聞こえざる声

2007-12-21 11:51:50 | 社会
昨夜『報ステ』に薬害肝炎の原告団の女性たちが出演していた。

この日、枡添厚労相は原告側が求めていた約150億円の和解金総額を上回る約170億円を提示し和解を求めたが、
原告団はこれを拒否、物別れに終わっていた。


女性たちは口々に『金ではない、全員救済すべきだ』と述べていた。

彼らの言う“全員救済”とはいったいどの程度の事を示しているのだろうか?

また、“金ではない”というのはとても立派な言葉だが、
では実際問題として“救済”とは何を意味するのだろうか?


原告団の女性たちは薬害肝炎患者を代表しているという事のようだが、
例えば、今現在、もう余命いくばくも無い患者の中には、
今回政府が出した和解案を、不満ではあってもこれを呑んで、
救済としての和解金を手にしたいと思っている人たちも大勢いるのではないだろうか?

これらの人々は、今の原告団女性達の立派な主張の前には“沈黙”を余儀なくされているだろう。


理念としての“全員救済”は私も理解する。

しかし、現実問題としてこれを解決するにはいくばくかの妥協も必要なのではないだろうか?






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2 コメント

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元肝炎患者の母を見て (exzy)
2007-12-21 15:20:37
私の母がC型肝炎と診断されたのは8年前だった。
多分病床から一生離れられないと覚悟した。
原因が薬害なのか注射針の回し打ちかは知らない。
縁あって、良い薬に出会って現在は近場の温泉に連れて行けるくらいに回復し、数値も正常値になった。

その薬は保険が利かない高額のものであったが、母は幸いにも続けることが出来た。
しかし、同室のある患者は、来院の間隔がだんだんと間遠くなって注射を打つのをついに止められたそうだ。もしも、これが経済的理由だったとしたら残念なことだ。(母の話「高いですからねえ」と言われた)

保険が利かないために望みの治療を受けられない事例は数多いことを私も体験してよく知っている。

せめて、この問題の国や製薬会社の責任がはっきりしているひとだけには速やかに、良い薬を安価または無料で治療に当たらせていいのではないか?
健康を取り戻すためにこそ、道を探すべきだ。

救済とは、一時金を手切れ金のようにぽんと出すことでもなく、体力にゆとりのある代表者や一部弁護士達の言う「裁判の完全勝利」まで患者を待たせることでもない。

一日も早く最善の治療と闘病生活を援護することだと思う。大臣は、権力が及ばなかったかも知れないが、原告団を裏切ったとは私は思わない。閣僚としては善戦したと思う。患者の為に、軟着陸を望む。
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有限 (P@RAGAZZO)
2007-12-21 15:52:34
>>せめて、この問題の国や製薬会社の責任がはっきりしているひとだけには速やかに、良い薬を安価または無料で治療に当たらせていいのではないか?

賛成です。
命が有限である以上、
国の対応は遅きに失した完全策よりも
完全でなくとも早急である事をこそ優先すべきであると私も思います。

原告団も現状の患者の状態をふまえた上で、現実的な対応をすべきでしょう。
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