどうか私には読めませんが、非常にタフなネゴシェーションによって、極端な保護主義に走らないでアメリカの再生を図る道を探るだろうと思います。
そうしなければ、議会の言いなりになんかなっていると、結局、アメリカの再建はおぼつかないと固く信じていると思います。
昨日の初記者会見でもそこの感触が非常に強くにじみ出ていました。

けだし、彼の基本的スタンスは、民主党の大統領でもなければ、もちろん共和党寄りの大統領でもありません。
まさに、民主もない、共和もない、資本家もない、労働者もない、アメリカ合衆国大統領であるという姿勢を貫くでしょう。
彼が、険しい大統領選挙を勝ち進んできた理由がそこにありますし、黒人である彼が大統領であり続けられるためには、この基本スタンスをゆるがせには絶対できないからです。

ご心配の向きは重々わかりますが、もう少し長い目で見てあげてはいかがでしょうか?
返信する
予断 (P@RAGAZZO)
2009-02-12 11:46:54
こんにちは、やまびこさん。

あはは、私は反オバマを叫んでいるのではありませんよ。
私が言っているのは
『オバマに過度の期待をしてはいけない』という事です。

バイアメリカン条項にしても、
オバマが指名した副大統領のバイデンは
「この条項を盛り込むのは正当なことだ」
と賛成の意を示しています。

また、大統領就任後、
ダボス会議は初の大型国際会議であるはずなのに
世界40ケ国の首脳が出席する中オバマ自身も出席せず、
サマーズ国家経済会議委員長とジョーンズ大統領補佐官は出席を直前にキャンセルし、
ジャレット大統領上級顧問に代えられました。

ジャレット氏は大統領側近ですが経済専門家ではありません。

これが世界の経済を本当に憂慮する米国大統領の姿でしょうか?

オバマはバイアメリカン条項には不快感を示しています。

しかし、彼がやれることには限度があり、
現実に米国上院では
『世界貿易機関(WTO)ルールに反しない形で適用』
という条項は付いたものの、
鉄鋼製品だけから全工業製品に対象を拡大しています。

議会の調整は付いたようですから週内に上下両院で再可決し、
彼はこれにサインするでしょう。

私はオバマに対し予断を持ちたくないのです。

オバマが何を言ったかではなく
オバマが何をしたのかを見つめていきたいと、私は思います。

返信する
もらい笑い (やまびこ)
2009-02-12 12:37:30
Pさん、こんにちは。

>>あはは、私は反オバマを叫んでいるのではありませんよ。
>>私が言っているのは
『オバマに過度の期待をしてはいけない』という事です。

思わずもらい笑いしました。
私も「いいなあ」という感じは持っているもの、全面的に信用と言うか、妄信してるわけじゃありません。
微妙なスタンスの違いはあっても、極端な乖離は無いようですね。

それにしても何でも良くご存知ですね。
「ワラスボ」は味は良いとのことですが、グロテスクな容姿に加えて、眼が退化しているんですね。
いつもながら邦字新聞への痛烈な皮肉は小気味いいです。
こいつらはオバマ氏の登場をもろ手を挙げて絶賛しておいて、「日本の失われた10年の轍を踏むな!」という発言に、感心するのかと思いきや・・・「日本をかなり冷徹に見ている。油断のならない面もあるんじゃないか。」などと今更アホなことを言ってますよ。
あたりまえじゃないの!
「日本大好き!日本のことなら何でもオーケー!」なんて言う指導者が世界中にただの一人もいるわけないじゃないか!
冷徹じゃないと指導者なんかにはなれないよ。
まして世界の最高権力者、アメリカ合衆国大統領ですよ!
そんなことだから、Pさんに「ワラスボか!」って叱られるんですよ。(笑)

ダボス会議はいろいろ事情があったのでしょう。とりわけ議会対策など・・。

>>オバマが何を言ったかではなくオバマが何をしたのかを見つめていきたいと、私は思います.

全く同感です!
私は彼が言ったことに魅力を感じているのは事実ですが、それ以上に「何をしたか。」が圧倒的に大事であると思います。^^

その何かをしっかりやってくれるについては、一番心配なのは暗殺です。
たった1発の銃弾ですべてが失われてしまう恐れがあります。
シークレットサービスは、きっとこれまでの大統領に例がないほど厳重な警護を図るでしょうが、スナイパーの犯行動機も大きい気がします。
80%の高支持率を誇っても、黒人の大統領を絶対に容認しないネオ白人至上主義者もいます。
彼の心情そのものとはいえ、ウォール街はじめ幾多の大企業経営者をが逆恨みしている可能性があります。
政策の中からは、テキサスあたりの石油屋から、もしかしたら軍需産業からさえも憎悪される可能性もあります。

連中が自ら手を汚す真似はするはずはありませんが、かすめ稼いだ金のほんの一部を暗殺者に投資する恐れもあります。

リンカーンが、J・F・Kが、キング牧師が殺された理由と同種の可能性を秘めた指導者じゃないかと心配です。
それでも彼の基本スタンスから、大衆の前に自身を晒すことを厭うわけにいかないでしょう。

そんな事態になれば、たとえどんな立派な国葬で英雄の死をいたもうが、結果的には「何かをする」ことはできなくなります。

年寄りのとりこし苦労であってくれと切に祈るばかりです。
返信する
エイリアン (P@RAGAZZO)
2009-02-12 15:59:01
こんにちは、やまびこさん。

いやいや、やまびこさんの博学にはいつも感服しています。
労働組合はクリントンを支持していた事は
恥ずかしながら知りませんでした。

ワラスボは干したのを炙って食うと美味いですね。
鷹の爪を添えた醤油に付けて食うと日本酒や焼酎を飲みすぎます。
嘘か本当か知りませんが、
『エイリアン』のモデルだと言われているそうです。

オバマに対するスタンスには私もやまびこさんと大差はありません。
私の方が少し疑り深いのでしょうね(笑)

暗殺は恐いですね。
今のところはそのような兆候は見られないようですが、
人種問題が絡んでくると非常に危険です。

いずれにしても、注目に値する人物である事は間違いありませんね。



返信する
政府調達情報 (政府調達情報)
2009-03-03 12:03:51
全国の政府調達情報(一般競争入札)を公開
返信する