陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

資格の勉強ばかりにかまけてはいけない

2024-07-31 | 教育・資格・学問・子ども

私は行政書士資格をふくめ、士業資格を三種、日商簿記の二級程度を取得しています。
履歴書に書いておいたら、まず事務職に応募できるのに遜色ない資格ですね。国立大学院の修士号という学歴は正直、活きているとも思えませんでしたが(苦笑)

私はこれらの資格を、比較的、個人事業主専業時代の、時間とお金の余裕があったときに数年かけて、しかも独学の初回で合格してきました。

転職活動をして、日本年金機構の契約職員に採用され、社労士の勉強をはじめましたが。
これがなかなかの難関。その後、別の職場に転職しても、出社前、帰宅後、休日も学習を続けましたが。コロナ禍で受験があやぶまれたがため、断念して、今に至ります。

士業資格のみならず、パソコンのタッチタイピングの練習なども、朝3時起きではりきっていましたし。健康にいいからと起きてすぐ、腹筋腕立て伏せのトレーニングをしたり、ウォーキングをしていました。

しかし、現在は出社前のこうした無理をやめています。
朝は定時に起きていますが、準備を整えたあとは、家を出る時間まで1時間ほど、仮眠をとるようにしています。この仮眠のあいだに眠れることもありますし、横になっているだけのこともあります。その日、やらねばならないことリストが浮かび、慌ててメモをすることもあります。

ただ、この出社前の仮眠をすると、カラダがとても楽で。
仕事中もあまり疲弊を感じなくなりました。以前はストレスで出社前に家でも、電車降りた後の駅で、さらには会社のトイレでと、よくお腹を下していたのですが、最近はほとんどありません。

会社に行く前に、必死になって業務ノートを見直したりするのもやめています。
思えば、資格の勉強は、勤め先の業務と被らない知識もあります。仕事に不慣れな時に、こうした小難しい勉強をしてしまうと、脳が混乱してしまい、かなりの負荷がかかってしまいます。しかも睡眠時間を削ってしまうので、イライラしがちになり、情緒不安定にもなりやすいのです。

私が行政書士資格を取得した30代の頃、40代半ばくらいの方から、自分も会社辞めて士業資格とろうかな、という相談をもちかけられたことがありました。
どういった人生を生きるかは本人の自由ですが、40代にもなったら、いくら高度な資格を持っていても、その業務の実務経験年数が不足していていれば、再就職の選考段階で足きりにされてしまいます。とくに士業事務所などは若い頃から下働きで育てるか、豊富な実務経験がある人を即戦力で雇うのが当たり前ですので、事務職としての経験値がない方が法律系の士業資格をとっても、なかなか厳しいものがあるでしょう。さらには、ある程度のパソコンスキルやITリテラシーがないと、行政機関への届書などの作成は今後益々厳しくなります。

もちろん、向学のために、あるいは趣味の一環として勉強しておくのはよいことです。
私も社労士の合格はできませんでしたが、労働法や社会保険関係の知識があったことで、今の職種に巡り会えたといっても過言ではありませんから。

「弁護士やら税理士やらの資格の勉強をしている」? だから、なんなのでしょうか?
そういった自己紹介は意味がありません。がんばっているアピールはわかりますが、中高年になったら結果が全てです。税理士資格を持っている人よりも、三科目合格で税理士法人に20年務めたキャリア所員のほうが、へたな新人個人事務所開業者よりも頼りになることがあります。職歴だって、自分がたどってきた同業界同職種しか加味されなくなります。

私も行政書士などの資格を取得したことで、再び諦めていた、事務系の正社員就職への道が開けたのは事実ですが。それ以前に、個人事業上の独りで契約交渉したり、経理作業をおこなってきた実績が10年あったことが多少なりとも、転職に役立ったのではないかと思っています。

難易度の高い資格に挑戦するのは見上げた心がけですが、中高年になったら生計の手立てをまず確保することが大事です。いつまでも学生気分でいるのは、ただの不良牢人です。…というのは、受験勉強ばかりに逃げていて、ブラック企業はうんぬんかんぬんと不満ばかり洩らしていた私の反省なのです。

(2022/07/23)








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