地方自治法《議会関連》改正の要旨をまとめます。
《2006年(平成18年)》②
▼第168条【会計管理者を新設】(収入役を廃止)
普通地方公共団体に会計管理者1人を置く。
2 会計管理者は、普通地方公共団体の長の補助機関である職員のうちから、普通地方公共団体の長が命ずる。
▼第170条【会計管理者等の職務権限】
法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、会計管理者は、当該普通地方公共団体の会計事務をつかさどる。
2 前項の会計事務を例示すると、おおむね次のとおりである。
(1)現金(現金に代えて納付される証券及び基金に属する現金を含む。)の出納及び保管を行うこと。
(2)小切手を振り出すこと。
(3)有価証券(公有財産又は基金に属するものを含む。)の出納及び保管を行うこと。
(4)物品(基金に属する動産を含む。)の出納及び保管(使用中の物品に係る保管を除く。)を行うこと。
(5)現金及び財産の記録管理を行うこと。
(6)支出負担行為に関する確認を行うこと。
(7)決算を調製し、これを普通地方公共団体の長に提出すること。
3 普通地方公共団体の長は、会計管理者に事故がある場合において必要があるときは、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員にその事務を代理させることができる。
【改正の要旨】
地方公共団体の会計事務については、支出命令機関(長)と預金出納を掌る執行機関(会計管理者)とを分離し、事務処理の公正を確保することを基本原則のひとつとしている。
会計管理者は長の補助機関であり、長の監督を受けるが、会計事務の処理については独立の権限を有し、その事務の執行については、地方公共団体を代表するものである。
会計事務とは、現実の収支の執行手続、有価証券、物品、決算等に関する事務を総称する意味で用いられている。
▼第172条【職員】
前11条に定める者を除くほか、普通地方公共団体に職員を置く。
2 前項の職員は、普通地方公共団体の長がこれを任免する。
3 第1項の職員の定数は、条例でこれを定める。ただし、臨時又は非常勤の職については、この限りでない。
4 第1項の職員に関する任用、人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉及び利益の保護その他身分取扱いに関しては、この法律に定めるものを除くほか、地方公務員法の定めるところによる。
【改正の要旨】
吏員その他の職員の区分が廃止された。また、区分廃止に伴い、第173条も廃止された。
▼第173条【吏員の種類】
前条第1項の吏員は事務吏員及び技術吏員とする。
2 事務吏員は、上司の命を受け、事務を掌る。
3 技術吏員は、上司の命を受け、技術を掌る。
▼第179条第1項【専決処分の要件の明確化】《平成24年 再改正》
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
【改正の要旨】
要件の一部が明確化された。
▼第195条第2項【監査委員制度の見直し】
監査委員の定数は、都道府県及び政令で定める市にあっては4人とし、その他の市及び町村にあっては2人とする。ただし、条例でその定数を増加することができる。
▼第196条第1項【識見者の専任】《平成29年 再改正》
監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者(議員である者を除く。以下この款において「識見を有する者」という。)及び議員のうちから、これを選任する。この場合において、議員のうちから選任する監査委員の数は、都道府県及び前条第2項の政令で定める市にあっては1人とするものとする。
▼第263条の3【議長の連合組織】
都道府県知事若しくは都道府県の議会の議長、市長若しくは市の議会の議長又は町村長若しくは町村の議会の議長が、その相互間の連絡を緊密にし、並びに共通の問題を協議し、及び処理するためのそれぞれの全国的連合組織を設けた場合においては、当該連合組織の代表者は、その旨を総務大臣に届け出なければならない。