だんごに恋したっ!~紀州釣りを貪る女のつぶやき~

あづい・・・脳みそトロけそぅ・・・

We will fishing you

2007年01月30日 | 紀州釣り珍道中



“時がきた”

いよいよ高め続けてきた
魂を解き放つ時が。

いつもの波戸に着く。
いつものメンバーが場所を
押さえてくれている。
ThankYou ジョニー。

相棒のMARK DRY DANTSUMA
SPECIAL69を携え釣り座に
向かう。
真冬らしい曇り空。
身を切るような北西の風が
頬を撫でる。
かじかむ手でダンゴを握り
海からの声に耳を傾けるも
濃い碧の友人は友好的とは
行かないようだ。
時間はちょっとばかし多め
にある。
我が家の安保理条約に基づいて
今日はしっぽりできるんだ。

昼過ぎの休憩をはさんで
第2ラウンドが始まる。

先に引き上げたジョニー達が
ボケやらヌカを残してくれている。
ちっ 泣かせるじゃねぇか‥

今は亡きジョニー達の想い
も込めて投げ出す。

浮きが…
浮きが立っている…
見事なピンコ立ちだ…

視界の片隅に確かに映って
いたが静かに見送る。
なぜ見送ったかだって?
何故ならばそれは
あまりの寒さに目を開けたまま
眠っていたからだ。
ふっ
また一つ紀州釣りの禁断の引き出しを
増やしてしまったようだな。
あばよ 年無し。

ようやく動きが出始めた。
数投後再び浮きが動く。

緩いアタリから半立ちへと
華麗に舞い始めた瞬間

それを捕えた視覚が大脳に
指令を送り、脈々と流れ出た
アホレナリンがボルティモアで
鍛え抜かれた大腿部紀州釣り筋
に到達するや否や、アワセを
入れつつ立ち上がる。

はっきりとした手応え。
やっとお出ましだ。
魚に負けたくないが故の
ゴリ巻きを今年は卒業し
華麗なやり取りで応戦する。
ふと見上げ竿先がこの死闘
に華を添えるべく叩いていることを確認する。

上等じゃねぇか…

体内で逆流するアホレナリンを
感じながら休む事なく
神経を集中させる。
足下まで寄せた瞬間
ギラリと光る魚体を捉える。
渾身の力を込めて浮かせようと試みるも
巨大な敵はピクリともしない。

もぅアレを使うしかない…

端で見守るスティーヴンに
叫ぶ。
『アレを…電気ショッカーを取ってくれっ!!』
スティーヴンを待つ時間が
永遠にも感じられる。
スティーヴンから電気ショッカーが手渡される。
全身を緊張させながらも
ヤツにお見舞いすべく装着し
スイッチを押す。
ビリビリビリ
と同時にワタシの頭も真っ暗になった。

一瞬後に意識を取り戻す。本能的に握りを保っていた
竿の終着点を、覚醒した
意識の中しかと見つめ直すと
フツーのボラであった。

再び諸行無情の世界が続く。
5時前。
回りを見渡すと誰もいなくなっていた。
鋭さを増した北風の中片付けながら、
心の中は幸せな気持ちで満ち溢れていた。
さようなら 碧の友よ。
ありがとう。
釣具を担ぎ娘の待つ車へと
歩き始めた。
餌箱の中では出番のなかった
ボイルニンニク達が
カラコロと哀しげに身を寄せあっていた。


~~  Nothing really matters,
    Anyone can see,
    Nothing really matters-,
    nothing really matters
    to me

    Any way the wind blows....~~