おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

日本語テストで意外な結果

2006-01-15 12:12:23 | 発見
 やけ焦げたパンを売りに出そうというパン職人がいるだろうか?ヒビの入った焼物を出展しようとする陶工がどこの世界にいるだろう。
 しかしこれら「不良品」、出来損ないで公然と商売している人達がいるのである。
 今では各局の「特番」の定番となった「NG特集」だが、もう少しも新鮮味を感じないくらい当たり前になった。番組制作者や出演者の「失敗」を売りに出すのだから、耐震偽装マンションや黒こげパンを販売する以上の”勇気”が最初は必要だったはずだ。しかし、視聴者から苦情が寄せられるどころか、「正常な商品」、つまり普通の番組よりも視聴率が高いというから、我々が普段見せられている「正常な」番組の水準について思いを馳せざるを得ない。

 このような”偶然”の恥を売りに出すだけでは最早マンネリと鋭敏に感じ取ったテレビ局は、もっと積極的に自らの「恥」を前面に押し出そうとしている。
 自局の女子アナを一堂に集めてクイズ大会を開き、彼女たちの無知・無学を大笑いし、いじり倒して視聴率を稼ごうとする番組まで登場しているのだ。
 まあ最近は「女子アナ」というのは、スポーツエリートと結婚するための花嫁学校であるから、知的云々は期待する方がお門違いであるとは言え、自局の社員の知的水準の低さを”ウリ”にするとは驚くべき神経である。彼女たちの”珍答”の数々が”演技”と言うか台本に従ったものであってくれと願うばかりである。

 さて、そのような「お笑い」番組でよくネタとして使われるのが「日本誤」である。
(お粗末な番組は”前ふり”がやたら長い。この記事でもそれをシュミレートした)
 「今どきの」若者の出鱈目な日本語の使い方を笑い物にして、しばしの優越感を視聴者に与えるというのが、テレビの定番だが、こちらは真面目な調査。
 「ジャストシステム、日本語テストを実施」というPC WEBの12日記事。「ジャストシステム」は日本語入力IMEのATOKを製造しているので日本語の研究所を持っている。
 そこが「首都圏に住む10~50代の男女1,037人(男性49.9%、女性50.1%)」対象に、「漢字力、表記力、文法、敬語、手紙の常識、語彙力を問う多肢式30問」を出題して、その結果を公表した。ホントは問題そのものも紹介したいのだが、実はこのテスト現在Webで実施されているので、ここで書くとネタバレになる。興味ある方は自らテストをお受けになられたい。

 結果はやや意外なものだった。と言うのも年代別の平均点が以下のようになったからだ。
1位 50代(60.9点)
2位 20代(60.2点)
3位 30代(59.7点)
4位 40代(58.8点)
5位 10代(58.7点)
 つまり「近頃の若い者は日本語も知らん」と攻撃の対象となっている20代が2位に食い込んでいる。最も「指導的立場」にある40代は、10代の”ひよっこ”と点数が変わらなかった。こうなってくると最近日本の「オピニオンリーダー」達がテレビでふんぞり返ってお説教している「若者の学力低下」もそのまま受け取れない。つまり若者たちの学力が十分というより、「大人」達の「学力」が心配になってくるのだ。

 そうなのである。最近バラエティークイズ番組に国会議員の先生が出席されることが増えている。選挙のために名前を売ることは必要であるから出演自体は悪いことではないが、視聴者と言うか有権者としては、自分たちの「選良」の知的水準にドキリとさせられることがある。この人たちに日本を任せて大丈夫なのか?

 そのような不安を解消するために、然るべき機関が日本憲政史上初めての「国会議員学力調査」を実施して欲しいと思うのだ。今は資産公開ということで、議員先生のだいたいの懐具合を知ることは許されている。もっと重要な”オツム具合”を有権者は知る権利があると思うのだ。結果は当然偏差値付きで公開される。各先生の「苦手科目・得意科目」を知ることで、どの委員会に所属するのが適当かということも分かる。

 先生方は当然”アタマ”に自信があるから赤絨毯を踏んでおられる。恥ずかしいからイヤという先生はないはずだが、「問題を見せろ」と試験実施機関に圧力をかける先生が必ず出てくる。これを排除する議員立法の成立が急務であろう。


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