就業先で労務管理上の課題があり、手持ちの資料では調べられないので、さっそくネット検索。
ところが出どころ不明の情報ばかりで、どれが正しいのかわからない。よしんば、その情報が正しかったにせよ、自社にその条件が適用できるのか判じがたい。
判断に迷った挙句に、知り合いの税理士社労士法人の担当者へ電話連絡したところ、欲しかったアドバイスがすぐ降りてきました。一秒一刻を争う事態で、欲しい情報がすぐに出てこないものは困りものですよね。
ネットではたしかに検索の精度をあげれば、キーワードひとつで情報にヒットできます。
ただし、検索エンジン上の都合で、不必要な情報に埋もれてしまう場合もありますよね。
私もそうなのですが、聞きかじったばかりの知識を書きつけて。
そんな記事がうっかり注目されてしまい、まちがった認識がひろがってしまった、なんてことはよくあります。
とくに怖いのは、お金や医療健康に関する情報でしょう。
ひとの人生を左右するだけに慎重にならざるをえません。今ではもはや笑い話にできますが、コロナワクチンの接種の過剰なネガティブキャンペーンもそのひとつ。
また情報をただで利用できると思い込むのも考えものです。
キーワード検索出来てすぐ手に入る情報は、お安く、誰でも入手できる。ということは、情報価値が必ずしも高くない可能性もありますよね。私はお世話になった専門家には贈答品やお礼状を欠かしませんが、ときおり、こうした専門知識をただでなんでもかんでもお願いしたら調べてくれると便利屋にされることがあります。しかも、それを得意げに自分が知っていたかのように吹聴されるのには参りました。
最近、とある本を読んだらSNSに浸る時間が多いほど人生の幸福度が下がる、とあってドキリとしました。交流がさかんで楽しいのはイイことですが、ついつい振り回されて、見栄を張って無駄な消費をしたり、請け負わなくてもいい約束をしてしまったり、またしつこいコメントに付き合わされて時間を空費をしたり、そんなことがありますよね。
ひとは、自分で自分をコントロールできない状況下に陥ると、どんなに数字がついて回っても嬉しさが目減りしてしまいます。
ネットで自慢げにテストの点数や仕事の業績やらを披露しても、上には上がいるのかもしれまない。比較することで得られるものは、すぐ誰かに更新されてしまうのです。
以上は心理的なお話で、以下は物理面のデメリットを。
アマゾンには、「欲しいものはすぐ見つかる」といううたい文句があります。
たしかにとても便利。近年ではウーバーイーツでご飯がすぐ届くらしい。私もたまにオンライン中古書店ショップで割引があるとついつい購入してしまう。けれども、届いた本が読む暇がない。管理に困って寝かせているうちに傷んで処分に困る。なんてこともありえます。
自分が欲しいものは、実は、もっともっと苦労して、良く考え抜いてから、手元に置いた方が、末永くお付き合いできるのではないのだろうか。年をとって動線が広くするためにモノを減らすようになってから、そんなふうに考えています。
ちなみに、私がネットでの買い物に慎重になったのは。
今年になってから、アマゾンでの買い物にトラブルがあったためで。お金で損はしていないのですが、買ったものにいちいちレビューつけろだの、届かなかったら請求のメールを出すだの、不良品はどうするかだの、そういった扱いがとても面倒に感じられたからです。いや、もうね、顔の見える相手から買った方が安心でしょう、と。すこしぐらいのお得ポイントぐらいでこんな嫌な気分になるならば、もういいや、欲しいものも厳選して買えばいいや、新しいものなんか見向きもしないぞ、としか思わなくなったからです。
実際、中古本も破損した部分がみつかると気味が悪くなって、けっきょく二度と読まなくもなります。新品だから使い込むとは限らないのですが、きれいなもののほうが大事に使おうと思いますよね、やはり。
今回のは、あくまで、ネット上での買い物で不機嫌になった人間の戯言です。
ECサイトの取引が便利なのは違いないのですが、モノを届けるまでの流通経路にはさまざまな働き手の苦労があることを理解しないといけませんよね。
(2022/07/03)