陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

あれからの神無月の巫女、これからの姫神の巫女(二)

2020-06-27 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女
いいぞ、媛子、もっとやれ!
今度の「姫子」はなかなか大胆で
「千歌音」ちゃんもたじたじです(?!)



漫画『姫神の巫女』第一話は、電撃マオウ2020年7月号で好評掲載中です。
今回もレビューの続きを。

さて、原作者の介錯先生のツイッターでは、姫神の巫女コソコソ裏話が載っていたりします。




公式が神無月の巫女オマージュし過ぎで困ります!!
洗濯板設定まで受け継ぐのか…。個人的にはなくてよかったシーンです(超失礼)。ほっとくと、原作者先生がどんどん暴走しそうで、絶対、神無月の巫女漫画版の一巻巻末ぐらいまでやりそう…。下品にならないようにお願いしたい。

この初回で最大良かったところといえば。
原案小説での、例の大問題の、近江和くんことエラソーマのやらかしが、ファンタジーっぽく描きなおされていたことですよね。ウェブノベル上だと、島の上流階級である双磨に対し千華音は頭があがらないようで我慢してるだけで。なんだかセクハラを容認されてるみたいで、あのシーンはかなり気味が悪かったのですが。今回はこの部分はよかったですよね。神無月の巫女のギロチみたいなポジションなんですよね、この男。アニメ神無月の巫女の第九話で鎖ぐるぐる巻きシーンのパロディかと思われます。

神無月の巫女ではゆいいつの良心だったけれども、姫神の巫女ではどうなることやら、ソウマ少年。エラソーマに媛子がデートの画像を内緒で送りつけてるから事情知ってるとか、じつはエラソーマは都会にいなくてリモートワークで監視してるとかだったら、嫌すぎません? 媛子のスマホに電話したら、エラソーマにつながったとか、じつは代理でLINE送信してましたとか。ひめちかキッスを待ち受け画面にして鼻の下伸ばしてる百合男子なソーマくんとか。双磨くん、ノベルの表紙ではCLAMPキャラみたくえらくかっこいいのに、なんで本編ではあんなんなんや…(憂)。漫画版ではまだ素顔は仮面の下。後ろ髪、長い人なんですね。タイプで言えば、大神ジンですね。なんか、ブラコンな美形のお兄さん出てきて、腐女子が喜びそうな展開になりそう(んなわけない)




そういえば、このシーンはなかったですね。
没になった案ということなのでしょうか。ほのぼのに見えるので、実物をみて裏切られる(いい意味合いで)方も多かったのでは。








制服がウェブノベル版より若干変更されているのも、本誌で観るまで気づきませんでした…orz
いまの女子高生、みんなワイシャツにニットですよね。ノベルの媛子の制服は、乙橘学園のベストに近くてなかなかよかったのですが。ファンが二次創作しやすいように、描きやすいデザインにしてみたのでしょうか。あの独特なデザイン好きだったんですけどね、現在が舞台なので日常に近づいてしまったふたりなのでしょう。



以前からかねがね思っていましたが。
植竹さんがキャラメイクすると、かなり子どもっぽくみえる媛子も、漫画版になりますとちょっとマコちゃん(というか、白鳥くうか?)入ってると言いますか、ぐいぐいな感じ。ドジっ子要素はあるのだけど、微妙に計算してる印象があります。すでにウェブノベルを呼んでしまったせいで。姫子って、漫画版の神無月の巫女のときも、たま~に大人っぽい顔をすることがあって好きなんですが。

それにしても、あと108日目の運命の日「御霊鎮め」に起こる出来事…と、そのあとと。
胃が痛いですわ、あれをどうビジュアル化するのかと。108って、単に「やおい」をひっくり返して百合だよの意味と読んでしまう私はもう脳が腐ってます、ハイ。

あと、この「姫神の巫女」はいちばん「神無月の巫女」に近いというご意見もあるようですが。個人的には「京四郎と永遠の空」に近くて、千華音をのちほど襲う衝撃は、綾小路京四郎といっていいかもしれないですよね。
自分が強者がわで、生殺与奪を握っていると思ったはずの存在が、というちゃぶ台返しが…。アニメ神無月の巫女の場合、八話で犯罪的な行為があったとしても、それ以前の一途な千歌音の無償の愛がていねいに描かれたことにより、姫子の心の変化が許されたような感じもしますが。ありきたりなデートを楽しむカップルは、作中かならずや痛い目に遭わせてやるぜ、という制作者がわの猛烈な熱意を感じます(笑)。そりゃそうだ、高橋留美子御大いわくですね、カップルが好きだの愛してるだの、言ってしまった時点で物語が終わる。涙ながらの大告白な最終回をしてしまったがために、もはやストレートに好きだと言えなくなってしまった姫子と千歌音の運命は、やはりやはり、今回も前途多難なんですねえ。

深読みすると、いろいろ気落ちしてしまうのですが、すべては姫子と千歌音が与えてくれた過去の理想が高いため。公式であの二人の再来が拝めるとしたら儲けもの。





ひとつ驚きだったのは、最後のカラーページ一枚絵もそうなのですが。
タイトルロゴが、ふつうに平凡な明朝体だったことですね。ウェブノベル版のロゴデザインは使用しないのでしょうか? というか、ノベル版の赤い剣にある文字が読みづらくてわかりません。神無月の巫女のロゴに近くて好きだったのに残念。それにしても、「姫神」の意味が佳境でわかるのでしょうか。原題はただ、媛子と千華音の名前を並記したかっただけと思われるけれど。

以上が、漫画「姫神の巫女」第一話の好き勝手レヴューでした。
なるべく発売すぐにネタバレしないようにしてますが、毎回念入りにやるかは未定です。毎月待ち遠しいから買うだろうけれど、ほんとは各話小題がついたコミックスで一気読みしたかったり。

余談ですが。
この電撃マオウは、仮面ライダー555の913(カイザ)こと草加直人を主人公にしたスピンオフ漫画が同時掲載されていたりします。この仮面ライダー漫画は、けっこう、えぐい内容ですね…。原作石ノ森章太郎、脚本:井上敏樹、そして協力:村上幸平。サンリオのハローキティのスピンオフ漫画「イチゴマン」の縁なのでしょうか。あれ、サンリオ公式のみならず、少年ジャンプのサイトにも転載されていたんですよね。



単行本化が楽しみですね。
今度は表紙に二人お揃いで登場してほしいものです。

『姫神の巫女』第二回が読める電撃マオウ2020年8月号は、6月27日発売予定です。
きちんと毎月連載なようで、ありがたいですね。


【関連記事】
神無月の巫女スピンオフ「姫神の巫女」が電撃マオウで連載開始(百合ナビ)

【感想】『姫神の巫女』1話~108日後に運命が決まる2人~(アンタレスのアニメと漫画の解剖録)



*漫画「絶対少女聖域アムネシアン」&ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほか関連作レヴュー一覧*
漫画「絶対少女聖域アムネシアン」および、ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほかの漫画などに関する記事です。

★★神無月の巫女&京四郎と永遠の空レビュー記事一覧★★
「神無月の巫女」と「京四郎と永遠の空」に関するレビュー記事の入口です。媒体ごとにジャンル分けしています。妄言多し。



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