かつては、3000m級山へ行く足慣らしとして大菩薩の裂石ルートを毎年のように登っていましたが、膝を痛めてからはしばらくご無沙汰していました。裂石から大菩薩嶺までの標高差は約1200m。北岳でも広河原からの標高差は1500m余りなので、標高差1200mというと結構登りでがあって、足慣らしとしては絶好と言う訳です。
昨年、大菩薩に行くのに、甲斐大和から上日川峠までバスが新たに出ているのに気付き、どんなものかとおそるおそる久しぶりに大菩薩嶺まで上がってみましたが、今年はもう少し挑戦して、この週末、往年と同じルートを上ってみました。
久しぶりの大菩薩で嬉しい新しい発見がいくつかありました。まず、大菩薩へ上がるバス便が多方面から充実してきたこと。かつては、山梨県側からは裂石の大菩薩登山口しかバス便がなく、バスを使うならそこから周遊するしかありませんでしたが、このルートはコースタイム的には大菩薩峠を抜いて唐松尾根を下ったとしても6時間半、峠を経由すると+50分で、しかも上で述べたように高低差があるので、ルート的に難しい場所はないとはいえ、体力的にはちょっとした覚悟が必要です。
マイカーだと多くの場合上日川峠からぐるっと周遊するしかなくなりますが、今度は難易度が下がりすぎ。高低差は400m強で、(東京の)高尾山にちょっと毛が生えた程度になってしまいます。多少バリエーションをつけるとすると、石丸峠を経由して自然観察路を降りる程度でしょうか。もちろん小菅に降りるというルートもあるにはありますが。
それが、最近、甲斐大和から上日川峠に行くバス便や塩山から柳沢峠に至るバス便ができたようで、上日川峠から裂石に下りたり、柳沢峠から上日川峠や裂石に下りるという可能性が出てきました。例えば裂石から大菩薩に上がって、ちょっときついな、と思えば上日川からバスで降りるというようなことができるようになったのです。また柳沢峠を基点にすれば、標高差的には裂石出発と上日川峠出発の中間に調整できます。かなり取れるルートの幅が広がったことになります。
今回大菩薩に上がってみて、時期的な問題もあったのかも知れませんが、かなり登山客が増えたという印象を持ちました。山頂での登山客も多かったし、塩山から出発するバス(大菩薩登山口、柳沢峠経由落合行)も2台運行でしたが、裂石の大菩薩登山口止まりだったときは、そんなことはなかったように思います。さらに、帰りの裂石・大菩薩登山口からのバスも立ち席も含め超満員でしたが、かつて(15年ほど前)こんなにたくさん登山客が乗っていたことはなかったように思います。
それと帰りに上日川峠から登山道を裂石に下ったのですが、そこで登ってくる登山客に何人も会いました。これも私の記憶では、かつてはこのルートを下っていて、まず人に出会わないか、出会ってもせいぜい一組あるかという感じでした。しかも夏になると、部分的には、刈り払いが不十分で、道が不明瞭になるということはないものの、結構背丈の高い草がボウボウで、いかにも最近あまり歩かれていませんという感じでした。しかし今回かなり丁寧に登山道に手入れがされているのを感じ、かなり印象が変わりました。
そして一番嬉しかったのは千石茶屋の再興です。この裂石に下る登山道の裂石のちょっと手前、上日川峠に上がる林道と登山道の分岐点の川の畔に千石茶屋という茶屋があります。私が大菩薩に通うようになってからは既に営業を行っていませんでした。ただ、痛みの出た建物のガラス窓越しに、登山客とかつての茶屋の女将さんの集合写真や、登山客が女将さんに宛てて書いた色紙などが何枚も飾られているのが見え、かつてこの茶屋が多くの登山客に愛されながらも、マイカーでの登山が主流になり、単なる通過地点に成り果てて、営業を終えて廃墟になって行く様が感じられ、いつもその前を通って寂しく思っていました。
今回はいよいよ建物も倒壊しているのではないか、と思って来てみると、なんと建物が新しくなっており、看板も真新しくなっています。営業は飲料水や珈琲を出す程度のようですが、幟も立ってしっかりやっているようす。しかも飲み物類はお財布にやさしい嬉しい値段。思わず冷たい水に冷えた缶ビールを一本頼みました。
訊けば、今の女将さんはやはりかつての女将さんの子孫の方で、今は神奈川に住みながら週末だけ営業されているのだとか。やはりかつておばあちゃんがやっていた茶屋をこのまま潰してはもったいないという思いで3年前に建物を新しくされたということでした。裂石から上日川峠までの登山道も、やはり一所懸命皆で手入れをするようにしていらっしゃるということでした。
今回、久々に大菩薩に本格的に登ってみて、大菩薩に行く登山バスのルートが増えたことが、大菩薩に登るルートのバリエーションを増やし、山の魅力を高め、より多くの登山客を引きつけるようになってきたのではないかと強く感じました。マイカー登山ですとどうしても最初に登った登山口に下りることを余儀なくされてしまい、山の魅力を十分に引き出しにくくしてしまうきらいがあるように思います。
是非大菩薩の試みが他の山でも広がることを期待したいと思います。
昨年、大菩薩に行くのに、甲斐大和から上日川峠までバスが新たに出ているのに気付き、どんなものかとおそるおそる久しぶりに大菩薩嶺まで上がってみましたが、今年はもう少し挑戦して、この週末、往年と同じルートを上ってみました。
久しぶりの大菩薩で嬉しい新しい発見がいくつかありました。まず、大菩薩へ上がるバス便が多方面から充実してきたこと。かつては、山梨県側からは裂石の大菩薩登山口しかバス便がなく、バスを使うならそこから周遊するしかありませんでしたが、このルートはコースタイム的には大菩薩峠を抜いて唐松尾根を下ったとしても6時間半、峠を経由すると+50分で、しかも上で述べたように高低差があるので、ルート的に難しい場所はないとはいえ、体力的にはちょっとした覚悟が必要です。
マイカーだと多くの場合上日川峠からぐるっと周遊するしかなくなりますが、今度は難易度が下がりすぎ。高低差は400m強で、(東京の)高尾山にちょっと毛が生えた程度になってしまいます。多少バリエーションをつけるとすると、石丸峠を経由して自然観察路を降りる程度でしょうか。もちろん小菅に降りるというルートもあるにはありますが。
それが、最近、甲斐大和から上日川峠に行くバス便や塩山から柳沢峠に至るバス便ができたようで、上日川峠から裂石に下りたり、柳沢峠から上日川峠や裂石に下りるという可能性が出てきました。例えば裂石から大菩薩に上がって、ちょっときついな、と思えば上日川からバスで降りるというようなことができるようになったのです。また柳沢峠を基点にすれば、標高差的には裂石出発と上日川峠出発の中間に調整できます。かなり取れるルートの幅が広がったことになります。
今回大菩薩に上がってみて、時期的な問題もあったのかも知れませんが、かなり登山客が増えたという印象を持ちました。山頂での登山客も多かったし、塩山から出発するバス(大菩薩登山口、柳沢峠経由落合行)も2台運行でしたが、裂石の大菩薩登山口止まりだったときは、そんなことはなかったように思います。さらに、帰りの裂石・大菩薩登山口からのバスも立ち席も含め超満員でしたが、かつて(15年ほど前)こんなにたくさん登山客が乗っていたことはなかったように思います。
それと帰りに上日川峠から登山道を裂石に下ったのですが、そこで登ってくる登山客に何人も会いました。これも私の記憶では、かつてはこのルートを下っていて、まず人に出会わないか、出会ってもせいぜい一組あるかという感じでした。しかも夏になると、部分的には、刈り払いが不十分で、道が不明瞭になるということはないものの、結構背丈の高い草がボウボウで、いかにも最近あまり歩かれていませんという感じでした。しかし今回かなり丁寧に登山道に手入れがされているのを感じ、かなり印象が変わりました。
そして一番嬉しかったのは千石茶屋の再興です。この裂石に下る登山道の裂石のちょっと手前、上日川峠に上がる林道と登山道の分岐点の川の畔に千石茶屋という茶屋があります。私が大菩薩に通うようになってからは既に営業を行っていませんでした。ただ、痛みの出た建物のガラス窓越しに、登山客とかつての茶屋の女将さんの集合写真や、登山客が女将さんに宛てて書いた色紙などが何枚も飾られているのが見え、かつてこの茶屋が多くの登山客に愛されながらも、マイカーでの登山が主流になり、単なる通過地点に成り果てて、営業を終えて廃墟になって行く様が感じられ、いつもその前を通って寂しく思っていました。
今回はいよいよ建物も倒壊しているのではないか、と思って来てみると、なんと建物が新しくなっており、看板も真新しくなっています。営業は飲料水や珈琲を出す程度のようですが、幟も立ってしっかりやっているようす。しかも飲み物類はお財布にやさしい嬉しい値段。思わず冷たい水に冷えた缶ビールを一本頼みました。
訊けば、今の女将さんはやはりかつての女将さんの子孫の方で、今は神奈川に住みながら週末だけ営業されているのだとか。やはりかつておばあちゃんがやっていた茶屋をこのまま潰してはもったいないという思いで3年前に建物を新しくされたということでした。裂石から上日川峠までの登山道も、やはり一所懸命皆で手入れをするようにしていらっしゃるということでした。
今回、久々に大菩薩に本格的に登ってみて、大菩薩に行く登山バスのルートが増えたことが、大菩薩に登るルートのバリエーションを増やし、山の魅力を高め、より多くの登山客を引きつけるようになってきたのではないかと強く感じました。マイカー登山ですとどうしても最初に登った登山口に下りることを余儀なくされてしまい、山の魅力を十分に引き出しにくくしてしまうきらいがあるように思います。
是非大菩薩の試みが他の山でも広がることを期待したいと思います。