過去・現在・未来

日々の出来事を「過去・現在・未来」の視点から

草の根からひろがる「9条の会」

2005-06-28 22:19:01 | Weblog
憲法9条をまもり、生かす日本に」──日本を代表する作家・学者・評論家らの呼びかけではじまった「九条の会」の運動は、全国津々浦々に広がっています。「憲法9条は、仏教の教え」との幕をかかげる寺、党派をこえてすべての議員が参加して「会」をつくった町、「9条で行こう」と東京・渋谷をパレードした高校生たち…。いま、思想・信条、立場や世代のちがいをこえて、「憲法9条をまもろう」の声と行動がわきおこっています。戦後60年、憲法9条、第2項を変え日本を「戦争できる国」に変えようとする動きにはきっぱりと反対です。


これではリストラが加速する

2005-06-27 19:22:27 | Weblog

労働契約の法制化
これではリストラが加速する

 厚生労働省の研究会が、労働者の採用から出向・転籍、雇用終了まで労働契約のルールを法制化する中間報告をまとめ、大筋了解しました。
 労働契約をめぐるルールは判例に委ねられた部分が多いため、労働基準法とは別の法律をつくり、労使が自主的に労働条件を決定できるルールを示すといいます。その中には、働く者の権利を骨抜きにする方向が盛り込まれており見過ごせません。

安易な解雇誘発する

 例えば、解雇をめぐる紛争で裁判所が無効の判決を出しても職場に復帰させず、金銭解決ができる制度を検討することです。
 いまの労働基準法は、合理的な理由のない解雇は無効として規制しています。それがお金さえ払えば労働者を追い出せることになれば、安易な解雇を誘発します。
 労基法改正の際も、審議会の意見書に盛り込まれながら、批判が強く見送られたこの制度を、導入する何の理由もありません。
 労働条件の変更についての制度を設けることも重大です。企業に労働条件の変更権を与える案(認めなければ解雇)と企業が労働条件の変更か解雇かを迫った場合、異議を留保し、雇用を維持したまま裁判で争うことができる案を示しています。
 解雇を脅しにして労働条件の改悪を迫るリストラが相次いでいます。変更を拒否すれば解雇を認め、解雇がいやなら不利益な変更を認めて争えというのは、無法なリストラを追認するのと同じです。こんな不当な不利益変更の規制こそ必要です。
 ホワイトカラーを、労基法の労働時間規制から適用除外する「見直し」を検討し、労働時間など労使で自主的に決定できるようにする必要があるといいます。不払い残業がまん延しているホワイトカラーを規制から除外すれば、残業代なしにいっそう際限なく働かせることができます。必要なのは、長時間労働の規制や不払い残業の根絶です。
 いま労働条件の最低基準は労基法で定めて、守らせるために行政の監督指導や罰則があります。それを、労働契約のルールは「労使の自主的な決定」にまかせ、監督指導が及ばず、罰則もないように変えることは問題です。解雇の制限や労働時間の規制といった労基法の重要な柱が、空洞化することにもつながります。
 政府がなぜこうした方向を進めようとするのか。その背景には財界の要求があります。日本経団連は「労働契約法制は労使の自主的な決定と契約自由の原則を最大限に尊重しつつ、工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法など…抜本的に改革する」ことを主張してきました(05年版経営労働政策委員会報告)。
 規制は極力なくして、労働条件引き下げなど「攻めのリストラ」を容易にし、国際競争力をさらに高めて高収益をあげようという狙いです。

安心して働けるルール

 労働者は企業に雇用されなければ生きていけない弱い立場にあります。だから「契約自由の原則」を修正して労働者を保護する法律ができました。憲法第27条が「勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と明記しているのもこのためです。憲法は働く国民に人間らしく生き、働く権利を保障しています。財界の主張は時代錯誤です。
 大企業を中心に、大幅な労働条件の切り下げ、大規模な出向・転籍、退職強要などリストラの横行は目に余ります。こうした無法を規制し、労働者が安心して働ける労働契約のルールをつくることこそ必要です。
のち

貯蓄から投資へ―何故

2005-06-25 11:43:22 | Weblog
貯蓄から投資へ誘導―ペイオフ全面解禁

 ペイオフの全面解禁で、“これからは預金者が金融機関を選ぶ時代になる”としきりに宣伝されています。
 日銀の福井俊彦総裁は「大変激しい競争に勝っていかなければならず、新たに新陳代謝の激しい世界に入っていくことになる」と、金融機関の間の競争をあおっています。
 伊藤達也金融担当相は「各金融機関においては経営基盤を強化し、収益力を向上させていくことが必要」と金融機関がもうけをあげることを求めています。
 いま、金融機関がもうけをあげる手段として血道をあげるのは、預金を集めるのではなく、国民にリスク(危険)の高い投資信託や株などの商品を売りつけることです。銀行は、ハイリスクの金融商品を顧客に売りさばく行員には賃金を割増しする促進策をとっています。
 証券会社は、「ペイオフ解禁の日を、ただ待っているだけですか。『野村で資産を守ろう』」(野村証券)、「ペイオフ対策万全ですか?」(日興コーディアル証券)、「ペイオフ時代の新・マネープラン」(三菱証券)と宣伝に躍起です。

いわば“国策”

 この「貯蓄から投資へ」の誘導策は、小泉内閣が進めるいわば“国策”です。大蔵省(現・財務省)の元幹部は、この本質についてこう指摘します。
 「(自己責任の名で)リスクを国民にばらまくことだ」


とんでもない「増税計画」

2005-06-24 20:53:13 | Weblog
勤労世帯で増税42万円
年収500万円4人家族
給与所得控除見直し 政府税調が報告書

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 小泉内閣は21日、社会保障抑制と消費税増税の具体化に着手することを宣言した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針)2005」を閣議決定しました。また、政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)は同日、サラリーマン増税を柱とする個人所得税に関する報告を公表しました。

 政府税調の報告は、サラリーマンの収入に応じて一定割合を課税対象額から差し引く給与所得控除の見直しの方向を明記。専業主婦のいる世帯の税負担を軽減してきた配偶者控除や扶養控除の見直しも盛り込みました。

 また報告書は、所得税・個人住民税の定率減税の廃止を明言しました。

 定率減税の廃止に加え、仮に、給与所得控除の半減、配偶者控除、扶養控除の全廃が実施された場合、年収500万円の4人世帯(サラリーマンと専業主婦、子ども2人)では、年42万円の増税になります。

 総会後の記者会見で石会長は、「増税、国民負担増なくして今後の年金、医療、介護の財源を含め、少子高齢化は乗り切れない」と強調。「国民全体で国をどう支えるかという議論からいって、就業者の八割を占めるサラリーマンの方々に頑張ってもらうしかない」と述べ、サラリーマン増税との批判に対し開き直りました。

 給与所得控除は、半減しただけでも約五兆円の大増税となります。



A級戦犯

2005-06-19 11:12:10 | Weblog
A級戦犯とは、第2次大戦後の極東国際軍事裁判(=東京裁判、1946年5月公判開始、48年11月判決)で、「a  平和に対する罪」「b 通例の戦争犯罪」「c 人道に対する罪」を犯したとして訴追され、有罪判決を言い渡された主要戦争犯罪人のことをいいます。具体的には、太平洋戦争開戦時の首相・東条英機や関東軍(中国侵略部隊)司令官など25人を指しています。
 これら25人のA級戦犯のうち、絞首刑の判決を受けたのは、東条英機(元首相)ほか広田弘毅(元首相)、土肥原賢二(元陸軍大将)、板垣征四郎(元陸軍大将)、木村兵太郎(元陸軍大将)、松井石根(元陸軍大将)、武藤章(元陸軍中将)の7人です。彼らはいずれも、日本の侵略戦争遂行のため「指導者、組織者、教唆者または共犯者として共同謀議を行った」ことが罪に問われています。他に、終身禁固刑が16人、禁固20年が2人となっていますが、東京裁判の訴因として共通しているのが、侵略戦争です。

 A級戦犯に関する犯罪として極東国際軍事裁判所条例は、次のように定めています。
  「a 平和に対する罪、すなわち、宣戦を布告し、もしくは布告しない侵略戦争もしくは国際法、条約、協定もしくは誓約に違反する戦争の計画、準備、開始、もしくは遂行…これらの各行為のいずれかを達成するための共通の計画もしくは共同謀議への参加」(同条例第5条第2項)
 これらは、「b 通例の戦争犯罪」(従来の戦争法規違反)、「c 人道に対する罪」(一般人に対する殺人や捕虜虐待など)とは異なり、侵略戦争に対する責任を問うているものです。

 最近、このようなA級戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社への小泉首相の参拝をはじめ、「A級戦犯は罪人ではない」と公言してはばからない厚生労働政務官など、日本の過去の侵略戦争を正当化する言動が、政府・自民党内から目立ち始めています。しかし、日本が戦後、国際社会に復帰したのは、A級戦犯ら戦争犯罪人を裁いた東京裁判を受け入れて講和条約を結んだからです。東京裁判は、当時最高の戦争責任者であった昭和天皇の責任を追及しなかったという不十分さを残しましたが、同時に1928年の不戦条約で禁止された「国際紛争解決の為」の戦争を、国際犯罪と位置づけ、侵略戦争の指導者を裁いたものとしてその後の世界平和の探求に大きな意義をもつものとなりました。
 A級戦犯とは、こうした戦後の国際秩序の土台を築いた東京裁判で裁かれた明確な戦争犯罪人なのです。
 なお、1978年5月、国会も国民も知らないうちに靖国神社に合祀されたA級戦犯は、絞首刑になった前出の7人以外、梅津美治郎(陸軍大将)、小磯国昭(元首相・陸軍大将)、永野修身(元帥海軍大将)、平沼騏一郎(元首相)、松岡洋右(元外相)、東郷茂徳(元外相)、白鳥敏夫(元駐イタリア大使)の7人、合計14人です。そしてこの14人のA級戦犯を祀った靖国神社の立場が、「一方的に“戦争犯罪人”というぬれぎぬを着せられ、むざんにも生命をたたれた」方々を「昭和殉難者とお呼びして…すべて神さまとしてお祀り」するというものです。このような靖国神社へ首相が参拝することは、一般的な「戦没者への追悼」を意味するのでなく、侵略戦争の行為そのものをほめたたえることにつながるのです