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過去・現在・未来

日々の出来事を「過去・現在・未来」の視点から

“貧困打開が困難に”

2009-04-28 23:43:29 | Weblog
IMF・世銀 経済危機うけ声明

 【ワシントン=小林俊哉】ワシントンで開催されていた国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季会合は二十六日、合同開発委員会を開き、現在の深刻な経済危機のなかで国連ミレニアム開発目標(MDG)の達成が危うくなっていると警告するコミュニケを発表し、閉幕しました。途上国の貧困問題の解決に向け、経済危機のなかでも先進国にいっそうの資金的協力を求めるものとなりました。

 MDGは二〇一五年まで貧困の半減や普遍的初等教育の達成など八つの目標を掲げています。同委員会でドイツのウィチョレクツォイル経済協力開発相は「経済危機ではあっても、MDGの達成が危うくされることがあってはならない」と強調。中国の李勇副財務相も、「現在の経済危機が開発危機にまで激化しないよう国際社会は協力する必要がある」と述べました。

 また、ベネズエラのホルダニ計画開発相は「経済危機のなかで、世銀の貸し出し能力が狭まるのではないかと懸念している」と表明。貧困問題の解決に向け、資金面での国際協力の促進を求めました。

 世銀のゼーリック総裁は終了後の記者会見で、「この経済危機がどれぐらい続くかは、だれもわからない」「MDGの達成もままならない」と危機感を表明しました。(しんぶん赤旗4/28)

大企業への税金投入の道開く

2009-04-23 20:10:32 | Weblog
改定産業活力再生法が成立

 「金融・経済危機への対応」を口実に大企業への公的資金注入に道を開く改定「産業活力再生」法は、二十二日の参院本会議で、自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、社民党は反対しました。

 一九九九年に成立した同法は、企業がリストラ計画を作成して国に申請し、基準を満たし承認されれば、会社設立や増資の際に課せられる登録免許税などの減税や金融支援を受けられるものです。

 今回の改定では、こうしたリストラ支援策に加え、さらに一般事業会社に公的資金を注入することができるようにしました。

 改定法をめぐる国会での論戦から、公的資金注入の仕組みの対象となる企業の要件は、従業員五千人以上の大企業であることが明らかになりました。また、公的支援を受ける大企業の経営責任を問う規定がないことも浮き彫りになりました。

 日本共産党は、今、政治に求められているのは、「大企業に対し、蓄積した莫大(ばくだい)な内部留保を活用することで、雇用と下請け中小企業を守るように厳しく求める」(吉井英勝議員の反対討論、三日の衆院経済産業委員会)よう主張しています。

 産業活力再生法 株主資本利益率(ROE)の向上を目的に企業のリストラ計画を減税などで支援する法律。一九九九年八月に自民、公明両党などの賛成で、二〇〇三年三月末までの時限立法として成立しました。〇三年、〇七年にはそれぞれ、適用範囲を拡大した上で期限が延長されています(現在は一六年三月まで)。改悪は民主党も賛成しました。同法によって、これまでに認められた企業の人員削減計画は約十万人。経済産業省分だけでも、登録免許税の減税額が千五百十億円にのぼります。(4/23.しんぶん赤旗より)

内部留保 雇用のため使えないのか

2009-02-13 21:30:43 | Weblog
2009年2月13日(金)「しんぶん赤旗」

内部留保 雇用のため使えないのか
大企業の言い分を検証する

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 「減益」や「赤字予想」を理由に、輸出大企業を中心とした「非正規労働者切り」が横行しています。「これまで空前の利益をあげてきた大企業のもうけはどこにいったのか」「ため込んだお金の一部を使えば雇用は守れるはず」という声が、世論となっています。しかし、財界・大企業は、内部留保を取り崩すことは難しいという姿勢です。一部の商業メディアも財界・大企業の言い分に同調しています。内部留保は、本当に取り崩せないものなのでしょうか。(吉川方人)


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経営が大変になる?
 Q 内部留保を取り崩すと経営が大変になる?

 A 雇用を維持するためには、内部留保のほんの一部分を取り崩すだけで十分です。経営に影響するような額ではありません。

 今、人間を使い捨てにする「非正規労働者切り」や解雇・リストラをくり返している輸出大企業はこれまで、非正規労働者を安く使うことで、バブル期を超えるばく大な利益をあげてきました。

 このもうけは、巨大な内部留保としてため込まれています。

 その額は、製造業の大企業(資本金十億円以上)だけで、一九九七年度末の八十七・九兆円から二〇〇七年度末までの十年間に三十二・一兆円も増え、積み上がった額は百二十兆円に達しています。

 派遣業の業界団体は、三月末までに職を失う非正規労働者を約四十万人と推計しています。非正規労働者の平均年収を三百万円とすると、四十万人分で一兆二千億円です。

 製造業大企業の内部留保のわずか1%にすぎません。

 これだけで経営が大変になるとは考えられません。それなのに大企業経営者は、内部留保を使うことをかたくなに拒み、無情に非正規労働者の解雇を続けているのです。

設備投資に回ってる?
 Q 設備投資に回っている?

 A 内部留保は設備投資などに使って機械などになっているし、内部留保がなければ設備投資ができないという主張もあります。

 しかし、実際に大企業の内部留保などを使った新規投資の動きを見ると、新しい機械などへの設備投資よりも、投機を含む有価証券などへの投資に多くの金額が回されているのが実態です。

 製造業の大企業の内部留保が九七年度から十年間で三十二・一兆円も増えているのに、工場や設備などの資産は逆に減少しています。

 機械や土地、建物などの「有形固定資産」は、九七年度の六十八・七兆円から〇七年度の六十七・二兆円と一・五兆円減少しています。

 これに対して、「投資有価証券」は、九七年度の三十二・七兆円から〇七年度の六十六・七兆円に倍増しています。

 設備投資に必要な額よりもはるかに多くの資金が企業内部にたくわえられ、その多くが金融資産への投資に使われているのです。

 内部留保を多少取り崩したとしても、設備投資ができないなどということはありません。

手元資金は少ない?
 Q 手元資金は少ない?

 A 大企業の内部留保は、現金などの流動性の高い形では保有していないので、資金繰りが困るという主張もあります。

 確かに現金や預金などの「手元資金」は、製造業の大企業で〇七年度末に二十一・一兆円と十年前の三十四・八兆円から減少しています。しかし、これは、「手元資金」を投資有価証券などの金融資産への投資に振り向けてきた結果です。

 投資有価証券は、〇七年度の六十六・七兆円に十年間で二倍にまで膨張しています。

 今ある「手元資金」だけでも、非正規労働者四十万人の雇用維持分の一・二兆円などは、十分捻出(ねんしゅつ)できるはずです。どうしても足りないというのであれば、公社債など現金化できる金融資産も多く、金融資産などを担保に資金を調達することもできるはずです。

 巨大な資産を持つ大企業が、手元資金がないからと立場の弱い非正規労働者の解雇を強行するのは、豪邸に住む資産家が、現金を株式などへ投資しておきながら、現金が手元にないからと家政婦を解雇するようなものです。





労働者使い捨て 株主配当は急増
 大企業が労働者の使い捨てをする一方で、株主への配当は急増しています。

 東京証券取引所の統計によると、上場企業製造業の配当総額は、九七年度の約一・三兆円から、〇七年度の約三・七兆円に急増しています。

 新光総合研究所のまとめによると、〇八年度は製造業の経常利益が前年度よりも82・4%の減少となることが予想されています。しかし、年間の予想配当金総額は前年度より一割程度しか減っていません。

 ソニーのように一万六千人ものリストラを計画し、赤字を予測しているのに、配当は増額する計画の大企業まであります。

 株主への配当ばかりが増えていることでは、「貯蓄から投資へ」などといって、投機をあおった政府の責任も重大です。

 政府は、〇三年五月十四日の証券市場活性化関係閣僚等による会合で、企業自らによる「配当性向の向上」を求め、同年の「骨太方針」で、その着実な実施を閣議決定しました。また、証券優遇税制で、配当にかかる税金を本則20%から10%に軽減しました。こうした政府の旗振りのもとで企業は配当ばかりを優先して増やす一方、賃金や下請け単価は抑え付けてきました。異常に増えた配当をもとに戻すだけでも、雇用を維持する資金は十分にできます。





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 内部留保 企業が年々のもうけをため込んだもの。各年の利益から配当を引いた部分をため込む「利益剰余金」、資本取引などでのもうけをため込む「資本剰余金」、実際には支出していないのに隠し利益としてため込む各種引当金などが含まれます。

 これらは、企業の財務諸表の中の貸借対照表の「純資産の部」「負債の部」で計算することができます。しかし、内部留保をどのような形の資産で持っているかはこれだけでは分かりません。

 しかし、同じ貸借対照表の「資産の部」に示されている企業資産全体での内訳を見れば、設備や現金、金融資産の増減の傾向から、ため込みがどのような資産で増えているのか分かります。


■ 「いのちの記憶 -小林多喜二・二十九年の人生-」がDVDに

2008-12-21 17:48:26 | Weblog
 小樽商科大学の百周年記念事業の一つとして5月31日(土)にHBC北海道放送で放送された「ヒューマンドキュメンタリー いのちの記憶 -小林多喜二・二十九年の人生-」が9月10日(水)にDVDとして発売されることになりました。
 本学の卒業生である小林多喜二については,代表作の一つである「蟹工船」が最近の労働事情に通じるものがあるとしてメディア等で取り上げられ若者の共感を呼んでいます。
 このドキュメンタリーは家族や女性,多喜二を取り巻く様々な人間関係を描き,小林多喜二の人間としての面に焦点を当てた内容となっています。5月の放送以来,HBCには多くの反響があり,待望のDVD化が決定いたしました。
 このDVDには放送では時間の都合などで残念ながらカットされたインタビュー内容も含まれており,より深く多喜二を知ることができます。小林多喜二を深く知ることの出来るこの作品,ぜひこの機会にお買い求めください。


                     記

  タイトル:「ヒューマンドキュメンタリー いのちの記憶 -小林多喜二・二十九年の人生」
  発売日:2008年9月10日(水)
  価  格:3,000円(税込)
  発売元:HBC北海道放送

  その他の詳細についてはHBCHPをご覧ください


「市場安定化策」金融機関の自己責任で対応させることが重要

2008-10-28 16:55:58 | Weblog
2008年10月28日(火)「しんぶん赤旗」
市田書記局長が会見
--------------------------------------------------------------------------麻生太郎首相は二十七日、中川昭一財務・金融相らに株価急落を受けた「市場安定化策」のとりまとめを指示しました。日本共産党の市田忠義書記局長は同日、国会内での記者会見でこの問題について問われ、「金融機関の自己責任できちんとした対応をするよう迫ることが何より大事だ」と表明しました。

 市田氏は「わが党は、一般論として金融危機の回避のため、銀行に一時的に資金を供給することはありうるという立場をとってきたが、仮にそういう場合でも銀行業界の責任で返済するべきだ」と強調しました。そして、「長期的な視野で見れば、金融業界全体には、破綻(はたん)処理や自己資本の焦げ付きにかかるコストを負担する能力が十分にあったことが証明されている」とのべました。

 市田氏は、すでに実施された公的資金投入について、「金融業界の責任をあいまいにしたまま巨額の税金が投入されて、本来、金融業界が負担すべきコストまで国民におしつけられ、銀行業界のモラル・ハザード(倫理崩壊)を後押しした」と指摘。さらに、銀行の中小企業への貸し出しは、公的資金が投入されたころの一九九七年三月末と比べ、二〇〇七年十二月には八十九兆円も減少していることをあげ、今回もこの破綻した考えにしがみついている政府の対応を批判しました。

 そのうえで、「今、大事なことは、カジノ経済の破綻のツケを中小企業や国民にまわすことをやめさせることだ」と強調。すでに派遣社員や期間社員の首切り、下請け単価の買いたたきや貸し渋り・貸しはがしが深刻化しているとして、「こういうときだからこそ、日本経済の足腰を強くするために、雇用の安定や社会保障の充実、農業や中小企業の支援という、内需中心に経済政策の軸足を切り替えることが大事だ」と述べました。