はぐくみ幸房@山いこら♪

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スギヒラタケ

2020年10月16日 | キノコ・菌類のお話

 スギやヒノキの人工林で、よく見かける白いキノコ「スギヒラタケ」。

 スギヒラタケは、スギやヒノキ、アカマツなど針葉樹の切り株や倒木に発生する毒キノコです。

 傘は2~6 cm程度の大きさで、写真のように扇形の白いキノコがいくつも重なり合って、群れるように生えます。

 発生時期は、夏~秋(8月~10月頃)にかけて発生します。

 

 冒頭に毒キノコと書きましたが、昔は、よく食べられていたキノコです。

 僕が林業関係の職に付いた時、真っ先に教えてもらい、真っ先に覚えた食べられるキノコが、この「スギヒラタケ」で、お味噌汁に合うとてもおいしいキノコでした。

 しかし、平成16年と平成19年に、スギヒラタケを食べて、急性脳症(意識障害やけいれん)が発生するという多数の報告があげられるようになりました。

 当初は、腎臓機能が低下している人がスギヒラタケを食べると、急性脳症が発症すると考えられていましたが、その後、腎臓機能に異常がない人も、スギヒラタケを食べた後に、急性脳症を発症し、死亡する事例も報告されました。

 そのため、厚生労働省が、「念のため、原因が究明されるまでの間、腎臓機能が低下していない人も含め、一般の方に対して、スギヒラタケを食べない」よう注意喚起を行っています。

 あわせて、農林水産省も、毎年のキノコ狩りシーズンに合わせて、スギヒラタケを食べないよう自治体や関係団体に注意喚起しています。

 
 厚生労働省や農林水産省が原因究明の調査研究を行いましたが、今もスギヒラタケが安全かどうか、現時点ではわかっていないようです。

 元からスギヒラタケに含まれる複数の成分が関与して、急性脳症が起きるのではないか・・・とも考えられています。

 昔は食べていたから大丈夫。

 自分は食べたけど大丈夫だった。

 そんな曖昧で科学的な根拠もない理由で、人に勧めたり、食べたりしないようにしましょう。

 

 前回大丈夫だったとしても、今回も大丈夫と言い切れますか?

 自分は大丈夫だけど、他の方も大丈夫と言い切れますか?

 言い切るなら、その根拠は何でしょうか?

 スギヒラタケが食べられないことは、残念なことかもしれませんが、人命の方が大切です!

 

※2016年12月の記事を改編


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