経済記事

経世在民と言う言葉をもう一度噛み締めたい

現金合併・三角合併

2006年07月10日 | Weblog


<読売新聞2002年10月14日>

「現金合併」など来春解禁へ、総合デフレ対策で

政府が月内にまとめる総合デフレ対策の柱の一つとなる経済産業省
の「産業再編策」が13日、明らかになった。「現金合併」と「三角合併」
を来年4月に解禁することが目玉となる。
欧米で採用されている多様な合併手法を認めることで内外企業の統
合戦略の加速を促す狙いがある。同省は、産業再生法を拡充させた
「産業構造改革法案」(仮称)を来年1月の通常国会に提出し、商法の
特例措置として両手法を可能にする。
現行商法などでは、企業が合併すると、吸収される側の消滅会社の
株主に存続会社の株式を分配するため、存続会社の株主の株式保
有比率は下がってしまう。特に、企業グループを率いる持ち株会社が
傘下の子会社を他社と合併させる場合には、子会社への支配力が弱
まり、グループ経営戦略に狂いが生じかねない難点があった。
現金合併(キャッシュアウト・マージャー)は、消滅会社の株主に、株式
に代わって現金を配るもので存続会社との関係は切れる。このため、
存続会社の株主は経営への影響力を維持することができる。

一方、三角合併は、消滅会社の株主に対し、存続会社自身でなく、そ
の親会社の株式を割り当てる制度。外資系企業による国内上場企業
の吸収合併をしやすくする効果がある。これまで非上場企業による上
場企業の吸収合併は、上場企業の株主から株式売買の機会を奪うこ
とになるとして、実現が難しかった。しかし、三角合併方式なら、外資
系企業の日本法人のような非上場企業でも、親会社が本国で上場し
ている株式を割り当てればいいため、国境を越えた合併がしやすくな
る。

<分析>

商法は受験生泣かせの科目で、ここ10年、毎年のように改正が行わ
れている。一連の改正の目的としては、経営の合理化、コーポレート・
ガバナンスの徹底、さらには企業再編の促進などが挙げられよう。

それにしても、これだけ会社法の面で改革が進んでいるというのに、
日本経済はどうしてこうも地盤沈下が続くのだろうか…。

まず、合併とは、2個以上の会社が契約により1個の会社に合同する
ことをいう。合併には、全当事会社が解散し、それと同時に新会社を
設立してその中に入り込む新設合併(410条)と、当事会社の1つが
存続して他の解散する会社を吸収する吸収合併(409条)とがある。

吸収合併において、存続会社が消滅会社を吸収する手段としては、
新株の発行によるものと代用自己株式の使用によるものとがある。い
ずれも、消滅会社の株主は存続会社の株主として収容されることにな
る。

合併を行うには、合併契約書を作り、株主総会の特別決議により承認
を受けなければならない(408条)。
新株の発行による吸収合併の場合、取締役会に委ねられた授権株式
数(280条の2)以上の新株発行が必要になることが考えられる。
そこで、合併契約書においては、存続会社が合併によりその発行する
株式の総数を増加する場合には、これを合併契約書の必要的記載事
項としている(409条2号)。会社の発行する株式数は定款記載事項
であるから(166条1項3号)、この場合は定款変更も伴うことになる。

記事にある、「現行商法などでは、企業が合併すると、吸収される側
の消滅会社の株主に存続会社の株式を分配するため、存続会社の
株主の株式保有比率は下がってしまう」という文章は、新株発行によ
る吸収合併を指すものと考えられる。
株式は割合的持分であるから、新株発行によって一人当たりの持ち
株比率が減ることになるのは当然である。

しかし、代用自己株式の使用による吸収合併なら、このような弊害は
生じない。すなわち、存続会社が自己株式を取得してこれを消滅会社
の株主に分配すれば、発行する株式数を増やすことなく合併を行うこ
とができるのである。
自己株式は、定時総会の決議があれば理由を問わず、配当可能利
益の範囲内で取得ができ(210条)、これを消滅会社の株主に分配す
ることも明文で認められている(409条の2)。

したがって、吸収合併の場合、現金合併を採用しなくても既存株主の
保護は図ることができると考えられる。

現金合併を採用することによりメリットがあるのは、持ち株会社を典型
例とする完全親子会社においてであろう。完全親子会社とは、親会社
が子会社の総株主の議決権すべてを有している関係にある親子会社
である。

完全親子関係は、株式交換や株式移転によって創設される。株式交
換とは、すでに存在している会社同士が、完全親子関係を創設する制
度である(352条)。これに対して、株式移転は、完全親会社となるべ
き会社を新たに創設する制度である(364条)。

株式交換は、合併と類似した制度である。合併と異なり、消滅する会
社はないが、完全親子関係となることで実質的に子会社は親会社と
一体化する。そこで、両会社の株主に重大な影響を与えることから、
株式交換契約書は、双方の株主総会の特別決議による承認を要する
(353条5項・343条)。
また、株式移転においても、完全子会社となる会社の株主は、完全親
会社となる会社の株主となるという株主たる地位の決定的な変動がも
たらされるため、株主総会の特別決議による承認が必要になる(365
条3項・353条5項・343条)。
さて、完全子会社が他の会社を吸収合併する際、現行制度ではどの
ような不都合がもたらされるか。
まず、新株発行による吸収合併の場合、消滅会社の株主に完全子会
社の株式を割り当てなければならないが、完全子会社の株式は完全
親会社がすべて保有する関係にあるから、吸収合併によってこの完
全親子関係が崩れることになる。
代用自己株式によるとしても、親会社以外に子会社の株主が発生す
ることになるので同様である。
したがって、現金合併を認め、完全子会社の株式を外部に流出させな
いようにすることは、完全親子関係を維持するうえで重要性を持つこと
になるだろう。
現金合併のみならず、三角合併も、完全親子関係を維持する上では
有効であろう。すなわち、完全子会社が他社と合併する際に、子会社
株式でなく親会社の株式を消滅会社の株主に割り当てることができれ
ば、完全親子関係を崩すことなく円滑に子会社の再編を行うことがで
きるわけである。

スイスの長者番付

2006年07月10日 | Weblog
経済専門の月刊誌ビランツによる今年のスイスの長者番付が発表された。同誌の発表は年末の恒例となっており、国内では特に注目されている
ランキングだ。
富豪上位300人の資産を合わせると、3,690億フラン(およそ33兆2,100億円)だ。たとえば、これをスイスに住むすべての人に分配するとしたら一人およそ450万円になる。もしくは、スイスの労働者全員に一人ずつ18カ月分の給料を払うことができる。
上位8位までにランクされた12人および一家のうちヴォー州に住んでいる人が5人、ジュネーブ州に住む人が1人とフランス語圏に「富豪の中の富豪」が集中している。一方、経済週間新聞キャッシュによると、資産が100万フラン(約9,000万円)以上の富裕層は経済の中心であるドイツ語圏のチューリヒ州、税金の安いツーク州やニトヴァルデン州、オプヴァルデン州などに集中している。また、スイスに住む人の25人に1人は 100万フラン以上の資産を持つという。

外国人の富豪が目立つ

ビランツ誌が挙げた富豪上位300人のうち60人はドイツ人となるなど、外国人が多いことも目立つ。
 「金持ちの中の金持ち」とビランツ誌が名づけるのは、資産150億から160億フラン(約1兆3,500億円)と見込まれる家具大手製造販売会社のイケアの創始者、イングヴァル・カンプラード氏。ヴォー州に住む。カンプラード氏自身は、イケア財団に寄贈し「資産はない」と主張しているが、ビランツ誌は、その寄贈した資産を実際は彼が所有していると見なした。
 2位もヴォー州に住むスウェーデン人で、ミルクのパッケージなどで有名なテトラ・ラベルのオーナー、ラウシング家で、一家の財産は150億から160億フラン(約1兆3,500億円から1兆4,400億円)と見込まれる。3位は医薬品会社ロシュの大株主でスイスの由緒あるエーリ・ホフマン家。資産額は120億から130億フラン(約1兆800億円から1兆1,700億円)と見込まれた。4位も医薬品会社の社長でヨット競技のアメリカ杯で優勝したこともあるエルネスト・バルタレリ氏が続く。資産は90億から100億フラン(約 8,100億円から9,000億円)。
 その他、F1のミヒャエル・シューマッハー(ドイツ人)は8億から9億フラン(約720億円から810億円)と見込まれる。同氏もヴォー州に住む。
 司法相のクリストフ・ブロッハー氏は20億から30億フラン(約1,800億円から2,700億円)の資産があるとされ、58位となった。入閣するまでは化学薬品会社の社長だった同氏は、閣僚の中ではスイス近代史上一番の金持ちだ。

外国人の金持ちが増える理由

 キャッシュ紙によると、1997年から100万フラン以上の資産を持つ人の数は23%増加した。増加の理由として同紙は、スイスが高齢化していることを挙げている。一般に、人は50歳になってから貯蓄を始める場合が多いからだ。また、スイスの税率は低く、さらに納税額が行政と納税者との交渉で決められる自治体もあり、スイスに住めば税金対策になると考える裕福な外国人が増えたことも挙げられる。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)
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ビランツ誌

ビランツ誌の長者番付は1989年から毎年行われている。当時は大資産家の上位100人が発表された。1989年の上位100人の総資産は、今年の上位からたった5人目までの総資産に相当する、660億フラン(約6兆2000億円)だった。年初から11月までのスイス株式指標は33%上昇。美術品や不動産ブーム、記録的な低金利が大資産家たちの資産を増やしたとビランツ誌は分析する。

外国人とスイス人が半々

 昨年に引き続きトップは、家具大手製造販売会社イケア(Ikea本社ルクセンブルク)の創始者、イングヴァル・カンプラード氏(79歳)だった。資産は200億から210億フラン(約1兆8000億から1兆9000億円)で、昨年より20億フラン(約1800億円)増えた。
 第2位と3位には製薬関連の財界人が占めた。2位はロシュ(Roche)のエーリ・ホフマン家で資産は150億から160億フラン(約1兆3680億から1兆4590億円)。昨年より40億フラン(約3650億円)増やし、順位をひとつ上げた。ロシュは鳥インフルエンザに効くとされる「タミフル」の製造元でもある。3位はセロノ(Serono)社長のエルネスト・バルテリ氏。資産は90億から100億フラン(約8200億から 9120億円)だが、セロノを売却する意向だと最近報道された。同じく3位だったのは、衣料のC&Aなどを所有するブレニックマイヤー家。不動産も手がける。
 多くの外国の資産家が税金対策のためスイスに移住してくるが、上位10人のうちスイス人と外国人の割合は半々だった。
 300 人の長者番付に新しくリストアップされたのは22人。スイスで有名人として注目されたのは、靴革製品大手バタ(Bata)のトマス・G・バタ氏。資産は 30億から40億フラン(約2700億から3650億円)。バタは世界各国に4600軒の店舗を展開し、従業員4万人を抱える大会社である。

資産を減らした人

 お金はお金のあるところに流れるという法則があるとすれば、それはほぼ正しい。資産がある人ほど資産を増やしていることをビランツ誌は特記。公開された300人の総資産は前年より330億フラン(約3兆円)増加したが、このうちトップ10人の総資産の伸び幅が大きく、増加額のうち220億フラン(約2兆円)を占めたという。
 一方で資産を減らした人としてリストアップされたのは、ホールディング会社社長のクルト・G・エンゲルホルン氏(78歳)。今年の資産は30億から40億フラン(約2740億から3650億円)。前年より20億フラン(約1830 億円)減ったが、こどもに財産を譲ったため。大資産家で資産を減らした人の中には、相続税が軽減されたことなどから資産を次の世代に譲った人が目立つとビランツ誌は報告している。
 実質的に資産を減らし、「貧乏」になった大資産家もいる。チョコレートやコーヒーなどの食品会社と人材派遣会社のクラウス・J・ヤコブス氏(69歳)は、人材派遣会社の経理不正が発覚したことなどから、現在の資産は20億から30億フラン(約1800億から 2700億円)と昨年より8億フラン(約730億円)少なくなった。指揮者カラヤンの未亡人エリーテ・フォン・カラヤン氏も、相続問題の裁判で、8500 万フラン(約77億6000万円)失うなど資産を2億フラン(約180億円)減らした。このため、今年の資産は1億から2億フラン(約91億から180億円)と「平均以下の大資産家」に身を落とした。

swissinfo、 佐藤夕美(さとうゆうみ) 






「年金破綻、予想できた」 全国酒販組合に賠償命令

2006年07月10日 | Weblog

2006年04月24日18時59分

 全国小売酒販組合中央会の共済年金の破綻(はたん)をめぐり、埼玉県内の女性(71)が「組合が年金財政の危機的状況を説明しなかったため、額の多い一時金方式ではなく年金方式での受け取りを余儀なくされた」として、組合に約2388万円の支払いを求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。瀬木比呂志裁判長は「組合は破綻を予想できたのに説明を怠った」として組合に約1035万円の賠償を命じた。原告側によると、私的な年金契約での説明義務をめぐる司法判断は初めて。
 判決によると、女性は酒店経営者の夫が亡くなり、年金受給権を相続した際、組合から(1)月約18万円を年金として受け取る(2)一時金1204万円を受け取る――の選択肢を示され、02年に(1)を選んだ。だが翌年、同年金は破綻。受取額は約169万円にとどまった。
 判決は、遅くとも、00年度決算が組合に示された01年7月には、組合は破綻などの危機が起こることを予想できたのに、女性が02年11月に(1)を選んだ際に危機を説明する義務を怠ったと認定。(2)の1204万円から受け取り済みの額を差し引いた分の賠償を命じた。

郵政法案の内容

2006年07月09日 | Weblog

 郵政民営化関連法案は、日本郵政公社を二〇〇七年四月から民営化するための六法案から構成。国が100%出資する持ち株会社の下に(1)郵便事業(2)郵便局(窓口)(3)郵便貯金(4)郵便保険-の四社を置く。一七年の完全民営化までの移行期間中は、持ち株会社への国の出資比率は三分の一超を維持する。
 貯金、保険の金融二社は一七年三月末までに全株を売却し完全民営化。郵便会社と窓口会社は、持ち株会社が全株を持ち続ける特殊会社になる。
 窓口会社は郵便会社と金融二社から業務を受託、利用者にサービスを提供。政府はコンビニ業など多様な新規業務を想定している。
 金融の全国一律サービス維持のため、金融二社の株式売却益などで「社会・地域貢献基金」を設け、不採算な過疎地の郵便局などの存続を図るよう配慮した。
 さらに与党は反対論を考慮、持ち株会社による金融二社の株式の連続的保有を認めるといった共同修正を行った。

郵政民営化を半年延期 実施は07年10月1日

2006年07月09日 | Weblog

 小泉純一郎首相は13日、特別国会に再提出する郵政民営化関連法案の扱いについて竹中平蔵郵政民営化担当相らと官邸で協議し、民営化の開始時期を当初予定していた2007年4月から半年ずらし、同年10月1日からとする方向で法案を修正することを決めた。新たな情報システムの構築が間に合わないと判断したためだ。
 これに先立ち、竹中担当相は、閣議後の記者会見で「(総選挙で)郵政民営化をしっかりと行え、改革を続けよとの指示をいただいた。民意を受けて改革を加速させたい」と述べ、特別国会での郵政民営化関連法案の早期成立に全力を注ぐ考えを示した。
 細田博之官房長官によると、法案の再提出時期は、閣議が開かれる予定の27日か30日になる見通し。
 廃案となった法案では、システム構築が間に合わない場合、民営化開始を半年遅らせることができると規定されていた。竹中担当相は「(再提出する法案では)純粋に開始時期を半年ずらす」として、再提出される法案にも同様の規定が残るとの考えを示した。
 このためシステム構築が間に合わない場合には、民営化開始時期はさらに半年遅れ、08年4月になる可能性もある。
 開始時期の延期で、来年4月に予定されている郵政民営化委員会の設置などのスケジュールに遅れが出るかどうかについて、竹中担当相は「準備に支障を来さないようにやる必要があると思っている」と述べるにとどめた。
 一方、17年の完全民営化の時期については「単純にずれていく」とした。(共同)

(09/13 14:12)

ライブドアの自社株売却益還流、4投資事業組合が介在

2006年07月09日 | Weblog

 ライブドア前社長の堀江貴文被告(33)らが、粉飾の原資に利用した自社株売却益を還流させる際、四つの投資事業組合を介在させ、実態を外部から見えにくくしていたことが、東京地検特捜部などの調べで分かった。
 投資組合は、複数の出資者が資金を出し合って株式投資などを行うもので、組合の利益は出資比率に応じて出資者に分配される。ライブドアはこの仕組みを使い、自社株売却益を還流させていた。粉飾に使われたのは、EFC投資事業組合、M&Aチャレンジャー1号投資事業組合、VLMA1号投資事業組合、VLMA2号投資事業組合。
 まず、ライブドアと金融子会社「ライブドアファイナンス」が出資してEFCを設立。EFCがチャレンジャー1号に出資した。
 一方、ライブドアは2004年3月、携帯電話販売「クラサワコミュニケーションズ」など2社を株式交換で買収。自社株計約139万株を発行し、チャレンジャー1号に買い取らせた。次に、チャレンジャー1号は、株の現物で出資するという形をとって、この自社株をVLMA1号、同2号に提供。両投資組合は同年6月までに、この株を香港と日本の証券会社を通じて市場で売却、計約40億円の利益を得ていた。売却益は投資組合の出資者に分配されるため、VLMA1号と同2号からチャレンジャー1号、さらにEFCへと逆流。最終的に、EFCの出資者であるライブドアとファイナンス社に流れ込んだ。
 この際、出資比率の高いファイナンス社に売却益の大半の約37億円が還流、04年9月期の連結決算で売り上げに不正計上された。
 表面上、チャレンジャー1号はエイチ・エス証券系の投資会社、VLMA1号と同2号は別の都内の投資会社が運営する形をとり、ライブドアとの関係が分からないようになっていた。
(2006年2月26日10時40分 読売新聞)

[北京 14日 ロイター]

2006年07月09日 | Weblog
 中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した3月末時点の外貨準備高は過去最大の8751億ドルとなった。第1・四半期に562億ドル増加した。
 外貨準備は2月から214億ドル増加した。2月には中国の外貨準備が初めて日本の外貨準備を追い抜いていた。
 2005年第4・四半期には499億ドル、05年通年には2090億ドル、それぞれ増加した。
 これにより、中国は人民元相場を人為的に下げることで既に安価な輸出製品の価格競争力をさらに不公平に高めていると主張する米国を一段と刺激する可能性が出てきた。
 人民元政策に対する批判をかわすため、中国は14日、中国企業と個人による外貨購入および海外投資を容易にする方針を示したが、これで中国の外貨準備高および人民元に対する圧力が多少緩和される可能性もある。
 中国の外貨準備は、増加する貿易黒字や海外からの直接投資、投機資本の流入によって流れ込んだドルの大半を人民銀行が人民元相場の上昇を抑える目的で買ったため、近年急増している。
 この日発表された1─3月の中国への海外直接投資(FDI)は142億5000万ドルで、前年比6.4%増加。第1・四半期の中国貿易黒字は230億ドルで、前年比41%増加となっている。
 中国国際銀行のエコノミストは、これまでの外貨準備の急増で銀行間市場に現金があふれたとし、中国人民銀行は目先、市中銀行に対し預金準備率引き上げを要請するなどの対応に迫られるかもしれないと指摘。「中銀が流動性を管理するにあたってのプレッシャーは非常に大きく、預金準備率が引き上げらるまでに長くはかからないとみている」と述べた。

(c) Reuters 2006. All Rights Reserved.

中短金利が急上昇、5年債利回り5年3カ月ぶり高水準に

2006年07月09日 | Weblog

 27日の金融市場では、3月にも日銀が量的緩和策を解除するとの観測が高まり、金融政策の影響を受けやすい中短期債の金利が急上昇(価格は下落)した。新発5年物国債の利回りは一時、前週末比0.050%高い1.150%に上昇。2000年11月15日以来、5年3カ月ぶりの高水準となった。円相場も1 ドル=115円台に急伸。一時、1カ月ぶりの円高水準となる115円70銭を付けた。
 前日に政府関係者が日銀の量的緩和策解除を容認する姿勢を示し、解除の可能性が一段と高まったとの思惑が広がった。
 2年物国債は00年12月以来となる前週末比0.040%高い0.520%に上昇。円の先物金利も取引の中心となる06年12月物の金利が一時、前週末より0.05%高い0.61%と、約1年3カ月ぶりの高水準になった。
 円相場は朝方、米国の利上げ継続観測に伴うドル買い優勢で始まり117円台前半まで下落したが、その後、国内金利の上昇などを受け円を買い戻す動きが強まった。 (nikkei net)

英ボーダフォン、4兆6400億円超す評価損を計上へ

2006年07月09日 | Weblog

 【ロンドン=欧州総局】携帯電話サービス世界最大手、英ボーダフォンは27日、ドイツ事業などののれん代について、合計で230億―280億ポンド(約 4兆6400億―5兆6500億円)前後の評価損を計上する見通しであることを発表した。同時に2007年3月期の携帯電話収入の前期比伸び率が06年3 月期見込みの6―9%から5―6%にとどまると予測した。
 07年の予算作成や国際会計基準(IAS)での年次資産評価見直しに伴うもの。ボーダフォンは05年9月末時点で合計810億ポンドののれん代を計上したが、一部市場での事業拡大が従来予想していたほどではなかったことから、これを資産価値に反映すると説明している。
 評価損を計上するのは、主に00年に買収した独マンネスマン関連や、イタリア事業ののれん代が中心。日本事業についても、評価損を計上する可能性があるとしている。 (10:30)

公務員宿舎や官庁ビル、証券化し売却促進

2006年07月09日 | Weblog

 政府は6日、都内の国家公務員宿舎や中央省庁ビルなどの政府資産について、不動産証券化によって売却を促進する方針を固めた。
 2015年度末までに未利用の国有地など政府資産約430兆円の国内総生産(GDP)比率を半減させるという目標の実現には、高額の資産を証券化して小口化するなど売却方法の工夫が必要だと判断した。
 06年度中に証券化・売却の対象を決め、公表する方針だ。
 政府は昨年末の「行政改革の重要方針」で政府資産の売却目標を定めた。売却益を国債の償還にあて、財政再建の一助とする。
 10日に閣議決定する行政改革推進法案には、不動産証券化制度の導入について「国民負担の軽減に資するか否かを見極めつつ検討する」と明記している。
 高額な都内の政府資産を売却する際、購入者は一部の大企業や機関投資家などに限定されがちだ。取引に時間がかかり、政府が希望する価格での売却が困難となるケースもある。しかし、資産を証券化し、小口化すれば、より多くの投資家からの資金調達が可能となる。証券の購入者は賃貸収入の一部などを受け取る。
 政府は、資産の売却後も、引き続き賃貸契約を結んで入居できる「リースバック」方式を想定している。ただ、東京・南青山など都心の一等地にあり、家賃が民間より格段に安く、「官僚の特権だ」と批判される公務員宿舎は、売却先が高層ビルに建て替え、公務員は原則、他の宿舎に移転することを検討している。
 証券化の対象は、主として総額約9兆7000億円(04年度末)の国家公務員宿舎や中央省庁の庁舎などから選ぶ。
 政府が過去に政府資産を証券化・売却したのは、00年の物納された都内のビル・土地など14件の1回だけにとどまっている。
(2006年3月6日14時34分 読売新聞)

NTT株「政府保有」撤廃、10年度めどに検討

2006年07月09日 | Weblog

 総務省は14日、2010年度をめどにNTT株の政府保有義務を撤廃する方向で検討に入った。
 保有義務を定めているNTT法を改正する。持ち株会社のNTTやNTT東日本、西日本に課している固定電話のユニバーサル(全国均一)サービスの提供義務の見直しや、通信技術研究・開発の責務規定の廃止も検討する。NTTの経営の自由度を増し、国際競争力の強化などを図る狙いだ。
 NTT法は、高い公益性などを勘案して、政府がNTT株を3分の1以上保有することを義務づけている。これによって、固定電話サービスを全国どこでも誰もが受けられるように保証している。
 しかし、竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」の議論では、光ファイバーをはじめとしたブロードバンド(高速大容量通信)が普及し、音声だけの固定電話網を維持し続ける理由が薄れているとの意見が大勢を占めた。
 政府がブロードバンドサービスが受けられない地域を10年度までになくすとの目標を掲げているため、懇談会は、固定電話を前提にしたNTT法も見直すべきだとの判断に傾いた。5月にまとめる報告書に、NTTグループの組織見直しの必要性と併せて盛り込む見通しだ。それを受け、総務省が具体化を進める。
(2006年4月15日3時1分 読売新聞)

中国 イランと石油開発か 11兆円規模「近く調印」

2006年07月09日 | Weblog

 【カイロ=加納洋人】イランのメヘル通信は二十九日、中国の劉振堂駐イラン大使が、イランにおける石油と天然ガス開発をめぐる専門家による調査が終了し、両国が総額約一千億ドル(約十一兆四千億円)にのぼる契約に近く調印すると語ったと伝えた。
 同通信によると、劉大使は「いかなる国も契約を阻むことはできない」と述べ、イランの核開発問題に左右されることなく、契約を進める意向を示した。イラン石油省代表団が近く中国を訪問し、正式に調印する予定という。
 劉大使は、米国が対イラン制裁を科そうとしている動きに対し、「米国が、イランが中国に石油を売ることを妨げるのなら、米国は同じだけの石油を売ってくれるのだろうか」としたうえで、「核問題がなくても米国は契約阻止に動いただろう」と米国を批判した。
 契約にはイラン南西部のヤダバラン油田開発も含まれるとみられている。日本は二〇〇四年にイランのアザデガン油田開発の権益を獲得したが、米国は核問題に絡み日本に同油田開発の断念を要請している。

「NTT解体、再統合も」 自民小委で松原教授 他事業者の反発予想

2006年07月09日 | Weblog

FujiSankei Business i. 2006/5/12  
 自民党の電気通信調査会通信・放送産業高度化小委員会(片山虎之助委員長)は十一日、総務省の「通信・放送のあり方に関する懇談会」座長である松原聡東洋大教授を招き、意見交換した。この中で、松原座長は、「NTTは完全資本分離して一度バラバラにするべき」と述べ、懇談会で調整しているNTT改革案を説明した。
 ただ、松原座長は、「(解体後の)再統合または他事業者との合併がありうる」とし、NTT東西地域会社やNTTドコモを含めたグループ再統合を容認する考えを示し、NTTの経営に自由度を持たせることが必要とした。
 これに対し、小委員会後に記者会見した片山委員長は、「NTTについては長い議論の末、現在の経営形態になっており、今の時点で軽々しく見直すのではなく、再統合も含めて時間をかけて抜本的に見直すべきではないか」と述べ、慎重に検討するよう求めた。
 同懇談会は、九日に開いた十一回目の会合で、NTTについて電柱や光ファイバー回線を含めた通信回線網をNTT東西地域会社間で厳格に分離することで合意。通信インフラの社外分離や完全資本分離の是非や時期については、継続協議するとしていた。
 松原座長の主張通り、通信回線網を社外に分離したうえで、完全資本分離した場合、ソフトバンクやKDDIなどNTTの競合事業者の要求を受け入れた形となる。しかし、解体後の再統合を容認すれば、NTTの一層の肥大化を招く可能性があり、競合事業者からの反発も予想される。
 今後、NTT経営形態の抜本的見直しについて、政府・与党で調整する見通し。同懇談会が完全資本分離を含めた方向性を示したうえで、ブロードバンド通信の全国への普及を目指す二〇一〇年に向け、議論が本格化する。

サウジ国王が「支配者」で1番リッチ・米誌が特集

2006年07月09日 | Weblog

 米経済誌フォーブスは16日までに「最も豊かな支配者10人」を特集、世界最大の産油国サウジアラビアのアブドラ国王が総資産210億ドル(約2兆3200億円)で1位となった。「主に相続や権力掌握による富」を手にした王族や独裁者をリストアップした。
 同誌によると、2位はブルネイのボルキア国王(200億ドル)。以下は▽アラブ首長国連邦(UAE)のハリファ大統領(190億ドル) ▽UAEを構成するドバイのムハンマド首長(140億ドル)▽リヒテンシュタインの元首ハンス・アダム2世(40億ドル)▽モナコの元首アルベール2世公(10億ドル)▽キューバのカストロ国家評議会議長(9億ドル)▽赤道ギニアのヌゲマ大統領(6億ドル)▽英国のエリザベス女王(5億ドル)などの順。(ニューヨーク=共同) (23:45) nikkei.net

アメリカ、NTT中期経営戦略を「経営一体化」と批判

2006年07月09日 | Weblog

2006年05月14日08時02分

 米国政府が総務省に対して、NTTグループが昨秋発表した中期経営戦略が「競争環境に有害になる」と懸念を伝えていたことが13日明らかになった。同戦略は、NTT法で持ち株会社の下での分割が義務づけられているNTTグループ各社が経営の一体化を強める内容で、競合他社からも「独占回帰だ」との批判が出ていた。米政府の姿勢は、竹中総務相の私的懇談会などで進められているNTTの組織見直し論議にも影響を与える可能性がある。
 米政府は、総務省が通信規制の見直しを検討するための意見公募に応じて、意見書を提出した。
 NTTの中期経営戦略は、光ファイバーを使った次世代の「IP通信網」をNTT東日本、西日本とドコモで一元的に整備し、インターネット接続事業を受け持つNTTコミュニケーションズと一体的な経営をするという内容だ。NTTは「グループ内の役割の整理だ」(和田紀夫社長)としている。
 米政府は意見書のなかで、NTTグループ各社の間の分離が有効に機能していないと指摘。日本政府に対しては、NTTの固定電話と携帯電話の両事業を一体化することで競争を阻害することがないように求めた。競合企業や新規企業のほか、外国の通信機器メーカーの活動が妨害されないような競争環境を保つべきだとしている。
 竹中総務相の私的懇談会「通信・放送懇談会」が家庭に直結する回線網(アクセス部門)の機能をNTTから分離すべきだとしている点にも言及し、「関心をもって注目している」とした。
 米政府はこれまでNTTが他社に回線を貸し出す際の接続料の引き下げを繰り返し求めてきたほか、規制当局を総務省から独立政府機関に移すべきだと主張している。