速いもので、京都家族旅行から一ヶ月以上が経ちました。
本日はその二日目午後のお話でございます。
「太秦映画村」に大満足した私ども一行は、嵐電「帷子ノ辻駅」から
通称「青虫電車」に乗り、午後の目的地「北野天満宮」に向かいました。
「青虫」は学生時代と変わらず緑色の小さな車両のままで、民家の軒先を
縫うように走って行きます。通学に便利なため沿線に貸間を見つけたのですが、
僅かの差で契約を逃した事を思い出しながら車窓に流れる景色に目をやって
おりました。
家内は初めての乗車のようで、車外の情景について色々二男に話し掛けながら
少し興奮気味に短い電車の旅を楽しんでいたようです。
「ひろちゃん、あそこに梅が咲いてるよ。見て見て、今度は白い花。」
そういえば、彼女は季節の変化に普段でも敏感で、一緒に車で通勤する時にも
私は見慣れた様子にただぼんやりしているだけなのですが、道路沿いのツツジが
咲いて綺麗だとか、桜のつぼみがふくらんで一日一日ピンク色が濃くなって来た、
今年は紅葉が早いなどと口にしながら、ハンドルを握っております。
私も高校時代までは俳句や短歌を齧り、地元紙に作品が掲載されたり
全国コンクールで入選したりしたのですが、特に就職してからは連日の
残業に追われ感性がすっかり鈍くなってしまったようです。
私が僅かな安定した収入のためにサラリーマン生活で失ったものは、
心身の健康ばかりでない事を確認しほんの少しだけメランコリックに
なった次第です。
「青虫」が終点の「北野白梅町」に到着しました。
予定ではなつかしの近所の「餃子の王将」で昼食を取る事にしていましたが、
そこでとんだハプニングと思いがけない旅の収穫がございました。
しかし、残念ながら出勤準備の時刻となりましたし、皆さんにこれ以上駄文を
読んでいただくのも恐縮でございます。
本日はこれまで、続きは何時とはお約束できませんがお許し願います。
「思い煩う事なかれ、生きてるだけで丸儲け。
おもしろくない事、嫌な事は自分なりにやり過ごし、右から左へ受け流す。
大所高所に常に立ち、いつも笑顔で俯瞰して、ここ一番に毒を吐く。
目指すは「杉下右京」です。」