はぐくみ幸房@山いこら♪

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ヨキの由来

2015年06月04日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 僕が個人的に重宝している山で使う道具「ヨキ」。

 ヨキの利点は、木を伐るほか、背の部分をトンカチ代わりにできるところです。

 なので、釘を打ったりするときも、ヨキを使うことも多々

 そこで、今回は、”ヨキ”という名前の由来について、お話したいと思います。

 ヨキの刃にある4本筋は、地・水・火・風を表し、山の幸や五穀を意味します。

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 そして、裏の3本筋は、お酒を意味します。

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 昔は、木には霊魂が宿っていると信じられていましたので、木を伐るときは、お酒や五穀をお供えしたそうです。

 しかし、山の中ではお酒や五穀を供えられないため、ヨキの刃に4本筋と3本筋を彫って、伐る木にそのヨキを立てて、拝んでから木を伐りました。

 つまり、ヨキの4本筋を五穀、3本筋をお酒の代用にしたということです。

 この3本筋を三気(みき)、4本筋を四気(よき)といったことから、手斧を”ヨキ”と呼ぶようになったそうです。

 この話は師匠から聞いた話ですが、インターネットで”ヨキ”と検索すると、この手の話はたくさん出てきます。(ここに書いた内容と多少の違いもあります。)


以下、余談です・・・。

 昔は、”山で木を伐る”というに行為に、祈りを捧げていました。

 師匠は、7の付く日を”山の神の日”ということで、毎月7日の山仕事は休んでいましたし、1月7日には、仕事始めということで、作業現場にお酒を供えたりしていました。

 それを聞いたり、見ていたりしていたので、林業って、何か神聖な一面もあるなって感じています。

 食事の前の「いただきます」と、食物に対して言うように、木にも言っていたんですね。

 以前、師匠は、「人間はとっくの昔に山での生活を放棄した生き物。そして、再び、山の魅力に惹かれ、山には入る人たちが増えた。それは良いことだが、山にはクマ・虫・ヘビ・カエル・ヒルなどたくさんの生き物が住んでいる。その生き物にとって、山は家。なのに、虫やヘビが嫌だのというのは、人の家に上がり込んで、文句を言っているの同じこと。山に入るということは、その生き物たちの家の中に入るということなのだから、”お邪魔します。”という気持ちが大切。その気持ち持たない者は山に失礼だ。」と説教してくれたことがあります。

 なんで、こんな話になったのかは覚えていませんが、この言葉は、今も心に深く残っています。

 僕自身、ヨキを立てて祈ったり、実際に拝んだりしませんが、仕事でも遊びでも、山に入るときは”お邪魔します”、山から家へ帰るときは”お邪魔しました”と心の中で言うように心掛けています。

 自然が与えてくれるたくさんの恵みに対して、”感謝”の気持ちを持つことが、大切だと思っています。

 

※本記事は、以前に掲載したものを少し加筆訂正したものです。

コメント (3)
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