瑞園さんでサムゲタンの取材に行ってきました。
ボクのたべデパでの最後の取材です。
サムゲタンは若鶏に朝鮮人参や餅米や栗などを詰め、煮込んだ韓国のスープ。
日本でもやっと知名度が出てきていますが、「ホンマに美味いサムゲタンを出すお店はほとんどない」
という瑞園の谷岡さん。
「うちのサムゲタンの作り方は本場韓国でもやっているのが少ない本格派の味。」
普通は強火で4時間煮こみますが、瑞園の製法はこれからが勝負。
「これはほんま企業秘密やから言われへんけど、4時間煮た後にもっと濃厚にするためにある工夫してるんです。」
特にこだわった材料はどういうものですか?と聞くと、
「鳥は韓国産の地鶏で生後3ヶ月の若鶏を使ってます。この鳥を探すのに苦労しました。やっぱり韓国料理屋やから本場韓国産の地鳥を使うのが一番。もちろん味付けの塩は韓国のものです。」

コチラが使用している生後3ヶ月の若鶏。前日に4時間煮こんだモノです。
小ぶりながらもなかなか美味そう。
厨房で前の日に作ったサムゲタンのスープに火を入れ塩こしょうで最後の味の調節をしていきます。
まだ塩こしょうが入っていない状態のスープを味見しました。
「何の調味料も入れてません。ただ鳥と野菜のだしのみです。」
「普通のサムゲタンはちょっと色が透けていて、だいぶ薄いです。うちのスープは手間をもっとかけているんでこんな濃厚なスープができるんですよ」
若鶏の純粋なだしと朝鮮人参の風味、餅米やほかの野菜の甘みが凝縮している。
白濁したスープがどれだけ濃厚かを物語っています。
口の中が一瞬にして花が咲いたようにパッとなり、いつまでも留まる濃厚なスープの香りは後を引く美味さでこれに塩味がつく事を想像するといても立ってもいられなくなります。
最後に塩こしょうを入れ、味を整えます。
でてきたのがコチラのサムゲタン。

スプーンで若鶏は簡単に崩れ、スープとざくっと混ぜていただきます。

塩で整えられたスープは秀逸。実に立体的だ。
こんな濃厚な鳥のスープは生まれて初めて。
鳥の臭みは全くなく、濃厚だけど豚骨スープのようにギトギトしていない。
塩が入ったのでスープの輪郭がハッキリと現れ、味に締まりが生まれる。
3ヶ月の地鳥がまた柔らかいんです。
身が簡単に骨からポロリととれ、それを口に運ぶと、とろけるような食感。
ジューシーな身はその地鳥自身から出たスープに包み込まれている。
栗もほくほくでふっくらと炊かれており、甘い。
スープを飲むと知らぬ間にため息がでていました。
ボクは一人ですべて平らげましたが、二人で一人前がちょうど良い量ではないでしょうか。
この瑞園のサムゲタン、今月27日までに紹介します。
最後の最後にボクの大好きな瑞園さんを紹介するのも何か感慨深いものがあります。
ごぞんじ。