本日7日現在の槍ヶ岳・飛騨沢ルートの状況です。画像は標高2700m付近より飛騨乗越方面を撮影したものです。槍平から飛騨沢の標高2700m付近まではほぼ夏道で、ほとんど雪の影響はありません。
しかしながら、標高2700m~2850mにかけての急斜面に雪渓が残っており、この区間の夏道は8割以上が雪の下です。今日の残雪確認に向かった小屋スタッフは、この区間でピッケル、アイゼンを使用しました。画像は標高2850m付近の雪渓上端より。
最近は様々なインターネットサイトに山行記録が投稿され、例えば、今の時期にこのルートをピッケル、アイゼンなしで登った、というものもあるかもしれません。ただ、その投稿者が次に登る登山者の安全を保証してくれるわけではありませんし、その投稿を見た方との経験、体力の差、当日の天候など条件は同じにはなりません。
山小屋から発信する登山道情報は、個人山行記録とは違い、このルートを通るであろう全ての方々を念頭においています。夏の槍ヶ岳・飛騨沢ルートに関して言えば、小学生から80代の方まで。この情報を見た登山者の方が、「ちょっと重くなるけど、ピッケル、アイゼンはやっぱり持っていこう」と、装備の再点検をして下さったり、あるいは、ファミリー登山を計画中の方が「子どもは雪道慣れてないし、もう少し雪解けを待って計画しようかな」など、いずれにしてもその方々が登山道情報をきっかけに、より安全に山で行動出来る方向へ進んで頂けたら幸いです。