大入魚雷遠距離発射場跡です。海軍では開発した魚雷をこの大入で発射試験をしていました。より射程の長い93式魚雷が開発されてからは大津島が93式魚雷の発射試験場となりました。昭和18年以降、特殊潜航艇部隊の黒木博司海軍少佐(機51)と仁科関夫海軍少佐(兵71)は、九三式魚雷を改造した人間魚雷に着想し兵器としての採用を請願した。申請を何度も却下されながら遂に実現まで漕ぎつけた、昭和19年2月に人間魚雷の試作命令が出て、昭和19年7月25日に回天試作機の航走試験が大入遠距離魚雷発射場で行われ成功、8月1日に兵器に採用されると同時に100基の緊急生産命令が出された。この大入魚雷遠距離発射場は回天試作機の航走試験が行なわれた場所でもあります。昭和19年7月に考案者の一人黒木博司大尉(当時)自身が試作された回天に乗り込んで航走し成功しました。黒木大尉は兵器としての人間魚雷(回天)を実現するために、この大入魚雷調整場をたびたび訪れていたそうです。
写真は大入遠距離魚雷発射場上家と観測所が置かれていた先端部。今はありませんが、昭和40年代に倒壊してしまったそうです。工場の所は当時第三魚雷調整所、魚雷調整場、魚雷納庫準備場、充電並調整所、作業所、工員会食場、倉庫、などの建物がありました。最後の写真は、揚収装置上家の土台。
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