観光列車から! 日々利用の乗り物まで

日記代わりに始めました。
まずは先日の小旅行での観光列車から出張利用の乗り物まで。

WEST.Dr.BLUE 5m弦軌道検測車(保線車両)

2021-06-06 04:49:44 | 筑豊電気鉄道筑豊電気鉄道線

WEST.Dr.BLUEは線路の歪みを調べる保線車両である。
5m弦軌道検測車

軌道は,レール,レール締結装置,まくらぎ,道床から構成される土木構造物であり,鉄道車両を支え,列車を円滑に誘導する役割をもっている.しかし,軌道は車両の繰り返し通過により徐々に正規の位置から移動,変形していく.この軌道の正規の位置からのずれを軌道狂い (または軌道変位(注1)) といい,軌道狂いが大きくなると車両の走行安全性や乗り心地が悪化するため,継続的な検査により状態を把握して,整備や材料交換などにより状態を維持する必要がある.軌道の検査のうち,軌道狂いの測定を特に「軌道検測」という.

軌道検測の概要
軌道狂いの検測は,軌道の機能維持のために欠かせない作業である.
• 高低:レール長手方向の上下方向の変位
• 通り:レール長手方向の左右方向の変位
• 軌間:左右レール間隔の設定値からの差
• 水準:左右レール高さの設定値からの差
• 平面性:軌道のねじれを表わす指標で,一定距離を隔てた 2 点の水準の差 (JR の場合,在来線 5 m,新幹線 2.5 m)鉄道事業者は,各軌道狂い項目について mm 単位の管理値を設定し,その値を超えないように整備することによって,車両の走行安全性を確保している.

電気式軌道検測車の検測機構
機械式の軌道検測車では,速度 90 km/h 以上での検測が困難であったため,1953 年頃から高速走行のために電気式の検測機構の開発が進められた.レール上下変位については,走行用車輪の軸箱を利用し,アームとボールジョイントによるリンクで車体側に取り付けられた変換器 (回転角から変位を求めるタイプ) をつなぐことにより,車軸の左右の動きや旋回を許しながら,走行用車輪の上下の動きだけを検測する機構としている.この検測機構は,現在の差分法の軌道検測車において使用されている.

 

 


一方,レール左右変位については,車輪フランジ外面とレールの間には横動遊間があり,走行用車輪が必ずしもレールに沿って動かないため,走行用車輪で検測するのは難しい.そのため,空気ばねによってレール側面に押し付ける測定車輪を設け,リンクとボールジョイントを利用して測定車輪の動きを変換器に伝えることにより,レール左右変位を検測する機構としている.この測定車輪は,走行用車軸の軸箱を結ぶ釣合梁に取り付けられた測定枠から吊り下げられる構造としている.このようなレール変位の検測機構を利用し,剛な車体を基準として 10 m 弦正矢法をその定義通りに構成すると, 3 つの台車が 5 m 間隔に配置された車両となる.これにより,10 m 弦正矢法での高低狂い,通り狂いを検測するとともに,中央の台車の測定値から軌間狂いを求めている.このような構成の 3 台車軌道検測車の代表例が,いわゆる「マヤ車」,マヤ 34形高速軌道試験車である.その後,新幹線でも,この検測機構の軌道検測車として,東海道新幹線用921 形 1 号車が導入 (1962 年) され,最高速度 160 km/hで夜間検測が行われた.

 

 

 


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