▪️横山秀夫 『震度0』
いつだったか、ブックオフで買った横山さんの作品。読んだことあるはずなのに、背表紙のあらすじを読んでも、冒頭を暫く読み進めても全然先が出てこない。
、、、既読の作品を再度真っさらな状態で読めるという、記憶力低下の恩恵である。
で、およそ最後まで引き込まれるように−−−つまりは、途中で結末を思い出すこともなく−−−、読み切ったという、なんともオメデタイことでありました。
最後は、どんよりとした重苦しい終わり方。そうそう現実は変わらないというか、警察組織も官僚組織であるという現実感というか。
でも、横山さんの作品は、そこが良いのである。
▪️鴻上 尚史『不死身の特攻兵 〜軍神はなぜ上官に反抗したか〜』
新書。
特攻を指示されても、相手を沈めないと意味はないという信念で、何度も戦場を離脱し、その度に特攻命令を出された人を扱った話し。
臆病ということでなく、意味のない特攻に意味を見出そうとして、結果爆弾を落として帰還するという捉え方もありかも。
救われないのは「もうお前の死は公表されてしまったのだから、お前は死ななくてはならないのだ」という上層部の硬直さ。「関わっていたなら、首相も議員も辞めます」と言っちゃったが故に、下の方が右往左往している様にも似ているかも。
フィリピンのジャングルに逃げ込んだ終戦間近、その隊員を殺害する計画もあったらしい、というのだから、どこを向いた軍隊だったのか、、、
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