マッサンとエリーを見ていると、自分の過去を振り返らずにはいられません。
マッサンの様に、自分がどん底にいる時に、周りが敵だらけでも、必ず自分に手を差し伸べてくれる、損得勘定を抜きにして、味方になってくれる人がいました。
銀行員時代、入行3年目で茂原支店へ転勤になり、大原の寮に入り、全く知らない土地で、しかも、初めての外周り。
地理も分からなければ、仕事も分からない…
寮は独身寮ではないので、上は支店長から、次長、代理、係長といて、当然自分は一番下。
寮でも息をつくこともできず…
歳の近い、同じ時に茂原へ来た先輩と、部屋で酒を飲みながら、仕事もつらく、寮生活もつらく、泣いたものです。
ある時、いつもと同じ様に、先輩の部屋で呑んでいると、先輩が"俺、もう辞めるよ…”と言いました。
自分は、"先輩!一年頑張りましょう!一年頑張ってやってみて、もう無理だと思ったら、二人で辞めましょう。そして、やって行けると思えれば、今より辛い事はきっと無い筈です!”
と、いいました。
で、結局、一年頑張って、辞めずに済みましたが、あの時、寮で自分一人だったらきっと、耐えられなかったでしょう。
先輩がいてくれたから、あの一年を乗り切る事が出来ました。
今は合う事がなくなってしまいましたが、今でもずっとずっと、先輩に感謝しています。
その時の外回りの上司の方には、仕事とは何か、考え方、効率、色々な事を教わりました。
あの茂原支店にいた三年が、仕事に対する根っこになったと思っています。
非常に厳しい上司で、ノルマができなかった時は、出来るまで帰ってくるな!!と、店から追い出され、かと言って、宛があるわけでもなく…宛もなく車を走らせ、公園の駐車場で泣いていた事もありました。
その時、外回りで回っている、お寿司屋さんの二代目で、自分に歳の近いお客さんにそんな所を見られてしまい…"どうしたの!?”
と、聞かれたので、ついつい、勢いで事情を話してしまったら、"俺も、修行では泣いてばかりだったよ。だけど、その時があって、今があるから… 今は苦しくて辛くても、無駄じゃないんだよ。頑張りな!”
と、優しく言ってくれて、すごく救われた思い出があります。
で、何も出来なかったけど、一時間程で店に帰りましたが、上司は結果を聞くわけでもなく、ただ、ご苦労様とだけ言ってくれました。
不甲斐ない自分に情けなく、寮の部屋で泣いていたら、上司も同じく寮にいたので、自分の部屋へ来て、"早く飯をたべろ”と、言いに来てくれました。
口は悪い上司でしたが、鍛えてくれているんだな、と言うのが伝わる、意地悪ではなく、愛情が伝わるきびしさでした。
あの時出会った、先輩と上司のおかげで、あの三年間で、人間としてだいぶ成長出来たと思っています。
改めて、二人に感謝したいです。