経済記事

経世在民と言う言葉をもう一度噛み締めたい

カネボウ粉飾2000億円

2005年04月15日 | Weblog

過去最大規模数年間債務超過か

 産業再生機構の支援を受けて経営再建中のカネボウで二〇〇〇年三月期から〇四年三月期にかけて、旧経営陣による不適正な会計処理が行われ、連結最終利益の粉飾額が計約二千億円に上ることが十三日、分かった。同日午後に発表する。

■旧経営陣刑事告発へ

 金融機関を除いた事業会社の利益操作としては、過去最大規模とみられる。同社は旧経営陣を刑事告発し、損害賠償も請求する方針。カネボウは数年間にわたり、債務超過に陥っていた可能性が強まった。
 決算の修正は株主総会の承認を得る必要はない。ただ現経営陣は粉飾が長期間にわたったため四月下旬に臨時株主総会を開き、株主に決算修正や有価証券報告書の訂正について理解を求める。
 同社の経営浄化調査委員会(委員長・鈴木祐一弁護士)は昨年十月、売上高の水増しや経費の過少計上により、〇二年と〇三年三月期に最大三百億円の連結最終利益の粉飾があったと指摘。その後、同社は監査法人のトーマツと、昨年までカネボウを担当していた中央青山監査法人とともに、現行の会計基準に沿って二〇〇〇年三月期までさかのぼって調査した。
 この結果、売上高の水増しなどのほかに、取引先である毛布メーカー「興洋染織」など関連会社の連結対象外しや在庫の損失未処理分などを合わせ、連結最終利益の粉飾額は五年間で計約二千億円に上ったという。
 カネボウが数年間にわたって債務超過に陥っていたとすると、株式の上場廃止基準に抵触する恐れもある。このため、カネボウと産業再生機構は今後の経営再建に支障が生じないよう、東京証券取引所に上場維持を要請する方針だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050413/eve_____sya_____000.shtml

フォード、25%下方修正 05年業績予想

2005年04月12日 | Weblog

 米自動車2位のフォード・モーターは8日、05年業績予想を下方修正するとともに、06年達成を目指していた税引き前利益70億ドル(7600億円)の中期目標を撤回すると発表した。販売不振や医療費などのコスト増が背景にあり、米大手格付け会社は同社の格付けを、「投機的」に引き下げる可能性を指摘している。
 最大手ゼネラル・モーターズ(GM)も3月中旬に、業績予想の下方修正を発表。債券・株式市場にショックが走ったばかりだった。
 フォードは表向き、業績悪化の理由に、価格競争の激化やガソリン価格上昇など業界共通の課題を挙げているが、1~3月の米新車販売台数の前年同期比伸び率(営業日あたりで換算)はフォードの5.2%減、GMの3.6%減に対し、トヨタ自動車と日産自動車は10%以上増。米2社の苦境が際立っている。
 フォードは今回、特殊要因を除く05年の1株あたり当期利益予想を、1.25~1.50ドルと上下限とも25%前後下方修正した。全体で22億~27億ドルに相当し、前年比約10億ドルの下落にあたる。
 これを受け、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、「投資適格」としてはすでに最低水準のBBB(トリプルB)マイナスにある長期債の格付け見通しを、従来の「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。GMと同じ評価で、ジャンク(がらくた)債と呼ばれる「投機的」水準に転落する瀬戸際となった。


金融庁、信組の自己資本比率規制をBIS基準に一本化

2005年04月12日 | Weblog

 金融庁は信用組合に対する、協同組合金融法に基づく自己資本比率規制を2006年春までに廃止することを決めた。信用組合には同規制と国際決済銀行(BIS)基準の2つの自己資本比率規制が適用されている。自己資本比率が2種類あると預金者を混乱させる恐れもあり、BIS規制に一本化する。
 今国会に提出を目指している銀行法改正案の関連法案とする。郵政民営化の関連で同法案の提出が困難になった場合も、別の形で国会に提出、早期成立をめざす。
 信用組合にはBISの自己資本4%以上と、協金法の3%以上という2つの自己資本比率規制がある。1998年に現行のBIS規制が適用されたが、それ以前からあった協金法の規制がそのまま残っていた。
 BIS基準が資産全体に占める自己資本の割合を示すのと異なり、協金法基準は主に外部負債である預金に占める自己資本の比率を示す。預金移動が活発になれば、BIS基準を達成できても、協金法基準を下回る信組が出てくる可能性がある。 (07:00)

ダイエー系列の写真プリント 負債127億円

2005年04月12日 | Weblog

 ダイエー系列の写真プリント(DPE)、55ステーションは11日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。負債総額は約127億円。同社は家電量販チェーンのノジマ(本社・神奈川県相模原市)と3月15日に事業提携を発表していたが、解消する。同社が上場しているジャスダックは11日、同社を整理ポストに割り当て、5月12日に上場廃止することを決めた。
 同社はダイエーが20%以上の株式を保有し、全国のダイエー店舗約300店で事業展開。昨年12月に産業再生機構が策定したダイエーの再生計画で「中核事業」と位置づけられていた。ノジマとの提携では5月末までに55ステーションが第三者割当増資をノジマに実施。発行済み株式の51%以上をノジマが取得して、子会社化する予定だった。
毎日新聞 2005年4月11日 21時47分

郵貯・保険の2社株処分、強制措置も 完全売却へ政府案

2005年04月09日 | Weblog

 政府は、郵政民営化で発足する金融2社「郵便貯金銀行」と「郵便保険会社」の全株式を、保有する持ち株会社が、17年4月までに完全に処分するための具体案を固めた。政府の判断による段階的な市場放出に加え、金融2社の株式に強制転換する社債や信託方式などを組み合わせ、株式価値が計8兆円規模の巨大金融会社の完全民営化を確実に達成する。
 竹中郵政民営化担当相と郵政民営化準備室は、市場への影響を抑えつつ、完全民営化時期までに確実に売却を進めるための方策を検討してきた。単純な売却だけでは法案の国会審議で「市場の受け入れ能力に比べて株式売却規模が過大」などと指摘される可能性があるためだ。
 完全処分案では、貯金、保険両社を09年度にも上場させ、自社株買いや「ブロックトレード」と呼ばれる証券会社を通じた大口の相対取引などを組み合わせれば、「市場で売却できる規模」と結論づけた。
 万一、株式市況の悪化で売却が難しくなりそうな場合は、(1)持ち株会社が17年3月末を償還期限として、貯金、保険両社の株式に強制交換する条項付きの社債(交換債)を発行(2)持ち株会社が株価や金利の変動リスクを一定程度負う契約を結んだうえで、複数の証券会社に一括売却(3)持ち株会社が信託銀行に最低売却希望価格を設定して処分を委託――といった手法も想定する。
 完全民営化の先行事例では、JR東日本が民営化から16年目で、JR西日本も18年目で政府保有比率をゼロにしたが、いずれも政府保有株の売却期限は法定化されていなかった。政府は、持ち株会社の経営陣が完全処分できなかった場合に罰金を科す方針も固めており、確実に完全民営化の公約を果たす考えだ。
 民営化法案の政府案では、貯金、保険両社の業務委託料で事実上成り立つ郵便局網は、現行水準の維持が義務化される一方、民営化当初の金融業務は、日本郵政公社と同じ内容に制限することが盛り込まれた。このため「貯金、保険両社の企業価値がさほど高まらないのに、株式売却が進むのか」(公社幹部)との指摘も出ていた。

鹿島、中村専務の社長昇格を発表・成長路線に転換

2005年04月09日 | Weblog

 鹿島は8日、中村満義専務(62)が社長に昇格し、梅田貞夫社長(71)が代表権のある会長に就任する人事を正式に発表した。バブル期の負の遺産処理を完了した梅田氏は在任9年で交代し、業界団体活動に軸足を移す。営業本部長を務める中村氏をトップに起用することで、受注拡大をテコにした成長路線に舵(かじ)を切る。
 6月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定する。同日会見した梅田社長は中村氏を選んだ理由について「今後は営業を強化し、民需を取らなければ成長できない。受注のプロを選んだ」と説明した。
 次期社長の本命とされていた創業家一族の渥美直紀副社長(55)は6月以降、企画本部長として引き続き経営の中枢に残る。梅田社長は「(渥美氏の起用も)考えたが、次に備えてもらう」と話し、含みを残した。 (21:00)

フォード

2005年04月09日 | Weblog
米フォード・モーターは六月末までに米国で最大約千人のホワイトカラー社員を削減する。業績不振の米ゼネラル・モーターズ(GM)も年内に二千人程度のホワイトカラー社員の削減に踏み切るもようだ。米国での新車販売不振の打開策を打ち出せずにいる現状からはビッグスリーの「二強」の面影はうかがえない。
 フォードは二〇〇三年に黒字転換したが、主戦場・米国での競争激化に巻き込まれ新車販売が低迷、再リストラに追い込まれた。米国で約三万二千人いるホワイトカラー社員に向け、グレッグ・スミス米州部門社長名で電子メールを送り、早期退職勧奨制度か選択定年制のいずれかを今月末までに選ぶよう促した。
 一定人数に達しない場合は解雇もあり得るという。スミス部門社長はメールで「高騰する原材料、進むドル安、増える医療費、低下する北米の生産量、容赦ない競争――。大半が我々にはどうすることもできないため、事業計画の見直しを迫られた」と苦しい胸中を明かした。
 フォードの米新車販売は三月末現在で十カ月連続の前年割れ。シェアも今年一月には一七%台まで落ち込んだ。GMも季節調整要因を含めると六カ月連続の前年割れとさえない。
 ビッグスリーの一角、ダイムラークライスラーのクライスラー部門は乗用車「300C」のヒットで息を吹き返し、十二カ月連続のプラスと「二強」を尻目に好調。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の日本車三社は快進撃を続け、韓国・現代自動車グループも躍進中だ。GMとフォードだけが、取り残されようとしている

英自動車メーカー・ローバーが経営破綻 政府が支援拒否

2005年04月09日 | Weblog

 業績不振に陥っていた英自動車メーカー、MGローバーは7日、破産管財人の管理下に入ることを決め、事実上、経営破綻(は・たん)した。経営支援を中国の上海汽車に要請していたが、交渉が行き詰まった。英メディアが伝えた。英国は総選挙を約1カ月後に控えており、同社救済が選挙の争点になる可能性も出てきた。
 MGローバーは業績低迷が長く続き、現経営陣が00年に独BMWからわずか10ポンド(約2000円)で買収。しかし、その後も業績は上向かず、昨年11月には、中国の大手自動車メーカー、上海汽車に支援を要請していた。しかし、出資金額などで折り合わず、交渉が難航していた。
 さらに、英政府に求めていた1億ポンド(約200億円)のつなぎ融資に対し、ヒューイット英貿易産業相が実行できないと表明。資金繰りに行き詰まった。
 部品メーカーが供給を止めたため、主力の英南部バーミンガムのロングブリッジ工場(従業員約6000人)の操業を停止している。
 ヒューイット同相は7日、「政府は従業員と従業員の家族への全力の支援をするとともに、管財人らと協力して自動車生産継続に努力する」として、再建を模索する考えを示した。

     ◇

 日本でMGローバー車を輸入するオートトレーディングルフトジャパン(本社・名古屋市)系列の「MGローバー日本」(東京都)は8日、「今のところ英国から連絡は来ていないが、販売・サービスは通常通り続けていく」としている。MGローバーの販売拠点は全国に約40カ所あり、セダン「75」「ZT」、オープン「TF」の3車種を展開している。
 旧ローバーグループのブランドだったランドローバーは、現在米フォード傘下で「レンジローバー」など4車種を展開しており、MGローバーとは関係ない。同様にローバーのブランドだった「ミニ」も、現在は独BMWに引き継がれている。

年金運用失敗の酒販組合、未加入者に「脱退金」

2005年04月07日 | Weblog

 酒の小売業者の団体「全国小売酒販組合中央会」(東京都目黒区、幸田昌一会長)が年金の運用に失敗し約144億円が回収不能になっている問題にからみ、年金事業に加入していない人に「脱退一時金」名目で総額1億4000万円が支払われていたことが4日、国税庁の調査で分かった。支払先は数人で、うち1人に1億円以上渡っているが、中央会は支払先の人物について「誰かわからない」と話している。
 また外債購入に関する外資系金融機関との契約書の一部に、会長名の偽のサインがあったことも判明。同庁は会の運営に「著しく適正さを欠く」として同会に対し改善勧告するとともに、早急に内部調査を行って、必要な場合は刑事告発などの法的手続きを取るよう求めている。
 同会は2002年12月、年金資金を運用するため、外資系金融機関と信託契約を結び、カナダの会社が発行する外債を約144億円で購入。債券はイギリスの会社を経由して弁護士事務所に貸し付けられるというスキームだったが、イギリスの会社が破たん、144億円全額が回収不能になっていることが分かっている。 (16:00)

国際投信の外債投信、残高が4兆円突破

2005年04月07日 | Weblog

 国際投信投資顧問は6日、外国の債券で運用する投資信託「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の純資産残高が5日現在で4兆87億円となり、4兆円を突破したと発表した。既存の国内投信では最大。低金利など国内の運用難を背景に、銀行の窓口販売を通じて預金から個人資金が継続的に流入している。
 グローバル・ソブリンの設定は1997年末で、残高は2002年10月に1兆円台に乗せた。その後は1年足らずのペースで1兆円ずつ増えている。この2年ほどは資金の流入から解約を引いた純増額が1000億円を超える月も多い。
 けん引役は銀行窓販で、銀行窓販経由の残高が全体の7割強に達している。国内より金利が高い米国、欧州、豪州などの債券で運用し、毎月分配金を支払う商品性が高齢層中心に受けている。残高が4兆円を超えた投信は、かつて人気を集めたMMF(マネー・マネージメント・ファンド)など公社債投信を除くと初めてになる。 (21:30)

3月末の外貨準備高、3か月連続減…なおも高水準

2005年04月07日 | Weblog

 財務省が7日発表した3月末の外貨準備高は、前月末より28億4600万ドル減の8377億1800万ドルとなった。
 米国の金利が上昇し、債券価格が下落したことによる評価損が、債券の運用益を上回ったことなどが要因だ。外貨準備高の減少は3か月連続で、月末の外貨準備高が3か月続いて減少するのは2002年1月以来となる。
 ただ、3月末の外貨準備高は過去6番目の水準で、1月末時点の外貨準備高の国際比較でも、日本は中国を上回り、1999年10月以来、64か月連続して世界1位を維持している。
 なお、3月末の外貨準備高のうち、米国債などの外国証券が6961億3300万ドルにのぼり、全体の約8割を占めている。


半年猶予も、経営3年ごと点検 政府最終調整

2005年04月04日 | Weblog

 政府は2日、郵政民営化関連法案の骨格作成に向け、経営形態のあり方を3年ごとに点検する条項や、情報システムの進ちょくに応じて、2007年4月の民営化時期を半年間猶予できる「危機管理規定」を盛り込む方向で最終調整に入った。経営の一体化をめぐって焦点の郵便貯金、保険両会社の株式売却については3年ごとの点検を踏まえ段階的に行うが、10年以内の完全売却に関しては結論を持ち越した。政府は3日に最終調整を行った上で、細田博之官房長官が小泉純一郎首相に報告する。
 政府が省庁間協議のために作成した原案では、郵貯、保険両会社の全株を07年の民営化後、10年以内に処分することを持ち株会社に義務付けた。しかし、「郵政3事業一体」にこだわる自民党に配慮、3年ごとの点検や、株式の段階的売却という事実上の見直し規定を設けることになった。
 「完全売却」については結論を持ち越しているが、民営化後、持ち株会社を通じて新会社間で株式を持ち合うなどの可能性が残り、郵貯、保険両社の完全分離は微妙になった。
 07年4月の民営化スタートをめぐっては、総務省、日本郵政公社に「新会社の対応するコンピューターシステムの準備に時間が足りない」との意見が強く、自民党の民営化反対派が政府方針を批判する根拠の一つになってきた。このため、政府は危機管理規定によって、先送りの可能性をにじませる。
 このほか、(1)郵便網の維持を法律で義務付ける(2)郵貯、保険両社の株式売却益などで、過疎地の郵便局を支援する「地域・社会貢献基金」を創設する(3)民営化前に準備組織を設立し、新規業務の検討に着手する、なども盛り込む見通しだ。
 ただ、自民党との対立項目が依然残っていることから、細田長官は2日、記者団に「首相の裁断を仰ぐこともありうる」と述べ、首相自ら裁定に乗り出すこともあり得るとの認識を示した。
毎日新聞 2005年4月3日 3時00分

郵貯・簡保の株完全売却で首相裁定・民営化法案骨子決定へ

2005年04月04日 | Weblog

 小泉純一郎首相は3日、郵政民営化法案の骨子づくりで焦点となっていた郵便貯金・郵便保険(簡易保険)会社の株式を2017年4月までに完全売却して「民有民営」する問題で裁定を下した。4日に竹中平蔵郵政民営化担当相や麻生太郎総務相ら関係6閣僚を集めて正式決定。2007年4月の民営化に伴い、日本郵政公社を窓口ネットワークなどに4分社化することと合わせ、同日午後に発表する。
 政府は法案骨子の決定を受けて同日中に自民党への根回しに入り、5日の政府・自民党の郵政民営化に関する検討委員会で正式に提示。4月中の法案提出に向け、党との調整を加速させる。
 3日の閣僚協議では、竹中氏が持ち株会社が保有する郵貯会社、保険会社の株式を10年間の移行期間終了後までに完全売却すべきだと主張。麻生氏は国が関与した一体経営ができるように一定の保有継続を求め、調整がつかず、首相の裁定項目となった。
 全国一律サービスを維持するため、1兆円規模の基金を創設することは閣僚間で合意した。 (01:36)

首都高川崎縦貫線、2・4キロ残して工事費が底をつく

2005年04月04日 | Weblog

 東名高速と東京湾アクアラインを結ぶ、建設中の首都高速道路「川崎縦貫線」の1期区間(川崎市、7・9キロ)が、あと2・4キロの段階で工事費が底をつき、多額の資金不足に陥っていることが3日分かった。
 ずさんな事業計画の破たんが原因だが、首都高速道路公団は先月末に行った事業評価でも、この事実を伏せたまま、抜本的な見直しを先送りしていた。
 地価が高くトンネル工事などで事業費が膨らみがちな大都市の高速道路は、10月の公団民営化に向けて見直しが必至の中、不透明な対応が問題になりそうだ。
 川崎線の事業費は、25%を国と地元自治体が負担、残りを神奈川県区間の首都高速道路の料金を充てる仕組み。1期分は、着工の1991年には2500億円だったが、耐震・地盤工事がかさみ、度重なる増額で、2001年秋、5684億円になった。このうち工事費は3518億円で、工事進ちょく率は79%。用地買収は99%終了している。
 公団の内部資料などによると、事業の完成にはいまの工事費より1000億円以上多くかかり、最終的には4500億円を上回る見込み。予定の工事費はほとんど執行済みのため、公団では今後の主要工事の発注を見合わせている。
 これには、公団内部からも、「かつては料金を値上げするなど、利用者へのしわ寄せによって事業費の増大化が許されてきた。しかし、採算性、効率性が厳しく求められる民営化に向け、準備を進める中で、従来のやり方の限界が露呈した」という指摘がある。
 有識者による公団の事業評価監視委員会では先月、工事の残りは「2期の進ちょく状況に合わせて整備する」などとして、2008年度完成を目指し「継続」が決まった。しかし、将来は国や自治体が税金を使って建設を引き継ぐ公算が大きく、「事業を公団から切り離すなどの見直しが急務」との声が出ている。
 首都公団は「事業費は改めて精査中。資金確保は厳しいが、必要な事業だ」としている。
 川崎線の1期は、3・5キロを供用しているが、接続するアクアラインの利用の低迷で交通量は予測の半分以下。2期は調査段階。
(読売新聞) - 4月4日3時11分更新

旧公団マンション、欠陥16棟建て直し

2005年04月02日 | Weblog

 独立行政法人・都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が東京都八王子市で分譲したマンション群(全46棟、919戸)の欠陥問題で、同機構が欠陥のひどい16棟を取り壊し、新たに建て直すことで住民側と合意したことが、31日わかった。
 既に建て替えが決まっている4棟と合わせ、全体の半数近い20棟の建設をやり直すという前代未聞の事態。欠陥調査が終わっていないマンションもまだ10棟近くあり、全体の改修額は、当初建設費の3倍の約600億円に達する見通しだ。
 このマンション群は1989~93年に分譲されたが、10年目の大規模修繕などを契機に、鉄筋の本数不足など、重大な手抜き工事が次々に見つかった。耐震強度が足りない建物もあり、住民は壁のひび割れや雨漏りにも悩まされた。
 機構側は「住民のプライバシーや財産保護のため」として、マンション名や所在地などを公表していない。
 46棟は6つの区画に分かれ、各区画の住民がそれぞれ管理組合をつくっている。今回建て替えが決まったのは、18棟(計322戸)が建つ最大の区画。欠陥の本格調査のため、住民は4年ほど前から近くの別の機構住宅などでの仮移転生活を余儀なくされている。
 機構関係者によると、最大区画の管理組合は全18棟の全面建て替えを要望し、昨春から紛争解決機関である第二東京弁護士会の仲裁センターで、機構側と話し合いを重ねてきた。
 その結果、18棟のうち6階建て以下の16棟について、全面的に建て替えることで両者が合意し、近く取り壊し工事を始めることになった。機構関係者は「欠陥がひどく、補修を行うと、建て替えより費用がかさむ可能性が高かった」としている。
 ただ、10階建てと14階建ての2棟については、機構側が「補修で対応できる」と譲らず、組合側と今後も協議を続けることになったという。
 建て直す16棟は、準大手の東急建設、中堅の東亜建設工業や北野建設を含む15社が建設した。同機構では、既に倒産した1社を除く14社を6か月の指名停止処分とした。
 マンション群の欠陥を巡っては、別の区画でも、手抜き工事が見つかっており、既に3棟は建て替え工事が終了、1棟は建て替え工事中。今後、本格的な欠陥調査を始める区画もあり、建て替えが必要な建物はさらに増える可能性がある。
 46棟の当初の建設費は約200億円だったが、改修には、調査費や取り壊し費もかかるため、機構は全体の費用が約600億円に上ると見込む。
 機構は費用を建設業者36社に請求しているが、「責任はない」などとする業者側の支払い拒否にあって、これまでに回収できたのは3億円弱にとどまっている。最終的な回収不能分は機構の負担となる。
(読売新聞) - 4月1日3時27分更新