経済記事

経世在民と言う言葉をもう一度噛み締めたい

郵貯・保険の2社株処分、強制措置も 完全売却へ政府案

2005年04月09日 | Weblog

 政府は、郵政民営化で発足する金融2社「郵便貯金銀行」と「郵便保険会社」の全株式を、保有する持ち株会社が、17年4月までに完全に処分するための具体案を固めた。政府の判断による段階的な市場放出に加え、金融2社の株式に強制転換する社債や信託方式などを組み合わせ、株式価値が計8兆円規模の巨大金融会社の完全民営化を確実に達成する。
 竹中郵政民営化担当相と郵政民営化準備室は、市場への影響を抑えつつ、完全民営化時期までに確実に売却を進めるための方策を検討してきた。単純な売却だけでは法案の国会審議で「市場の受け入れ能力に比べて株式売却規模が過大」などと指摘される可能性があるためだ。
 完全処分案では、貯金、保険両社を09年度にも上場させ、自社株買いや「ブロックトレード」と呼ばれる証券会社を通じた大口の相対取引などを組み合わせれば、「市場で売却できる規模」と結論づけた。
 万一、株式市況の悪化で売却が難しくなりそうな場合は、(1)持ち株会社が17年3月末を償還期限として、貯金、保険両社の株式に強制交換する条項付きの社債(交換債)を発行(2)持ち株会社が株価や金利の変動リスクを一定程度負う契約を結んだうえで、複数の証券会社に一括売却(3)持ち株会社が信託銀行に最低売却希望価格を設定して処分を委託――といった手法も想定する。
 完全民営化の先行事例では、JR東日本が民営化から16年目で、JR西日本も18年目で政府保有比率をゼロにしたが、いずれも政府保有株の売却期限は法定化されていなかった。政府は、持ち株会社の経営陣が完全処分できなかった場合に罰金を科す方針も固めており、確実に完全民営化の公約を果たす考えだ。
 民営化法案の政府案では、貯金、保険両社の業務委託料で事実上成り立つ郵便局網は、現行水準の維持が義務化される一方、民営化当初の金融業務は、日本郵政公社と同じ内容に制限することが盛り込まれた。このため「貯金、保険両社の企業価値がさほど高まらないのに、株式売却が進むのか」(公社幹部)との指摘も出ていた。

鹿島、中村専務の社長昇格を発表・成長路線に転換

2005年04月09日 | Weblog

 鹿島は8日、中村満義専務(62)が社長に昇格し、梅田貞夫社長(71)が代表権のある会長に就任する人事を正式に発表した。バブル期の負の遺産処理を完了した梅田氏は在任9年で交代し、業界団体活動に軸足を移す。営業本部長を務める中村氏をトップに起用することで、受注拡大をテコにした成長路線に舵(かじ)を切る。
 6月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定する。同日会見した梅田社長は中村氏を選んだ理由について「今後は営業を強化し、民需を取らなければ成長できない。受注のプロを選んだ」と説明した。
 次期社長の本命とされていた創業家一族の渥美直紀副社長(55)は6月以降、企画本部長として引き続き経営の中枢に残る。梅田社長は「(渥美氏の起用も)考えたが、次に備えてもらう」と話し、含みを残した。 (21:00)

フォード

2005年04月09日 | Weblog
米フォード・モーターは六月末までに米国で最大約千人のホワイトカラー社員を削減する。業績不振の米ゼネラル・モーターズ(GM)も年内に二千人程度のホワイトカラー社員の削減に踏み切るもようだ。米国での新車販売不振の打開策を打ち出せずにいる現状からはビッグスリーの「二強」の面影はうかがえない。
 フォードは二〇〇三年に黒字転換したが、主戦場・米国での競争激化に巻き込まれ新車販売が低迷、再リストラに追い込まれた。米国で約三万二千人いるホワイトカラー社員に向け、グレッグ・スミス米州部門社長名で電子メールを送り、早期退職勧奨制度か選択定年制のいずれかを今月末までに選ぶよう促した。
 一定人数に達しない場合は解雇もあり得るという。スミス部門社長はメールで「高騰する原材料、進むドル安、増える医療費、低下する北米の生産量、容赦ない競争――。大半が我々にはどうすることもできないため、事業計画の見直しを迫られた」と苦しい胸中を明かした。
 フォードの米新車販売は三月末現在で十カ月連続の前年割れ。シェアも今年一月には一七%台まで落ち込んだ。GMも季節調整要因を含めると六カ月連続の前年割れとさえない。
 ビッグスリーの一角、ダイムラークライスラーのクライスラー部門は乗用車「300C」のヒットで息を吹き返し、十二カ月連続のプラスと「二強」を尻目に好調。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の日本車三社は快進撃を続け、韓国・現代自動車グループも躍進中だ。GMとフォードだけが、取り残されようとしている

英自動車メーカー・ローバーが経営破綻 政府が支援拒否

2005年04月09日 | Weblog

 業績不振に陥っていた英自動車メーカー、MGローバーは7日、破産管財人の管理下に入ることを決め、事実上、経営破綻(は・たん)した。経営支援を中国の上海汽車に要請していたが、交渉が行き詰まった。英メディアが伝えた。英国は総選挙を約1カ月後に控えており、同社救済が選挙の争点になる可能性も出てきた。
 MGローバーは業績低迷が長く続き、現経営陣が00年に独BMWからわずか10ポンド(約2000円)で買収。しかし、その後も業績は上向かず、昨年11月には、中国の大手自動車メーカー、上海汽車に支援を要請していた。しかし、出資金額などで折り合わず、交渉が難航していた。
 さらに、英政府に求めていた1億ポンド(約200億円)のつなぎ融資に対し、ヒューイット英貿易産業相が実行できないと表明。資金繰りに行き詰まった。
 部品メーカーが供給を止めたため、主力の英南部バーミンガムのロングブリッジ工場(従業員約6000人)の操業を停止している。
 ヒューイット同相は7日、「政府は従業員と従業員の家族への全力の支援をするとともに、管財人らと協力して自動車生産継続に努力する」として、再建を模索する考えを示した。

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 日本でMGローバー車を輸入するオートトレーディングルフトジャパン(本社・名古屋市)系列の「MGローバー日本」(東京都)は8日、「今のところ英国から連絡は来ていないが、販売・サービスは通常通り続けていく」としている。MGローバーの販売拠点は全国に約40カ所あり、セダン「75」「ZT」、オープン「TF」の3車種を展開している。
 旧ローバーグループのブランドだったランドローバーは、現在米フォード傘下で「レンジローバー」など4車種を展開しており、MGローバーとは関係ない。同様にローバーのブランドだった「ミニ」も、現在は独BMWに引き継がれている。