A&Pの☆お宿千夜一夜

美味と心地よい宿を求め、各地をむしゃむしゃ修行中!

北海道 上川町 フラテッロ・ディ・ミクニ ヴィラ まとめ・印象編 

2013-07-27 15:00:00 | 北海道・宿
フレンチの三國清三(みくに きよみ)シェフの名前の入ったオーベルジュは、

たぶん3軒目。

全て宿泊利用したわけではなく、3軒それぞれコンセプトがあると思いますが、

こちらが1番オーベルジュらしく感じました。

最初がシェフの出身地、北海道の増毛、こちらは宿泊していません。

既存の宿をリニューアルされたようです。

その次が確か今から3年前の夏、2010年の8月に富山・氷見の老舗旅館で

格式の高かった「誉一山荘」さんのオーナーが交代し、新築で建て替えられた

「誉一山荘 オーベルジュ・ドゥ・ミクニ」。

こちらもレストランが先行オープンしていましたが、幸い宿泊のオープン日に

私達1組だけ、貸切状態で泊めていただきました。

全室見せてもらいましたが、どの部屋も趣があり、内装も違う豪華さでした。

ただこちらのメインは宿泊というより結婚式場のようでした。

そして今回、上川町にオープンしたのが、北海道イタリアンの名店と言われる

「リストランテ・テルツィーナ」さんとタッグを組んだ「フラテッロ・ディ・ミクニ」。

その名もイタリア語でミクニの兄弟です。

でも、3年位前までは東京のフレンチ「ルゴロワ」さんが出店予定でした。

それでたまに進行具合を確認していたら、いつのまにかこうなっていました。



当初4棟計画されていた併設のヴィラは、この夏2棟だけが先行オープン。

今回はオープンの6月15日からちょうど1ヵ月目、グランドオープンの

7月7日から1週間目に泊めていただきました。

宿泊費は人数で違いますが、休前日も同じようでした。

大人の修学旅行がテーマの部屋は、大勢で楽しめる内装で、今の時点では

子供も泊まれます。

眺めの良いバスルームは、シャワーブースも別で、バスローブも用意され

まるでリゾートホテルのよう。

使用しませんでしたが、個室のトイレから続く着替えスペースには扉がなく

ロールスクリーンが用意されていました。

旭川家具のあえて全てデザインの違う椅子もショールームのよう。

照明類はデザインいろいろで、各種用意され、床暖房も完備と聞きました。

寝室は狭目ですが、リビングの天井は高く、居心地の良い設計。

こう書くと豪華な感じがしますが、一部チープに感じる部分があって、

・玄関周りの狭さと換気。

・室内のバスルームをのぞく壁材。

・クローゼットのスペースが少ない。

このあたりがアンバランスでした。

「デザインと眺めは同じです」と聞いていましたが、置かれている椅子と

照明の色使いが少し違います。

私達の滞在したヴィラAは黒、お隣のBは白が基調でした。

尚、Aのトイレや寝室の高窓から、Bのテラスが見ようと思えば見えます。



食事は夕食は「フラテッロミクニ」で1番高い9000円のコース付き。

朝食はレストランから車でヴィラまで運ばれてきますので、今回はテラス

でいただきました。

時間は事前には朝9時~と聞いていましたが、9時以降で選択可能のよう。

現在、レストランは休日は満席で、昼も夜も予約がないと入れないそうです。

価格帯の割に、訪問者の服装や雰囲気はカジュアル。

中には食事中に抜け出して、外で景色の写真撮影をしている人もいました。

車でないと来れないロケーションのせいか、夜でもあまりお酒類をすすめ

ていない感じでした。

やはり素晴らしい眺めを堪能するには、お昼に訪問するのがおすすめです。

夕日は山と反対側に沈み、夜は真っ暗になるので星もきれいです。

コースメニューは後半ピザも出るので満腹になります。

パスタが2品続いたり、後半のデザート類がけっこう続くので、もう少し

変化とコース構成を変えた方がしっくりするように思えましたが、たまたま

私達の時がそうだっただけでしょう。

サービスは皆、札幌から地元に移り住んだ「テルツィーナ」のスタッフです。

スピーディーで、的確で、フレンドリーなサービスでした。


併設のガーデンは無料開放期間だけあって、まだ植栽もまばらでほぼ工事中。

朝食を食べている時から、観光バスがどんどんやってきますが、30分位で

出てゆくようでした。

トイレもいきなり長蛇の列に。

宿泊的には早朝やヴィラにゲストのいる時間から、大きな音のする草刈りを

するのはどうかと思いましたが、短い夏、大勢の見物客を迎え入れているの

でしょうがないかな。

ちなみに冬に営業するかどうするかは、今年1年やってみて決めるそうです。

同じ北海道のオーベルジュ「ホテル清さと」の支配人も最初の夏にそう言わ

れていました。

朝食後の散歩で、ガーデンを部屋着のままうろうろしていたら、おじいさん

に声をかけられ「ここは山のまま?私もガーデンをしているけど、後10年

はかかる」と。

ここは当初、笹と蟻塚だらけの土地だったと聞きます。

数人の女性ガーディナーさんが、朝から夕方までせっせと植物の植え替えや

世話をされていましたが、本当に来春有料でオープンできるのかな。

ヴィラも当初の設計図では4棟のはずが、どう見ても無理。

支配人らしい方は、ヴィラはデザインを変更したり、宿泊者同士の交流をはか

れる施設を作る構想もあるらしく、今後10年単位で変わっていく様子を

機会があれば見てみたいと思いました。

無料区間の高速道路からも近く、素晴らしい眺めの旭ヶ丘。

きっと数年のうちに人気の観光地になると思います。

結論 今ならどんどん変わっていく様子を見られます。

だから行くなら今でしょ!

素晴らしい眺め、阿蘇に似ている気がしました。




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北海道 富良野 オーベルジュ・エルバステラ まとめ・印象編 

2013-07-26 15:00:00 | 北海道・宿
富良野の「オーベルジュ・エルバステラ」さんの名前は、五角形の花が
咲くハーブからつけられています。
ステラは星の意味なので、七夕のオープンがぴったりでした。

オーナーシェフも奥様もとてもお若く、真面目で勉強熱心。
北海道・苫小牧出身のオーナーシェフが、将来オーベルジュを開業すべく、
結婚前から愛知県出身の奥様と2人で計画し、準備してこられた成果が、
この夏ラベンダーの開花と共に花開きました。
当初は春のオープン予定だったようですが、広い敷地のせいか建築は遅れ
私が予約をお願いした時点では、まだ開業日も決まっておりませんでした。
請求書に予約ナンバー1とありましたから、そういう事でしょうか・・・

山の眺めの良い、静かな田園地帯の道路沿いに宿はあります。
自家菜園以外に敷地内に植栽はまだほとんどありませんが、表通りからは
かなり中に入るので静かでした。

建物は花の形の五角形。
外観の印象的な木製パネル使いは、同じ富良野の山奥にある、完全予約製
のエゾアムプリンさんと少し似ているような。
壁が多い分、離れに近い感じになりますが、建築費もかかるでしょうね。
他の部屋の音は全く気になりませんでした。
ちなみにテレビは置かれていません。

入るとすぐにカウンターと3つのテーブルの並ぶレストランスペース。
将来は食事もされるようですが、そのせいか宿泊は滞在時間が短めの設定
でした。
チェックイン時間は、この価格帯だとせめて3時位と思いますが、観光で
忙しいのか皆さん到着は遅めでした。
和歌山のアイーダさんも、夕方5時~のチェックインで、15時の間違い
かと思ったけれど、あそこの部屋はまるでイタリアやスペインの夏の海辺
の避暑地にあるようなタイプで、光を避けた窓の少ない構造。
あちらのように食事がメインならとも思いますが、とにかく北海道で冬の
4時はもうかなり暗い気がします。

ダイニングは窓の少ない落ち着いた空間なので、照明の素敵な夜はいいと
して、朝はもう少し明るい色使いの食器やカトラリーを使用したり、テー
ブルの向きを変えて、窓(外)が見えるようにして、同時に変化を出せばと
思いました。

部屋は全て内装が異なり、それも工事が遅れた原因のようですが、宿には
最初に到着したので、他の部屋も見せてもらいました。
部屋はChic・Classical・Modernと呼ばれる3室。

結果的には夏なので涼しげな白の内装と眺めで事前に選んだ、Chicの部屋
が1番好みで、館内の移動も簡単でした。
ちょっと残念だったのは、天井は高いのですが、梁がベッドの上にあり、
圧迫感があった事と(鹿児島・妙見温泉 石原荘 石蔵の部屋もそうでした
・・・)、お風呂が暗目だったことです。
北海道だから、大きな窓だと冬のメンテナンスが大変なのかもしれません。

食事は夕食は一斉にスタート、朝も時間は選べましたが、たまたま3組同
じでした。
宿泊日は最初の満室日だったので、夕食の後半は遅れ気味でしたが、記念
日の方のセレモニーなども行われ、終始和やかな雰囲気でした。
到着してから、デザートをチーズ盛り合わせに変更できると知り、到着前
にスイーツを食べ過ぎていたので、1人分変更してもらえたのは、嬉しい
サービスでした。

ご夫婦と男性スタッフの3人皆が、野菜ソムリエの資格を持ち、自家製も
含めて北海道の野菜を、繊細な盛り付けで表現したお料理。
ワインとチーズ、アメニティも道産のものにこだわられ、オリーブオイル
は海外の厳選されたものと、こだわりを持って選ばれた品々。
コーヒーは札幌の店に宿オリジナルを作ってもらわれています。
家具はオリジナルも含め旭川家具。
絵も北海道の作家中心ですが、1階のトイレ前にはピカソのリトグラフが
ありました。

オープン間もないのに、全体的な完成度は高く、今後の展開もしっかりと
考えられているのも素晴らしいです。
新築ですし、観光にも便利な場所ですから、夏は今の価格でも大丈夫でし
ょう。
お子様不可だから、しばらくは情報の早い若いカップルやディンクス(古?)
中心の、行きつけの宿を探している人が顧客になってくれそう。
ただ北海道以外や札幌・旭川という都市部の客には許容範囲の宿泊費も、
シーズンオフや北海道の客がリピーターになるか、そのあたりが今後の鍵
のような気がします。

詳細は後日元気があれば・・・

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北海道 2013年7月7日オープンの2軒のオーベルジュめぐり 

2013-07-24 15:00:00 | 北海道・宿
今回の北海道旅行の日程は4泊5日。
宿泊は札幌のホテル、富良野のオーベルジュ、前述の美瑛「お宿 一凛」
さん、上川町のオーベルジュの順でした。
まずはオープンしたての2軒のオーベルジュについて、忘れないうちに
印象を記しておかねば。

旅のきっかけは、上川町のオーベルジュ。
上川町の大規模プロジェクトの一環なので、開業のタイムスケジュールは
かなり早くから決まっていて、この冬には既にヴィラのグランドオープン
も7月7日と決まっていました。
でも、その日は1年以上前から、広島のお宿を予約しているので無理・・・
それならと翌週の3連休にあわせて日程を考える事にしました。

まずは美瑛の一凛さんで、まだ泊まっていない部屋が空いている日を予約。
同じ頃、富良野にオーベルジュが開業予定と知り、密かにフェイスブック
で検討。

結局こちらの開業も遅れ、くしくも2軒のオーベルジュのオープンは同じ
日、7月7日となりました。
そしてオーベルジュというとフレンチのイメージですが、今回はどちらも
イタリアンです。

イタリアンのオーベルジュとしては老舗のハミルトン宇礼志野に2度ほど、
和歌山のヴィッラ・アイーダもオープン間もない春に訪ねた事があります。

七夕にオープンした2軒のオーベルジュ。

規模は違えど、どちらも北の星として、長く美しく輝いてほしいと思います。



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北海道 美瑛 森の旅亭びえい 2010年5月の宿泊感想

2013-07-23 15:00:00 | 北海道・宿
翌日泊まったのは、同じ美瑛でも白金温泉の「森の旅亭びえい」さん。
北海道と沖縄の品を扱う北海道産地直送センターが公共宿の跡地に、
新築の高級和風温泉宿を計画と発表のあった昨春からオープンを楽
しみに待っていた宿です。
最初は異業種参入?と思いましたが、既に旅行業はされていたので、
食の得意分野を活かした今まで近隣になかったタイプの宿ができる
のではと期待。
予約時に希望していた露天風呂付離れは、女性にだけサービスでエ
ステのつくプランしかなく、そちらをお願いしていたのですが、先
に泊られた複数の方の意見を参考に、かなり迷って「お宿 一凛」
さんと似た価格に変更しました。
館内は素材として難しい「白樺」を白樺街道沿いの宿ということで
あえて使った数寄屋造りで、さすが○億円かけただけあるな~と思
いました。
到着時に見せていただいた離れの露天風呂付の部屋の泉質は特に素
晴らしく、部屋を変更したことを少し後悔。
変更した部屋の備品類は使いやすくしゃれた物もあれば、なぜこれ
を選んだのかと疑問に思うものが混在し、クリップや紐まで用意さ
れているのに、時計はないという状態でした。
ただ朝の散歩時にわかったのですが、同じ温泉街の他の宿と違って
ここは森以外の山や川の眺めが望めない立地と設計。
もしかしたら今回滞在した1番リーズナブルな部屋が、山も見え、
スキップフロア方式の館内の移動も少なくておすすめかもしれません。

夕食の炙り焼きは食材を見てから、朝食の小鉢も選択可能と聞いて
いたのですが、今はそれもなく、せっかくの新鮮な食材をアピール
できておらず残念。
適度なボリュームなのですが、構成をもう少し工夫すればと思う内容
でした。
今回は週末だったせいもあり、子供連れや地元の日帰り客も多く、
宿の言う「大人の隠れ宿」「高級和風温泉宿」という雰囲気ではあり
ませんでした。
温泉はパンフレットには宿泊客と日帰り客は重ならない時間帯になっ
ていましたが、実際は夕方まで地元客で賑わい、大浴場に完備のはず
のタオル類も男女とも毎回用意されておらずイライラ。
宿泊客用の玄関は畳に正座のスタッフがお迎えしてくれますが、日帰
り客用の入口にはバケツに花の散った桜の木が飾られていました。
若い女性中心のスタッフはフレンドリーで感じもよく、一生懸命なの
で、慣れれば諸問題も減ると思います。
今後も最初の路線のままで高級宿をめざすのか、地元客にも愛される
使いやすい価格帯の宿になるのか気になるところです。
不思議だったのはオープン日の同じ2軒の宿の作務衣が全く同じデザ
インだったことで、これには驚きました。
季節的にはどちらもこれから庭の植栽がはじまるところ。

この春美瑛に誕生した2軒の宿、どちらも地域に根付き、大きく成長
される事を願っています。

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北海道 美瑛 お宿一凛 2010年5月の宿泊感想

2013-07-22 15:00:00 | 北海道・宿
最近、3年ぶりに北海道に旅行しました。
そしてタイトルの「お宿一凛」さんの全室制覇(3室ですが・・・)
ができました。

ご紹介の内容は全般的なまとめで、写真もありませんが、当時の
印象を思い出させてくれます。
ちなみに内容は3年前に某サイトに投稿したもの。
投稿部分は文字を斜めにしました。

今年最後の桜を楽しみに北海道へ行きました。
旭川、美瑛、富良野を中心に巡り、一斉に開いた花々と美味を堪能
してきました。
宿はこの春10年目の「マウレ山荘」さん、そして4月にオープン
したばかりの美瑛の宿2軒です。
「マウレ山荘」もいい宿でしたが、やはり注目は美瑛のオープンした
ばかりの宿だと思うのでこちらの感想を書きます。

美瑛の駅から車で10分程度の白樺街道沿いにある「お宿 一凛」
さんは3室だけの小さなお宿。
もてなして下さったオーナーご夫妻は各地で宿のオープンに向けて
準備&修行をされていたのですが、もともと西日本のご出身。
私達夫婦とは共通のご縁もあり、たまたまその日は私達だけだった
のもあり、たくさんお話させていただきました。
シックなエゾ・モダンの設えは居心地が良く、まるで知人の家に招
かれたような滞在でした。

旦那様の作られるお料理は地のもの中心の創作和食懐石、奥様はデ
ザート担当です。
どの品もお2人の人柄のように優しい味でした。
器や調味料はお2人がいいと思われたものを地元はもちろん各地から
取り寄せられています。

お風呂は貸切が2つあり、温泉ではありませんが柔らかな井戸水が
使われています。
明るいお風呂には貴重な樹齢数千年のオンコ(イチイ)の浴槽、使うの
も楽しい水栓金具、こんなデザインもあったのかと思う仕切りも兼ね
たパネルヒーターもありました。

奥様はアロマを勉強されていて、客室にできそうな広さの明るく眺め
の良いエステルームも1室ありました。
夜はそこで旭川から来て下さった魔法の手を持つ施術者の方に、夫婦
揃って遅くまでアロマエステをしていただき、それでいて1人1万円
台の宿泊費に大満足です。

部屋やリビングからの山や田園の眺めも素晴らしく、ちょうどはじま
ったばかりの庭造りの今後も楽しみ。
これはぜひ近いうちに季節を変えて再訪したいと考え、帰宅時に次回
の予約を致しました。
既に海外などからも問い合わせがあるそうで、宿の規模からも再訪時
には予約が難しくなるのではと思います。

オーナーご夫妻の考え方は宿の規模を広げるのでなく、自分達の目の
届く範囲でとの事で、いずれ部屋数も減らしたいと聞きました。
全体的には来月で5周年を迎える富山の「薪の音」さんといろいろな
面で似た印象。
全室制覇をめざす宿が1軒増えました。

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