やっぱり本が好き@ミステリ

日頃読んだ本の感想・日常の生活など

犯罪小説家 雫井修介

2008-11-13 14:47:36 | Weblog
新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。
監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は『凍て鶴』に並々ならぬ興味を示し、この作品のヒロインには、かつて伝説的な自殺系サイト〔落花の会〕を運営していた木ノ瀬蓮美の影響が見られると、奇抜な持論を展開する。
待居の戸惑いをよそに、さらに彼は、そのサイトに残された謎の解明が映画化のために必要だと言い、待居を自分のペースに引き込もうとしていく。
そんな小野川に、待居は不気味さを感じ始め—。
全篇に充ちた不穏な空気。好奇心と恐怖が交錯する傑作心理サスペンス。