陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

算定基礎届も無事に提出完了!

2023-07-04 | 政治・経済・産業・社会・法務

梅雨日で、社内も蒸し暑い日が続きます。
いかがお過ごしでしょうか。

五月から六月は給与計算の控除に必要な三種の通知および届出が必要となります。
ひとつめは住民税の特別徴収税額通知書。こちらは前年度所得をもとに各自治体から送付されるので、従業員ごとに基準が違い、あらかじめ予測は不可能。ただし、通知で一年分の毎月の控除額はわかり、それを給与明細ともども配布すればよいだけ。

ふたつめは、先日にも記事に上げましたが、労働保険料申告書。
前年の雇用保険被保険者(役員をのぞく)の総賃金額に、雇用保険料率および労働保険料率をかけて、概算保険料として前納し、さらに昨年申告分との差額は確定保険料として減額されるか加算されるという仕組み。雇用保険料は個人負担分が業種によって決められた率を総支給額にかければいいので、こちらも予測はつきます。

さて、三番目が社会保険料。
社会保険料の変わり目は通常3月の各都道府県の健康保険料率(協会けんぽの場合、健康保険組合は異なる)の増減の時期、さらに標準報酬月額算定基礎届の提出となる7月初日から10日まで。その年の4月から6月に支給された報酬をもとに、標準報酬月額を決定し、のちに通知が送られてきます。

なので、5月に定期昇給がありましても、住民税のアップ、さらには9月分からの社保料の増加で、手取りが減ってしまうか、ほぼ同様という、実に悲しい結果になりかねません。まあ基本給が増えれば賞与も増えるのですけれども、標準賞与額の届出をして賞与から控除の社保料も申告せねばならないのですけどね。

この算定基礎届、電子申告も可能ですが。
労働保険料と同様、私は日本年金機構から届く印字の用紙を使用しています。電子申請時のログインが面倒なのと、もと年金機構職員として言わせてもらえば、システムの運用に不安を覚えるからです。それに紙にはすでに従業員氏名、誕生日、現時点での標準報酬月額、70歳以上の被用者のマイナンバーも印字されているので、4~6月分の報酬額だけ手書き記入すればいいからでもあります。

日本年金機構の公式HPからは各種の届書(とどけしょ)の様式がDLできます。
私はあらかじめこれのExcel入力用を準備し、そこに昨年提出分の控えを参考に一枚目、二枚目と従業員の名前、生年月日などを入力。なぜ手書きの用紙を使うのに、Excelデータを使うかと言いましたらば、報酬月額の3箇月合算額とその平均額をExcelで自動計算できるように計算式を入れてしまうからです。平均額はもちろんROUNDDOWN関数で円未満切捨ての設定に。

その用紙が届いた6月半ば頃にはすでに4月分、5月分の給与は支給されています。
なので、二箇月分の報酬月額はすべて入力しておく。そして、6月の給与額が確定したらすぐ入力しただけで自動計算してくれます。その金額を手書きで書き込めばいいだけなんですね。

実は昨年も同様に印字済みの用紙に記入していましたが、前任者同様、電卓入れていちいち計算してたら訂正だらけになったんですね。ですから、手書きとはいえ、あらかじめExcelで計算しておく。

ここで注意なのは、三箇月のうち17日未満の出勤日の月は平均額から除外すること。すなわち5月に途中入社で6月分の給与が初任給(賃金締め日が毎月15日や20日など末締め以外)という人は6月分の月給で標準準報酬月額が算定されてしまいます。時給もしくは日給計算の人は、祝日の少ない6月はたいがい勤務日が多いため、そのひと月のみで計算されてしまうと、それ以後、たとえば所定労働日数が17日の月(1月や8月など)には手取り額が減ってしまうのですね。

ほんらいは入社した月の報酬月額の届出で資格取得時算定され、この算定基礎届の提出による定時決定により9月分から標準報酬月額が改定されます。ところが、6月1日以後入社だった場合は、この算定基礎届の対象外なので、資格取得時の標準報酬月額がなんと来年の8月分まで有効になってしまうわけですね。

極端な話、5月末入社と6月初日入社、たった一日入社が違うだけで一年間の社保料に差が出てしまいます。そもそも5月のたった一日だけ加入でもその月一箇月分の社保料はかかってしまうので、会社としましても、賃金締め日までの5日以上は働けるなるべく月の前半の入社か、むしろ翌月初日の入社日に設定するように、新入社員に働きかけた方がいいわけです。

実は私はこの事実を知っていたので、近日の入社者の初出勤日を調整していたでけるように、人事上の面談でお願いしておきました。中途採用の方だったのですが、即戦力でかなり活躍が期待でき、会社としてもいい人材が確保できたと大助かり。総務責任者の私も挫折しないようにフォロー体制を整えて、サポートしています。これは私自身がいくども転職で苦い思い出があるからこそ、特に中高年での再就職者に活路を与えたいと思うからなのです。

初任給からの天引きについても、社保料や雇保料は将来の万が一の給付のための備えに必要だということを懇切丁寧に説明し、不満を和らげるように心がけています。通帳への振込額ばかりに目が向きがちですが、実は会社は社保にせよ、労保にせよ、社員負担分と同額かそれ以上の負担をしているわけですね。言ってみれば、給与明細の総支給額+天引きされた社保料・雇用保険料分は加算して渡していることになります。雇用保険料は将来失業手当や教育訓練給付、育児休業給付金などとして受給できますし、社保料は老齢年金はもちろん、私傷病による傷病手当金、出産手当金、あるいは障害年金の受給が受けられ、個人事業主、学生、主婦などの国民年金第一号もしくは第三号者よりも手厚い給付があるわけです。

ところで、昨今話題になっていますマイナンバーカードの保険証化。
現在会社員が使用する健康保険証が廃止になるわけですが、原則的に私は猛反対です。マインバーの運営に不安があるのはもちろんですが、そもそも会社の健康保険証は身分証明書代わりになるからなのですね。勤務先がきちんと明記されているからです。その昔、派遣社員なのに、出向先の市役所職員であるとか、大手マスコミ勤務だとか騙る知人がいたのですが、会社の健保証をみれば、こうした職歴詐称は一発でバレますので。

社保加入手続きと健保証の到着と引渡しの事務がなくなるのは楽でいいですが、今の行政の電子手続きの運営には大いに不安を覚えますね。旧社会保険庁の消えた年金問題もそうでしたが、年金機構のデータ管理どうかなと思う部分もありますので。

それはともかく今年の算定基礎届は、この7月1日をもって無事提出完了!
用紙が届いた時点ですでに送付状や封筒も事前準備、あとは帰り(今回は初日が土曜だったが)にポストインすればいいだけなのです。スピードアップに成功して、ほくほく顔の私です。

(2023/07/01)


※画像はBing Image Createrで作成




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