『ハゲワシと少女』

2008-01-08 13:21:17 | 写真






1983年から続く内戦と干ばつのためにスーダンでは子供たちを中心に深刻な飢餓がおこっていた。

しかし、スーダン政府は取材を締め出し国外に伝わらないようにしていた。

そんな中、南アフリカ共和国のフォトジャーナリスト、ケビン・カーターは、内戦の状況を伝えようとスーダンに潜入した。

カーターが訪れた国連などの食料配給センタ-があるアヨドという村では、
飢えや伝染病で一日に10人から15人の子供たちが死んでゆく有様だった。

やりきれなさから、その村から離れようとして村を出たところで、
ハゲワシがうずくまった少女を狙うという場面に遭遇し、シャッターを切った。



写真はスーダンの飢餓を訴えたものだったが、
1993年3月26日付のニューヨーク・タイムズに掲載されると同紙には絶賛と共に多くの批判が寄せられた。

そのほとんどは「なぜ少女を助けなかったのか」というものであり、
やがてタイム誌などを中心に「報道か人命か」というメディアの姿勢を問う論争に発展した。




1994年、ハゲワシが餓死寸前の少女を狙っている『ハゲワシと少女』という写真でピューリッツァー賞を受賞。



しかし、授賞式から約1ヶ月後、カーターはヨハネスブルク郊外に停めた車の中に排ガスを引きこみ自殺した。







====カーターは写真をとった後、ハゲワシを追い払い、木陰まで行ってタバコをふかし、しばらく泣き続けたと手記に記している。=====






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