経済産業省は21日、敵対的買収の防衛策に関する課税の考え方をまとめ、近く公表する方針を明らかにした。
敵対的買収を受けた企業が、既存の株主に割安な株式を割り当てるといった防衛策を講じた場合は、株主などが「利益」を得たとみなして課税すべきだとの指摘もある。
このため、どのような防衛策が課税対象になるのか整理し、経産省などが5月にまとめる企業価値防衛策のガイドライン(指針)に盛り込むことにした。
買収防衛策のうち、あらかじめ株主に新株予約権を与え、敵対的な買収を受けたときに新株を発行して議決権比率を下げる「ポイズン・ピル(毒薬)」は、現行法で実施できる。経産省は、新株予約権を課税対象となる「財産」とみなすかどうかや、予約権を与えた時点で課税すべきかなどを国税庁と協議している。
ポイズン・ピルは敵対的な買収をあきらめさせるのが主な狙いで、新株予約権が発動される可能性は低いとみられる。発動前に課税すると、企業が採用しにくくなるとの声もあり、慎重に協議する。
経産省によると、ポイズン・ピルの導入が進んでいるアメリカでは、実際に新株予約権が行使されたケースはなく、非課税扱いとなっているという。
(2005/4/22/03:06 読売新聞 )