A&Pの☆お宿千夜一夜

美味と心地よい宿を求め、各地をむしゃむしゃ修行中!

三重 明和町 レストランRyu 五感で味わうシェフのもてなし

2013-08-28 15:00:00 | 中部・食
ワンコインとかラーメンとか納豆とか書いていたら、パブロフが貧乏くさい

というので、今回は先日の伊勢旅行で唯一予約をしていたフレンチをご紹介

します。

予約が大変かもしれませんが、コスパに優れた、個性的なお店だと思います。

シェフは小さい頃から、料理の道を目指し、海外を含む各地で修業。

 料理のジャンルを問わず、各種コンクールに常に挑戦し、

着実にチャンスをつかみ、進んでこられた方。

今のお店を開かれたのも、松阪と伊勢の中間にある故郷で、幹線道路沿いと

いう集客を考えた立地で決められたようです。

現在お店は完全予約制

それで結構早くから予約をしていたのですが、伊勢旅行の2週間前に旅先の

郡上八幡の宿で「あれ1週間間違えて予約している?」と気づき、帰宅後に

あわてて変更電話しました。

というのも、予約受付の電話時間も決まっているのです。

他にも入店時のルールや、いろいろ決まり事があり、前回の伊勢旅行では、

2軒の宿の食事=フレンチが重なったのと、列車の旅だったのでパス。

今回、やはり1度は訪ねたいとコースに入れました。

実際、訪問すると決して敷居が高いタイプのお店ではありませんでした。

ただ3年前ならもっと感激しただろうし、当時なら味も量も満足できた気

がします。

それといつも訪問時の印象を大事にしたいので、予約後はほとんど下調べ

もしませんが、今回はちゃんとしておけば良かったと反省。




器、料理、食材、演出(色・音・手触り・地元産の使用)で、繊細さと大胆

さを織り交ぜた、五感に訴えるシェフのおまかせコース。

でも今回は肝心の味付けが微妙に私達と合いませんでした。

料金によって、メイン食材や品数が変わるようですが、ランチの場合は基本

コースにメインが違うパターン。

完全予約制なので食材に無駄も出ませんから、使われている食材や量を考え

ればとてもお得なコース内容です。

ただ一斉に出てくるので、1組ずつに合った味付けは無理。

シェフとの年齢差があるのか、私達の場合は、中盤から味付けが濃厚すぎる

と感じるようになり、しめのデザートは少し弱い感じがしました。

もちろんランチ1回では判断できませんし、ディナーかジビエ等もある冬に

した方が良かったかもと思っています。

食材は地元産にこだわり、調理法も厳選していくと1番美味しい食べ方=定番

の1品が増え、それが一部の人が書いている「メニューが同じ、変化がない」

という評価になっているようでした。

私達の隣席は1ヶ月ぶりというカップルで、常連の方のようでした。

それだけシェフの料理に魅力があるのだと思います。



ここで内容やサービスを書いてしまうと、訪問時の楽しみが減るのではと

心配ですが、既に多くの人が書かれているし、シェフはきっと更なる進化

をとげられると思うのでさらっと書きます。


国道沿い、進行方向によく見える大きな看板。

手前が駐車場です。

 シェフの名前は、フランス語だと「魚」の意味。

私達の到着時、先客は3組、店横の駐車場はちょうど定数4台の残り1台。

出し入れを考えなければ、あと1台停められなくもありません。

ほぼ駐車しおわった時に、もう1台の車が到着、道路で待たれていたので

がんばって車を移動、なんとか駐車スペースを空けました。

ただこれで最後に入った名古屋ナンバーの車が先に出ないと、帰れない事に。

これで結果的に入店が予約時間ぎりぎりになってしまいましたが、ちゃんと

前後で写真は撮りましたよ。

瀟洒というより、かわいい、喫茶店風にも見える店構え。



洋風の建物に、和風でよく見かけるしつらえ。

    
陶芸をされるご主人の作品でしょうか。

   店先にはツバメの巣

 入口ではご主人の作品を販売中。

 店に入ると正面が厨房。

名前を告げると、窓側の2人がけの席に案内されました。

内装は豪華でもシンプルでもなく、特徴が無さそうに見えますが、

一部なぜこの装飾?という感じ。


 特に床!   

実用的なものと、 楽しい飾りが混在し、

 現実的なポスターが天井近くの変な位置に。

 固定されているのでしょうが、落ちてきたら怖い器達。

 この日は満席でなく、少し席に余裕がありました。

4組が同じ、松阪極み豚がメインの4800円のコース。

そして窓側の1組だけが違う予約内容で、これが後の悲劇につながります。


全員が揃うと、各テーブルにあらかじめ用意されているあるものに、ハーブ

の香りのついた水が注がれます。

 具体的には記しませんが、写真はこちら。

食材の産地はこちら


明和町産のシェフによるコース説明、

  飲物の注文の後、料理が一斉に運ばれてきます。

  カラフルなカトラリーは立体的なセッティング。

 
ナプキンも地元産の布。

 水をはじく生地らしいテーブルクロス。

コース内容はスープ、十寸オードブル、リゾット、魚料理、一口シャーベット、

パン、肉料理、デザート、最後の飲物は温かい紅茶のみ。

最初はまるでお茶席のように、スープをお茶わんから直接飲みます。

お茶碗は人によってバラバラでした。



  おめでたい夫婦岩に、亀まで。

 器には通しナンバーが入っています 

この時流れる風鈴の音色のようなBGMが何かは、聞いてのお楽しみに。

 続いて八寸より大きい?十寸オードブル。

 

    

 八寸について

茶の湯の千利休が、京都洛南の八幡宮の神器からヒントを得て作ったと言われ

ています。

八寸角(約24cm)の杉のへぎ木地の角盆→それに盛られる酒肴→現在では献立の

名称に。

献立名である「八寸」とは、一期一会の好機を得て主となり客となった喜びを

こめて、亭主と客が盃をかわす場面で出されるものをいいます。

正式には八寸四方の杉のお盆を使い、酒の肴として、海のもの(生臭もの)と

山のもの(精進もの)を合わせて出すことが決まりとされています。

「八寸」は、十分に湿らし、右向こうに海のもの、左手前に精進のものを盛り、

手前に両細の青竹箸を濡らし、露をきって添えます。

また客の数よりも多く(通常、お客さんの人数+御代わり1名分+亭主用1名分)

盛り付けるようにします。

懐石の献立には、先付、吸物、煮物、焼物などの料理がありますが、亭主と客

が親しく杯をかわして閑談するのがこの「八寸」の時で、最もくつろぎの一時

であると言えます。

「八寸」は、コース料理の中で特に視覚を刺激する料理ですので、他の料理との

コンビネーションが大切です。

つまり聴覚、味覚、嗅覚、触覚に特化した他の料理との組み合わせや、献立全体

を通した場合の起承転結も考える必要があります。 

会席料理などの日本料理で、酒の肴になる料理を数種、少量ずつ一皿に取り合わ

せたもの。

「口代わり」「口取り」ということもある。

白木(しらき)製であるが、会席料理では塗りの木皿を使い、形も四角に限らない。


個人的には八寸=料理の最初の頃に出る、味付けいろいろの一口盛り合わせと理解。


やはり黒は色鮮やかな食材が映えます。

手の込んだ物、高価な食材が少しずつの構成に、この後に期待が膨らみます。


次は定番メニューらしい、黄金たもぎたけのリゾットです。



 地元、明和町できのこ栽培されている会社があるのです。

 美味しいものを量もたっぷり。

これはもう、シェフの自信と気持ちがあふれた一皿です。

それは本当に嬉しいけれど、もう少し量を減らして、もっと食べたいと思わせる

のが、コース仕立ての妙だと思う。

 シェフの名前にちなんだ「りゅう」が登場し、

美味しさのしくみをわかりやすく説明。





モザレラチーズ=モッツァレラチーズの事です。

なまってると思いましょう。

あるいは「ほったいもいじるな」系の発音の問題か?





ここで飲物がほぼ終了、タイミングよく追加を聞かれましたが、今後を考え水を依頼。

   

色合いと、釉薬のたれ具合が立体的で好みでした。

最初からお水の女子ペアもいましたが、他はほとんどソフトドリンク。

たぶん1組だけお酒を飲まれていましたが、車じゃないのかなぁ?


中盤以降、カトラリーがフランスのライヨールに。

いつもセミに見えるけどハチ柄。

これについては名前の読み方も含めて、そのうちまとめよう。

   

ロイヤルコペンハーゲンのお皿とさりげなく高級品が登場。

いろんなタイプの焼き物を創られるシェフですが、1番お好きなのは、

 このロイヤルコペンハーゲンみたいです。

ムジカのカップといい、青がお好きなのかな。

私はこちらの店は、白壁はそのまま、食器の青、あとは黄色をプラスして、

以前、南仏で見たジャン・コクトー作のステンドグラスのある教会みたい

な内装が似合うと思うのですが・・・。
 これは波。

  海を表現するお魚の一皿。鯛。



細長い魚の切り方、海草を表現したという野菜、残念ながらこのあたりで、

まだお若くて元気というかエネルギッシュなシェフと、朝から伊勢参りで

ふらふらして、ランチで既にフラフラの私達との差が出たようで。

かなり汗をかいたから、塩分強めでも大丈夫と思ったのですが…辛かった。


  さらさらのシャーベット。



医療用の流動食を作る 特殊な容器で細かく粉砕して作られているようです。

ただ、このお皿では風情があっても、食べにくし。

 ここで小さめで細長いパンが1人1つ出てきます。

  メインの豚は4組分が一緒にローストされています。





シェフの説明時には、この鍋の周りにお客を集めて、香りを確認。

別に後で撮影タイムも設けられます。

その時、私はやっと気づいたのです。

反対側の窓側の1組だけ、4組とは内容の違う皿がサーブされていたのを。

もしかしたら1番上のお肉コースを選択されたのかと思っていたのですが、

どうやら違ったようで、その後他の4組がデザートの時に、早々に帰られ

ました。

たまたまでしょうが、状況的には辛かったのではと思います。


 デザートに関しては、以前はパティシェの女性がいたようですが、

今回はお姿を見かけませんでした。

紅茶は日本の草分け的専門店、大阪堂島のムジカのもの。

日本で初めて、本格的にポットで紅茶を供したお店です。

ただたっぷり2杯分の紅茶と、単品のデザートは量的にはアンバランス。

    1点ものの手作りティーコージー。

コーヒーが飲みたい、デザートワインやチーズも出せとは言わないけれど、

固定の紅茶+デザート1種類のしめは、


コースの最後として、それまでが珍しく、華やかだった分、じみというか物足りないものを感じました。



女性客の多い店だけに、このあたり、今後に注目したいところです。

恒例のトイレチェック。

        

明日はお肉の日なので、松阪極み豚に続いて、先月オープンした京都初という

熟成肉の専門店をご紹介。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 箕面 デリチュース チーズ... | トップ | 京都 丸太町 ステーキハウ... »
最新の画像もっと見る

中部・食」カテゴリの最新記事