一昨年のちょうど今頃から新宿御苑の売店でアルバイトを始めたのだった。新宿区のシルバー人材センターに登録して、すぐに応募した仕事である。
新宿御苑には4軒の売店があり、どこの売店に配属になるかは当日行ってみないとわからない。週に3日ほど、午前10時から午後5時までの仕事である。ちょうど花見の時期だったから客は多かったものの、楽といえば楽な仕事である。花見といえばアベの桜を見る会が催されたのも一昨年だったが、残念なことにワタシは非番だった。それにしても御苑はアルコール類は一切禁止なのに、あの連中は呑んでおったなあ。どこまでも腐った連中である。
売店はレジもなくもちろんコンピュータも導入されていない。毎朝釣銭用の手提げ金庫を1軒につき二つ三つ持って行き、そこからのお金の出し入れとなる。外人客はカード決済希望が多いのだが、そういう客にはNo cash onlyと言わねばならない。これだけでなく、適当でブロークンな英語のやりとりもある。まあ、中学生程度の英語力でもなんとかやってはいける。
閉店の時間が近づくと、店内の商品のカウントが始まる。前日の記録に合わせて、何がいくつ売れたかを所定の用紙に書き込むのである。ワタシは心底驚きました(笑)。オイオイ、これでは江戸時代じゃないかよ、まったく。で、管理事務所に戻って手提げ金庫の中のお金の勘定である。合うはずがない。ワタシが働いた3ヶ月間、一度も帳尻が合ったことがない。
自然に囲まれた公園での仕事は楽しい体験だった。去年、今年と新型コロナの影響で御苑は閉鎖されることが多く、アルバイトの募集はやっていない。残念なことである。コロナさえなければオリンピックもあり、大勢の客を見込んでいただろうから、現在は業態も変わっているのかもしれない。
玉川上水から流れ。開渠式である。大木戸門からは暗渠となる。
散歩道に残る1927年に建てられた門衛所。