自殺サイト嘱託殺人に思う

2007-10-11 17:55:48 | Weblog
自殺サイトで、

依頼人の女性を、20万円で、睡眠薬とポリ袋を使って殺害した事が話題になっている。


もちろん世間の反響は、ケシカランとか死んではイカンとかいうものが多いのだが、

どうも、、その、、心に来ないというか、、ストンと落ちない。


逮捕された男は、妻子が居て、600万ほどの借金があり

月々20万円の返済があったそうだ。



まず、この、嘱託殺人に対する報酬が

薬代込みで20万円というのがあまりに安い。



彼は去年の冬、

真っ暗な駐車場に停めた車の中で

1時間ほども一心不乱に携帯電話でメールを打つ姿を見られている。


何だかその様子を想像すると

もぅギリギリに追い詰められた人間が、

つまり、

自分自身の『死にたい』という気持ちを投影させ

水に映し出された我が身を見るようなた思いで、

依頼してくる人の話を

そのセツナサが毒となり

彼自身の血液の中に溶け込んでくるような感覚で

聞き込んでいたのではないか。



彼はおそらく

依頼者を慈しむような気持ちでこの恐るべき行動を敢行したに違いなく、

この事の実行は、殺人であると同時に

限りなく自殺、もしくは心中に似た心境であった、、、のではないだろうか。



そうでなければ、20万円というのはあまりに安く、

たかだか1ヶ月間の借金返済分でしかない。



彼は、死にたかった、、、

もしくは滅亡、

或いはこの世から消え去りたかった。



この感覚は、

私自身も自殺を真剣に考えた事があるひとりとして、

カミソリで皮膚の上をそ~っとなぞられるように

ひんやりとした緊張とある種の快感を持って自覚する事が出来る。




もとより、私はこの事件を擁護しているのではない。


しかし、

この自殺を依頼した女性の持っていたであろう孤独と痛み、せつなさを思うと、

彼女は、一緒に死んでくれなくとも、

己の死に立会い、見届け、添い続けてくれた

殺人罪に問われるかもしれないこの容疑者の男に

限りない感謝の念を持ったと思う。



男もまた、逮捕に至り、

自分自身に『決着』がついたことに安堵し、

むしろ、

今は心の安寧を得ているかも知れない。



この事件を聞いて

イケナイとかケシカランとかではなく

ただ、、、哀しい、、、、と

私は、思った。





上記のような事を書くと

また“正しい人々”から強い非難を受けるかも知れないと思ったが

心の思うままに述べた。





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2 コメント

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もう一つの考え (影法師)
2007-10-12 20:44:51
果たしてPさんが仰っしゃるように、この事件は切ないものなのでしょうか?

私は、「正しい人々」の意見には日頃なんの共感も得ませんが、この事件に関してPさんとは少し考えが違うようです。

確かにこの男性は苦しかったでしょう。

死にたい…と思ったこともあるでしょう。

でも死ねなかった。

死ぬ勇気がなかった。



彼は、孤独を感じ自殺願望を持っていた女性を殺すとき、苦しんでいる自分とダブらせ慈しむ気持ちが本当にあったのでしょうか?

死ぬ勇気のない男性は、一月分の支払い額でも良い、とにかくお金が欲しいという気持ちなのではなかったか…。

又、殺害された女性は、自分の死を見届けてくれるのだと、男性に対して本当に感謝したのか。

ただ、なんでも良い、死ねれば良いと思ってはいなかったのか?



逮捕されたことで、全てが終わり心の安寧を得た!?

殺人者の妻、そして子として、これからの人生を生きていかなければならない妻子は、どんな気持ちでしょう。

もし、私の父がこの男性のような選択をしたなら、私は父を恨むでしょう。

どうして殺人ではなく、自分で死ぬという道を選んでくれなかったのだろう…と。

それに残された借金は?





もっと他に選択があったはずなのでしょうが、彼にとって二者択一の選択しかなかったのならば、私は、彼は殺人ではなくやはり死ぬべきだったのではないかと思います。



身勝手な選択をしたと、批判の念を抱かずにはいられません。



詳しく記事を読んだ訳ではありませんが、私も死にたいと本気で考えたことのある人間として、思いのままに意見を書かせていただきました。



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>>影法師さん (P@RAGAZZO)
2007-10-13 11:21:39
コメントをありがとうございます。

この男の真意は私にも本当のところは判りません。
報道によれば遊ぶ金が欲しかったという情報もあります。

これは想像なのでそのつもりで聞いて頂きたいのですが、
彼は当初遊ぶ金や借金の返済金の為に
睡眠薬など自殺幇助の為の薬を売っていたようです。

その時点では純粋に金の為であったろうと思います。

しかし、今回の嘱託殺人に至った経緯は
少し事情が違うのではないかという感じがするのです。

というのはただ単に薬を売るのと殺人では
その越えるべきハードルが余りにも違い、
その代価が20万というのは
既にもうお金の問題ではなくなり
自殺したがっていた女性の思い(孤独や苦しみ)に魅入られたようになって、
自身の手を直接下してしまったのではないかと思ったのです。

女性の心理を思うと、

影法師さんのおっしゃるように「ただもう死にたかった」というのはその通りだと思いますし、
死の間際にこの容疑者を憎んだかも知れません。

ただ、彼女の『孤独』は少し緩和されたのかなぁという思いも拭い去れないように思います。

残された容疑者の家族の事を思えばもう何も言えません。

この男が身勝手で批判されてしかるべきであるという事には異論がありません。

ただ、事件を聞いて、その現場に我が身を置いたとき、
いろいろと感ずることが多く、
素通りができなかったというのが素直な心境です。
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