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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作者を嫌う二次創作者の条件

2021-07-25 | 二次創作論・オタクの位相


二次創作者が自己語りをする企画記事シリーズ。
はい、今回はまたしても、お叱りを受けそうなタイトルです。
炎上を狙っているのではなく、人徳者ぶって説教したいわけでもなく、ただ、この条件にあてはまってしまう自分でもぬけぬけと二次創作をつづけています、という負け犬の遠吠えめいた表明です、あしからず。

・他人の二次創作をディスる
ただの嫉妬なのか、ヤキモチなのか、ネタ被りだからなのか、カップル違い、美意識のずれ、自分の創作意欲の減退なのか。イチャモンをつける人です。ただの読者としてならまだしも、相手も二次創作者だと面倒くさい。誰かの作ったものについてあれこれ評価付けをするのは、自分に自信があるからなのでしょうか。後から出てきて目立ってきたので、潰しておこうとする老害なのでしょうか。ディスられる人にも舌禍を招く要因がないわけでもなさそうです。

・ジャンル人気を自分の人気と思っている
マイナー作品もしくは旬の過ぎた作品しか愛せなかった二次創作者のぼやきです。でも、自作が読まれないのは原作ジャンルが過疎ってるから…と考えるのも、逆に公式に対して失礼な気がします。原作ジャンルが話題沸騰中でも二次創作には興味がない人もいますし、攻撃的でおかしな信者がいるからその原作を腫れもの扱いする人もいます。私も公式に罪はないのに、二次創作者さんの言動が腑に落ちず苦手なままのジャンルがあったりします。それはともかく、「〇〇作品を愛している自分は尊い」的なジャンル自分な人が嫌われやすいの意なのですが、多かれ少なかれ、誰しも人生は自分本位なのですから、致し方なしなのでしょう(なぜかキレイにまとめやがった)

・途中で放棄の作品が多すぎる
ジャンル移動したために放置もありますが、ジャンルに居座るのに続きを書かない。自己弁護させていただくと、結末まで書いてはいるのだが気に入らないので手直ししたい、途中の展開が埋まらない、などなど。これ案外、よくありますよね。私は拙ブログで発表開始の予定回数を必ずオーバーしてしまいます。適度に推敲できないためです。ただし、本人のやむを得ない事情(私生活多忙、ジャンル内でのハラスメント等)で筆を折らざるを得ないこともあります。

・ジャンル移動が多すぎて、専門がわからない
そもそも人生上の、二次創作の原作ジャンルが限られているわけではありません。飽きたら行ってよし。でも、すぐに移ってしまう方は、一緒にその原作ジャンルを楽しめる同士ではないのかも、と不安になります。多様なジャンルに浸かると創作の幅も広がるわけですが、特定作品の愛好家からすると、その話題の豊富さについていけなくなるわけですね。まあ、好きなもの、興味が増えると、ひとつに対する執着が薄れるのはしかたがないのかも。

・ファンの見解間違い、解釈ミスについて文句をつける
なんとかに一家言ある人を〇〇警察と揶揄するそうです。自覚がかなりあります。時代が移れば作品のとらえ方も変わっていくのかもしれませんが。そういえば、今はないですが、昔はウィキペディアやら、掲示板やらで論争はよくありました。なので、SNS界隈が騒がしいのはSNSそれ自体が悪いのではなく、そもそも人間がそうだからです。好きなものに対して真剣なので熱くなりやすい。

・オフ活動至上主義者がオン活動を見下す
お金をかけて個人出版した行動力はさすがだとは思うのですが、ネットでのみ発表者をディスるのはいかがなものか。紙の本が好きな読書好きといえども、二次創作程度ならイベントに行くまでもないという人もいます。イベント手配や出版準備に費やす労力あれば、一作でも多く書いていたい。リアル作者の顔は見たくない、人混みが嫌。私は論文掲載時やカタログ編集企画の仕事で校正は経験があるので、趣味でやりたいとは思わないです。後から修正できないですし。同人誌文化自体を否定はしないですが、過去に字書きの同人屋さんに拙ブログ上でマウントとられたことがあってから、すごく毛嫌いしています。ワナビ崩れの人なのでしょうか。成人済みなのに親から経済的に独立できない人は、同人誌を出している場合ではないと思いますけどね。

・メインカップルさえいれば、あとはどうでもいい派
二次創作の本分は萌え、カップルありきの方からすれば滅ぼされそうですが…。世の中にはいろんな嗜好がありますね。都合よく使いがちな「多様性に寛容に」。原作ジャンルはけっしてそのカップルだけでは成立しないほど複雑な群像劇や設定がありますのに、それをとっぱらって、私の好きなあのふたりだけ存在してればいいのよ派の方は、もしや無人島にふたりだけの世界がいつも脳内に広がっているのでしょうか。私は、二次創作するしないはさておき、恋愛要素のみでは原作ジャンルにハマらないので、〇〇不要論がよくわからないです。

・SNS上で他人の二次創作を応援しない
ツイッターでフォローしたり、リツイートしたり、いいねしたり、感想を述べたりしない。自作の二次創作の宣伝だけしている。私はこれにあたりますが、そもそも二次創作者はかならず他作品を応援せねばいけないものでもありませんよね。いいね数やRTの有無で仲間割れが起きたりするのを目の当たりにするなら、もう交流を断ってひたすら自作のみに集中したい。それに二次創作は個人の好みがかなり反映されやすいので、万人受けしません。親密になりはしないけれども、あのひと頑張って書いているな、私も好きなとおりに書くぞ程度の、サイレントな同志愛を育めばそれでよいのではないでしょうか。ジャンル界隈が平和なのは、たいがい、二次創作者やら声の大きいファンが無駄に争わないときです。


ところで、二次創作じたいは嫌いだけれども、その本人の性格が嫌いになれないから文句は言えないというご意見もあります。
二次創作に限らないですが、作品が尖っている人で問題発言をくりかえすひともいますし、そうでない人もいます。これは芸術作品研究をやった私の勘ですが、作品と個人の人格を結びつけると正しく鑑賞できなくなるのではないですか。

以上の嫌いな二次創作者像は、私自身でもありますし、見聞きした他人でもありますが、私が嫌な思いをした相手だからと言って、そのひとの二次創作が嫌いかというとそうでもなく。SNS上ほかで声が荒いと思いつつ、その人のつくるものは許せないほどではない、というのが実情ではないでしょうか。とくに狭い原作ジャンル内では。

(2020/11/03)

【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。


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