私の手術は入院して2日目の午後1時からと決まった。
12時半には処置室という所に行って淡いブルーの割烹着のようなものを着せられ、
簡易ベッドに寝かされ、肩にひどく痛い注射を打たれた。
『こりゃぁ何の注射ですか?』と訊くと、精神を落ち着かせるためのものだと言う。
15分くらいすると私は横たわったまま、そのベッドごと病院の長い廊下をカラカラカラカラと音を立てながら手術室に向かった。
足の方から冷えた空気がシーツの中に流れ込み下肢がひんやりと心地良く、
何だかドラマのワンシーンのようだなぁ、、と少し気恥ずかしくなった。
看護婦達が3人くらいで私を手術用のベッドに抱えて移し、
たぶん1時10分頃に執刀医がやって来た。
40歳くらいの温和な感じの男性と30前半くらいのきれいな女性(この人が私の主治医)で、
このふたりで私の腕にシャントという施術をするという。
シャントというのは、今すぐにではないのだが人工透析をする事になった時に必要なもので、
腕の静脈と動脈を結合させて血管を太く勢いの良いものにする、、とかいう、、
まぁ、、透析のための準備施術というもののようだ。
左腕の静脈にマジックでラインを引き
『あぁ、これがかたちが良いねぇ』と目覚ましテレビの軽部みたいな男性医師は誰にともなく言い、
私は『はぁ、』と情けない声を出した。
すぐに青いビニールシートのようなものを被せられ、左腕に麻酔が打たれた。
2,3分もしないうちに手首のあたりにゴムをガサガサやっているような感覚がして
『これ痛いですか?』と竹内結子似の女医に訊ねられた。
もう既にメスを入れているらしい。
『あ、いえ、、大丈夫です』と応えると『痛いときは遠慮なく言ってくださいねぇ~』と結子。
手術は順調なのか不調なのか良く判らないままに30分ほど経過。
時々軽部が『これどうしようかなぁ、、こっちのヤツにする?、、これでもいいけどね』と頼りないことを言って私を不安にさせ
『まぁ、、どっちでも良いけど、、あ、それねじらないでね』と結子に指示した。
彼らのメスはしばしば私の指の神経に接触しているらしく、
私の薬指と小指が時たま激しくピクピクと痙攣した。
看護婦が時々シートの間から私を観察し『大丈夫ですか?』と声を掛けた。
ちょうどその時私は右の鼻の穴がとてもかゆくなっており、
看護婦に『あの、、鼻が、、かゆいんだけど、、』と訴えた。
私の右手の中指にはクリップのようなものが挟んであり、指が使えなかったのだ。
看護婦は『ここ、、ですか?』と鼻の頭頂部を擦り、
『いや、、その、もうちょっと右の、、、その、、、穴のほうが、、』と
私はできるだけ右鼻穴を彼女の指にくっつけようと努力した。
彼女は了解したのか小指を私の鼻穴に突っ込み、遠慮がちにモゾモゾ動かした。
私はかゆみが満足には解消しなかったが、我慢した。
12時半には処置室という所に行って淡いブルーの割烹着のようなものを着せられ、
簡易ベッドに寝かされ、肩にひどく痛い注射を打たれた。
『こりゃぁ何の注射ですか?』と訊くと、精神を落ち着かせるためのものだと言う。
15分くらいすると私は横たわったまま、そのベッドごと病院の長い廊下をカラカラカラカラと音を立てながら手術室に向かった。
足の方から冷えた空気がシーツの中に流れ込み下肢がひんやりと心地良く、
何だかドラマのワンシーンのようだなぁ、、と少し気恥ずかしくなった。
看護婦達が3人くらいで私を手術用のベッドに抱えて移し、
たぶん1時10分頃に執刀医がやって来た。
40歳くらいの温和な感じの男性と30前半くらいのきれいな女性(この人が私の主治医)で、
このふたりで私の腕にシャントという施術をするという。
シャントというのは、今すぐにではないのだが人工透析をする事になった時に必要なもので、
腕の静脈と動脈を結合させて血管を太く勢いの良いものにする、、とかいう、、
まぁ、、透析のための準備施術というもののようだ。
左腕の静脈にマジックでラインを引き
『あぁ、これがかたちが良いねぇ』と目覚ましテレビの軽部みたいな男性医師は誰にともなく言い、
私は『はぁ、』と情けない声を出した。
すぐに青いビニールシートのようなものを被せられ、左腕に麻酔が打たれた。
2,3分もしないうちに手首のあたりにゴムをガサガサやっているような感覚がして
『これ痛いですか?』と竹内結子似の女医に訊ねられた。
もう既にメスを入れているらしい。
『あ、いえ、、大丈夫です』と応えると『痛いときは遠慮なく言ってくださいねぇ~』と結子。
手術は順調なのか不調なのか良く判らないままに30分ほど経過。
時々軽部が『これどうしようかなぁ、、こっちのヤツにする?、、これでもいいけどね』と頼りないことを言って私を不安にさせ
『まぁ、、どっちでも良いけど、、あ、それねじらないでね』と結子に指示した。
彼らのメスはしばしば私の指の神経に接触しているらしく、
私の薬指と小指が時たま激しくピクピクと痙攣した。
看護婦が時々シートの間から私を観察し『大丈夫ですか?』と声を掛けた。
ちょうどその時私は右の鼻の穴がとてもかゆくなっており、
看護婦に『あの、、鼻が、、かゆいんだけど、、』と訴えた。
私の右手の中指にはクリップのようなものが挟んであり、指が使えなかったのだ。
看護婦は『ここ、、ですか?』と鼻の頭頂部を擦り、
『いや、、その、もうちょっと右の、、、その、、、穴のほうが、、』と
私はできるだけ右鼻穴を彼女の指にくっつけようと努力した。
彼女は了解したのか小指を私の鼻穴に突っ込み、遠慮がちにモゾモゾ動かした。
私はかゆみが満足には解消しなかったが、我慢した。