四季折々 やぶさか真佐の吉野だより

世界遺産の地 吉野から怒れるおばちゃんの四季折々をお届けします。

金子みすゞさんのこと

2009年07月05日 12時27分25秒 | Weblog
 数日前、「NHKの短歌番組に矢崎節夫先生出演」のファックスが送られてきました。もちろん今朝は、7時きっかりにTVの前。

 10数年前、赤旗の新刊紹介欄に矢崎先生の『金子みすゞの生涯』が掲載され、その中の一編『大漁』に魅せられたのです。
 朝焼け小焼けだ
 大漁だ
 大羽鰯の
 大漁だ

 浜は祭りのようだけど
 海の中では何万の鰯のとむらい
 するだろう

新刊紹介ですから、詳しくは載っていません。でも、この詩の持つすごい人生観に引き込まれ、出版社に電話して取り寄せました。届いたのは、出版2年目にして第4刷という人気でした。その後は、どっぷり、みすゞさんにはまり、現在に至る。

 みすゞさんを追体験したくて、一人で仙崎まで出かけました。まだ、ブーム到来以前で、仙崎の町ではかすかに感じたもののタクシーの運転手さんもご存じない状態でした。ところが・・。駅前で新幹線の時間待ちにふと立ち寄った小さな記念館にみすゞさんがワンサカつまっていたのです。親切にも草加さんという(漢字間違っていたらごめんなさい)ご主人が、奈良にもみすゞさんを大好きな人たちの集まりがあることを教えて下さいました。それが、当麻寺門前の民芸店『和』さんを中心とするグループだったのです。

 縁って不思議ですね。山口県で当麻のことを教えてもらったのですから。時間待ちがなかったら、ご縁も生まれていなかったことでしょう。

 大漁の詩のように、弱者の目線から見ると世界がまるで違って見える。若く美しくたおやかなみすゞさんの中に、宇宙の真理がつまっていることに感動しました。この感動は、今も色あせることがない。今年の秋も矢崎先生の奈良講演会が実現するとか。楽しみです。 

明花ちゃんおめでとう

2009年07月04日 22時50分54秒 | Weblog
 今朝、新聞を開くと、でかでかと明花ちゃんの写真が載っていました。見ず知らずだけれど自分の孫のようでとてもうれしい。脳性麻痺だから、車いすだからと言う理由で中学校入学を拒否されていたけれど、奈良地裁の仮判決で「地元中学校入学の決定」が出されたところだったのです。

 設備は課題として残るものの、「学ぶ意欲」「学ばせたい両親の願い」が叶い、本当に良かった。副担任に訪問教諭が当たって下さるとのこと。特別支援学級の主旨は、養護学校解体論という危険な側面もあるものの、障がいを持っている人もいない人も当たり前に共生できる社会、助け合って共に生きる社会を目指すものです。

 中学校の先生方の負担を少しでも軽くするために、県や町の教育委員会は、ぜひ、援助を惜しまないで欲しい。経済危機対策の交付金が使えたらいいのだけれど・・。

 今日、吉野町の『差別をなくす町民集会』で途中からですが、人形劇団クラルテの『しろくまくんどこへ』を観ました。子どもたちと共に私も楽しみながら、困っているしろくま君たちを助けるために次々と動物たちが力を出し合う内容に明花ちゃんの事が重なり、中学校生活が充実したものであることを願わずにはいられませんでした。
 
 人形劇団クラルテは、世界で活躍する劇団で、私の大学時代にあこがれと尊敬の念で観ていた劇団です。吉野を第2の本拠地にと考えて下さっているとか。本物の文化に子どもたちが触れることができるのがうれしい。

 今日も桜井駅で高校生が刺されたニュースを聞いて、恐ろしい時代を実感しています。子どもの柔らかい感受性で、本物の良さや人間の助け合う生き方を吸収して欲しい。さっき、テレビで、赤ちゃんの時代に既に善悪の判断や助け合う味方は誰かを直感しているという実験を見たところです。子どもの時代にこそ、よいものを心豊かになるものを与えたい。さまざまなことを考えさせられた一日でした。

 写真は、『しろくまくんどこへ』の一場面。携帯のカメラが悪いのかな、写りが悪くてごめんなさい。


経済危機対策臨時交付金使い道決定

2009年07月02日 22時05分47秒 | Weblog
 2日、臨時議会で補正予算が承認されました。経済危機対策臨時交付金と言う名の交付金で、うれしい中身だけれど選挙目当てが見え見えです。元はと言えば、三位一体改革とか骨太とかネーミングはいいけれど、地方への交付金を削り続けて地方が疲弊しているから、ばらまいてくれたものです。

 他の補助金もあわせて1億8380万円。町道8路線の舗装や壊れていた観光用の移動トイレ、病院の浴槽や持ち運び用のエコーなど必需品に使われます。買いたくても買えなかったものが購入でき、ほっとしますが、国策に振り回されているなというのがありました。
・デジタル化に向けたテレビの購入。公共施設に12台。学校に55台。莫大な金額です。
・光ケーブル導入によるパソコン購入。子どもたちや先生用に118台。シルバー用に20台。昔は、先生たちは自分のノートパソコン持ち込みでしたが、今は、LANの時代。これも高額。
 もし、交付金がなかったら、どうなっていたのだろうと思います。
 
 さくら苑の福祉車両も購入。吉野町の負担金453万円。「車のがたがたがひどくて病院に行くと腰が痛くなる」と嘆いておられた入居者さん。よかった。ちょっとは楽になることでしょう。

 各論賛成、総論異議あり。若者定住や子育て支援など将来への投資に回らないのです。削られた交付税を元に戻して。みんなで奪い合いしなくていいようにしてほしい。本当に必要なものばかりなのだから。

 おっと・・。新型インフル対策のマスク9600人の10日分というのもありました。危機管理システムの構築と共にどう配分するのか検討がなされるとのこと。

 消費者相談窓口もきれいになります。クーリングオフや多重債務など困った時は、毎週火曜日の午後、専門家が相談に乗ってくれるそうです。

 町民の暮らしを支えるためには、国の支援が不可欠。田舎があってこそ、国土と環境が守られるのですから。

校長先生の反乱

2009年07月01日 09時37分38秒 | Weblog
 29日に放映された「ドキュメンタリ宣言」の「校長先生の反乱」をやっと、昨夜ビデオで見ました。3月定年退職されるまで、都立三鷹高校の校長先生だった土肥先生。「職員会議は意志けってい機関でなく伝達機関である」「挙手採決を禁止し、全て校長の意向で進める」「組織的で迅速な意志決定を」という東京都教育委員会の通達指導に、真っ向から異議を申し立てたのです。

 三鷹高校は、生徒の自主性が尊重され、のびのびと部活に励む様子が繰り返し現れます。そこに校長先生がいる。毎朝、にこやかに子どもたちを迎え、声をかける。受け答えする素直でまじめな子どもたち。ツッパリがいたとしても肩身の狭いかわいらしい状況だろうと想像しながら見ていたのですが、とんでもない。教員生活最後の離任式で突然、卒業生が壇上に上がり、校長先生に卒業証書を手渡すのです。「教育委員会の弾圧にも負けず・・58期卒業生一同。」奇跡のような現実。317名の卒業生全員の色紙に書かれた寄せ書き。これぞ、教育の神髄です。

 『三鷹が自由なのはあの人(土肥校長)のおかげ』『校長先生大好き』等々。校長先生を信頼する子どもたちの声。自由な校風の中で子どもたちが生き生きと生きている。「どんな場でも自分の意見を」「言論の自由が大切」と、繰り返し子どもたちに伝えてきたことが子どもたちの生きる力となるでしょう。

 日本人は奥ゆかしく恥ずかしがり屋で、自分の意見を言えないと海外の人からよく批判されます。だからこそ、今、マスコミなどに左右されず、自分の意見を主張できることが大切なのでは?

 公開討論会を求めてきた土肥先生は、非常勤職員不採用に対し裁判を起こすことで東京都の教育のあり方を公的な場で論議しあおうとしています。この意義は大きい。
1.「にらまれたくない」「昇進に影響する」「給料に響く」から物言えなくなってしまった教師たち。教師が自由でなくなったら、子どもたちは不幸です。子どもが自由に育つ学校環境を作る大切な闘いであり、
2.ゆがめられ続ける日本の教育を子ども中心に変え、守る闘いです。
3.そして、異常な東京都政を浮き彫りすることにつながる。

 トップダウンの教育がどんなに怖いか、戦時教育で洗脳され、他国の人たちを鬼畜米英と殺してきた暗い歴史、特攻作戦のごとく命を捨てることを美徳とたたき込まれた人たち等、戦時教育に対する反省から、学校は、集団教育の場であり、さまざまな意見価値観がぶつかり合ってよりよい社会をつくる健全な国民を育てることに心血を注いできた。このままでは、戦時中に逆戻り。もうすぐ都議選。子どもたちを守る選択が必要です。

 写真は、赤旗29日付け。『きょう放送欄』です。最近、情報が多すぎて訳がわからない。良い情報なら、新聞赤旗に限ります。問題は、読み応えありすぎて、なかなか全部読めない。トホホ・・。