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酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

トランプ大統領の狙いはリセッションなのか?

2025-03-06 22:41:03 | 日記・エッセイ・コラム
最近説得力を増しつつある見解がトランプは様々な悪材料を市場に投げつけ続けることによって人工的に市場をリセッションに持ち込もうとしているというものである。トランプの政策は全てと言ってよいほどインフレ志向なので通常のやり方ではトランプが希望するドル安、金利安には持ち込めない。なら乱暴でも一旦景気後退させてしまおうというのだ。失業、消費の減退で物価は下がるという目論見である。

この見解にはそれなりに根拠がある。第一次トランプ政権でもそのような手法を取っているからだ。就任したらいきなり関税や規制を言い出して株価と金利は大きく下がった。前回はトランプ就任から株価は20%下げている。それからトランプは関税についてうるさく言うのを止めた。トランプの目論見通りの水準まで株価と金利が下がったからだろう。

米国の富裕層やバフェットがトランプ当選確定後に株を売りまくったのはこれを警戒してのことだったようだ。今のところ彼らの予測通りに事は進んでいる。

確かに物価が下がらない状態で金利を下げることは困難だ。FRBは物価が今のままなら逆に利上げしかねない。トランプはパウエル議長にもはや自発的な利下げを期待することなくリセッションさせることで金利を引き下げる状態を生み出そうというのだ。しかし、前回と全く異なることがある。米国は既に高インフレ状態だということだ。仮に目論見通り景気後退が発生したとしてもインフレが沈静化するとは限らないのだ。今のインフレはデマンド・プル・インフレと呼んでいいかどうか微妙な状態だ。むしろコスト・プッシュ・インフレの類ではないか?米国景気にトドメを刺すのは関税(輸入インフレ)なのだから。コスト・プッシュ・インフレはリセッションしたからと言って解決するとは限らない。ウォルマートは仕入先の中国企業に関税相当分の仕入れ値の割引を申し込むという厚かましい態度に出たようだが、当然のように拒否された。日本の下請けのように甘くないのだ。

これは非常に危険な遊戯で断崖絶壁スレスレで踊るようなものである。政治に口を出さないバフェットが珍しく遠回しにトランプを批判したのはこの政策が危険過ぎると感じているからだろう。

ただしトランプも無策ではない。当選前からネタニヤフ、プーチンと示し合わせていたのだろう。ガザとウクライナは何とか停戦に持ち込めそうだし、自国の石油開発、増産にまだ時間がかかるのでOPECを脅して石油を増産させた。これで将来的に物価を引き下げられる見込みが立つ。それから株価を横目に見ながら関税政策を細かく調整している*のも急激なリセッションを避けて緩やかなリセッションに誘導したいからだろう。急激にリセッションさせたいならもっと素早く高い関税を掛けていたはずだ。

*投資家にとってはこんな朝令暮改は迷惑千万なのだが・・・まあ、株価と金利とドルを一旦下落させたいトランプに言っても仕方のないことだが。

トランプがこんな危険な政策に前のめりになるのは中間選挙で敗北し任期後半がレームダック状態になるのを恐れているからだろう。偉大な大統領として栄光に包まれたまま退任するために中間選挙までに結果を出すつもりだからではないか。1年以内にリセッションに持ち込み、その後金利が下がったら一気に大相場、巨大な好景気に持ち込むつもりなのだ。イーロン・マスクが国家支出に大鉈を振るった結果可能になるであろう企業、富裕層への減税、国内への投資は切り札として未だ温存されている。今やっても待望のリセッションが遠ざかるだけだからだ。リセッション後に発表して回復にブーストを掛けるつもりなのであろう。

バフェットや米国富裕層の推測が当たっているかどうかわからないし、仮に当たっていたとしてトランプの思惑に反して長期のスタグフレーションに突入する可能性もあるわけである。ただしトランプの思惑通りになれば今現金や換金できる資産を持っている人は大きく儲けるチャンスということになる。日本は利上げを強要されるであろうから円高、米国株安という日本人米国株投資家にとって最高の展開になるはずだ。本当にトランプの思惑通りになったらではあるのだが。
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悲報 トランプ氏、消費税を関税と呼んでしまう(笑)

2025-02-17 11:23:44 | 日記・エッセイ・コラム
付加価値税(消費税)の仕組みをあまり良くわかってないアメリカ人にアピールするためだろうけどどう考えても違うでしょ(笑)。

確かに消費税還付はアンフェアなやり方だけど付加価値税を輸出企業に還付し実質輸出補助金にしてる国は日本以外にもたくさんある。最初に考案したのはフランスだったかな。確かに輸出国から見たら自分たちだけが消費税(付加価値税)を払う形にみえる。いや、この発想はなかったわ(一本取られた)。アメリカも似たようなことをしてなければの話だけど(苦笑)。当然してるのでこの点はお互い様。あからさまに還付金を輸出補助金にするやり方はアメリカは政府としてはやってないと言いたいのでしょうね。アメリカの売上税は州の管轄なので。州にも売上税を実質補助金として扱うという発想はないのかもしれない。付加価値税(消費税)は下請けの売上にも段階的にかかる。そして政府は下請けから徴収した税金を何故か払った下請けではなく輸出企業に還付する。この時点で辻褄が合わないことは理解できるであろうか?受益者がおかしいのだ。何故税金を払ってない最終輸出する大企業が下請けが払った消費税の還付を受けるのであろうw。買った時点で上乗せ分を払っているからという理屈であろうが日本企業の下請けイジメ体質を考えれば消費税分以上に価格をサービスさせている可能性が高い。

その点アメリカの売上税は最終的に消費者に売られた時にだけ税が掛かるので売上税方式だと輸出企業に還付するものがない。税は未だに取られていないのだから。売上税方式だと仕組み的に企業の輸出補助金にすることが出来ないのだ。だからアメリカへの輸出国が付加価値税を自国企業の輸出補助金代わりにしてるのは狡いとは言える。しかし、アメリカ政府としては輸入品から付加価値税は取ってないのでアメリカの輸出企業だけが関税(付加価値税)を食らってるというのは苦しい理屈建てではないですかね(笑)。アメリカに輸出する外国企業もしっかり合衆国の州の売上税を食らってるわけですから。売上税を取ってない州ってそんなにないはずですよ。

ここで一つの疑問が浮かばないだろうか。関税を武器に相手国の方針を変えさせるなんて時間の掛かることをせずともアメリカも付加価値税方式を採用して補助金を出しまくればいいではないか?何故しないか。そんなことは意味がないからだろう。トランプはよく理解しているのである。あなたはアメリカの工業製品を使ったことがあるか?年嵩の人はともかく若い人は殆どないはずである*。アメリカ企業のブランドだが他国で生産されたものならあるかもしれないが。税の方式を付加価値税に変えて補助金を出したとしても誰も買う人がいないほど競争力が低い工業製品しか作れていないのがアメリカの工業の現実である。高賃金かつモラルの低い労働者が作る製品なんて競争力があるわけがなかろう。以前は工業技術で他国を圧倒していたからモラルが低かろうが、賃金が高かろうがアメリカ企業は世界市場を制圧していた。しかし、それも今は昔、他国に技術で遅れを取り技術は低いのに賃金だけ高い状態になってしまっている。アメリカの産業の中心がローテクの工業ではなくなったのだから当たり前ではあるがトランプの支持層はそんな消えゆくローテク工業の労働者である。

*私の若い頃はシヴォレー・コルベットやカマロ、ポンティアック・ファイアーバードに乗って轟音を立ててる兄ちゃんがそこそこいた。見た目と排気量の割に中古であれば価格が安かったのだ。当時は似たような趣味の人が多かったらしく流通量もそこそこあった。上流階級はキャデラックのようなリムジンに乗る人も少なからずいた。しかし、ここ20年ほどで殆ど見かけなくなった。高い車に乗るとしたらベンツ、ポルシェ、フェラーリといった欧州車だ。たまにハーレーのようなアメリカンバイクに乗ってる爺さんを見かけるぐらい。私もバーボンを呑まなくなってからアメリカ製品をほぼ使っていない。家にP&GやJhonson & Jonsonの日用品があるかと思ったが、偶然にも殆どが花王製品だった(笑)。唯一発見できたのが日本P&GのJOY。コーヒーもネスカフェを飲まなくなって久しい。これらの品があったとしてもアメリカからの直輸入品ではなくライセンス生産品だしなぁ。強いて言えば使ってるのは薬品だろうけど薬品は普通の工業製品と言うより今ではハイテク製品に入るのではないか。

トランプはそんなことはよくわかっているのである。アメリカの低賃金労働者が努力なんてしないってことは。あのような国では努力した人はそれなりの地位を得ていく。実績を客観的に評価する方式が確立しているからだ。日本のようによほどの実力がない限りやり直しが効かず出世の基準が曖昧な社会ではないのだ。アメリカにおいてそれなりの地位を得ていないということは≒努力しない人ということだ。だからトランプは支持層である貧民の意識改革とか努力なんて全く期待していない。自国のローテク工業を変革しようなんて思っていないのだ。米国の工業が変わる努力をしないことはクリーブランドクリプスをみていればよく分かるであろう(日本にも日産とかいうそんな企業が)。だからこそ貧民が敵視する他国とその企業にできるだけ損をさせる、いわばババ(関税)を掴ませて貧民と企業の喝采を得ること、それだけを目指す。それがトランプ政権の本質であろう。勿論、軍資金を出してくれる富裕層への気配り(減税)は怠らない。

トランプが本気で米国の工業を復活させるとするならば上がりすぎている賃金の是正が不可欠だ。日本はそれを円の価値を人為的に切り下げること(円安)で強引におこなったがそんなことをされたらアメリカ人なら間違いなく暴動をおこすであろう。企業が直接賃金を引き下げることも出来ない。賃金をカットされたら労働者はさっさと辞めてしまうだろうから。それに加えて流動性も高いから労働者が逃げ出すのが難しい状態ではないのだ。詰んでるなぁ(笑)。トランプも出来るなんて思っていないだろう。だからこそ他国にババを引かせることに専念しているわけである。

*アメリカだと日本と違ってブルーカラーの同一労働同一賃金の問題もある。一企業が勝手に大幅賃下げできるのか?以前と違い産業別労働組合が弱体化している今のアメリカでどこまで同一労働同一賃金の思想が貫徹されているのかよくわからない。州によっては法律で決まっているようなのだが・・・。自動車産業ではクライスラー、フォード、GMのような大手が潰れたり潰れかけた時に崩壊したような、しなかったような?

日本も消費税が売上税方式に変わるのでしょうかねぇ。アメリカの意思はこれまで必ず貫徹されてきていますからトランプが譲らなければ消費税現行の付加価値税方式が売上税方式に変わる可能性はありますね。ただし、消費税の減税や廃止はないでしょうね。これからは所得税をあまり払わない人が日本人の大半を占めることが確実になります。そうなったら残る大きな集金の手段は消費税、物品税(贅沢税)の復活、金融資産課税、法人税ぐらいしかないと思うんですよ。物品税は嫌われまくって廃止されて行ったわけですし金融資産課税と法人税は間違いなく支配層の首を締めます。また企業と資産家が海外に逃げるぞという理屈建てで阻止されるでしょう。いや、未だに日本にいる所謂上級国民や企業は日本にいて税金や補助金を吸う方が楽だから残ってるんだと思うんですけどね。出て海外でやっていく力のある人や企業はとっくに出ていってますよ。そんな他人の稼ぎを吸うだけの人や企業が逃げ出して海外でやっていけますかね。それはともかく、金融資産課税、法人税の大幅引き上げは支配層が拒否する。そうなると残る手立ては消費税になるわけです。

国債発行で賄うとしても限度があります。一部MMT論者は国債発行が無限にできるなんて言っていないなんていいつつ、防衛費と社会福祉を国債発行で賄えなんて言ってますからね。若者と老人の利害対立なんて必要ないんだ!ってね。でも国債を無限に発行し続けないと増税なしに社会福祉を維持できないと思いますよ。結局国債暴落からのハイパーインフレが来てしまうのでそんなこと出来るわけがない。現状、日本の経済問題は勤労世代と老人世代のどちらに配分するかの問題です。分配先は自民党、立憲民主党は老人、国民民主党、維新の会は勤労世代ということになるのでしょう。老人への優先配分は既に限界点を超えているので戦争が起こらない限りこれまでの反動で自民党、立憲民主党が退場していくということになるのでしょうね。まもなく社会福祉を維持できなくなるので老人票も離れます。今の体制が居心地が良いので問題を先送りして変わろうとしなかったツケです。
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FIRE生活に合うペットはなにか

2025-02-17 08:48:58 | 日記・エッセイ・コラム
消極的FIRE生活を目指す人の大半は生涯独身生活になるのではないか(おお、決めつけ)

人や社会から遠ざかるためのFIRE生活は両親、兄弟とは疎遠になるだろうし近所付き合いも殆どなく友人も限られるだろうからその生活は孤独とならざるを得ない。私のように孤独に極端に強い性格の人間でもたまに誰かと話したくなるし、ふれあいを求めたくなることがあるのだ(大方後で後悔するけど)。

SNSでそれを埋めるという手もあるのだがSNSはSNSで虚飾の世界という面もあるのであって実社会同様に見栄を張ったり求められる役割を演じざるを得ないようなこともあるのである。ストレスフリーではないのだ。まして現代の若い層は負の感情の発露を極端に嫌う傾向があるから5chや爆サイのような場所以外では取り澄ました行動を取るしかない。岡田斗司夫がホワイト化と呼んでいる現象である。この現象により若者が極端に団塊の世代以前の人々(彼らは良くも悪くも感情の発露をさほど悪いことと思っていない。これが行き過ぎるとパワハラ、モラハラ、セクハラということになる)を嫌っている。というより団塊の世代以前の世代が嫌いだからこそ若年世代がホワイト化しているのではないかと思ってる。団塊の世代以前のやり方をそのまま引き継いでしまっている辻元清美氏や蓮舫氏、福島瑞穂氏はそうした社会の流れを捉えきれていない政治家ということになる。それはそうとそうなるとSNSで出来ることは家、財産、友人、旅行、趣味の紹介(結局は自慢話)のようなものになってくるわけである。自慢話は自慢話で嫌われるものだが他にやりようがない(意見表明や批判のようなものは嫌われるに決まっているので)ので仕方がないのだ。SNSで逆にフラストレーションが溜まっている人も多いのではないだろうか。

そういう心の隙間を埋めてくれるのがペットである。もちろん、動物が好きであるという大前提があるが。特に好きでない人が動物を飼っても行き着く先は不適正飼育(動物虐待)であろう。動物は人間ほど複雑な思考はできないので好意には素直に好意で応えてくれることが多い。これが孤独を癒やしてくれるのだ。人間はならそうは行かない。もちろん、動物に全く信用してもらえずマッチングしないこともないわけではないが。

そこで私が消極的FIRE生活に一番向いていると思っているのが猫である。犬はどうしても人間が支配するという面を払拭できない。家族と言っても主従関係になってしまう。消極的FIREを目指すような人がそういう関係性を望むであろうか?そういう関係性が嫌いで社会から脱出したのに家で自分が犬の支配者になることに矛盾を感じるのではないか。その点猫は社会生活を営まない動物故に独立性が高く人間に完全に従属する生き物ではない。しかし、好意には好意で素直に応えてくれる。犬と比較すれば世話も少なくて済み、我々が一番避けたい他人と接触する機会も減らせる。散歩が必要ないからだ。

それでいて猫の思考は人間にかなり近いのだ。すぐに易きに流れ、ダラダラする。勤勉さのかけらもない。ただし、思考と行動の瞬発力は高く、短時間かつ高密度で遊び、食事、人間との交流を果たしそれ以外の時間は寝そべって暇を満喫している。消極的FIREを目指す人達は彼らのように思うがままに生きてみたいと思うのではないだろうか。そうなるのも当然で目の位置や脳の構造が霊長類に一番近いのが食肉目、特に猫族らしいのだ。

爬虫類、鼠、狸、狐、鼬、魚類といった生き物でも満足感は得られるだろうが家族の一員というのはちょっと無理があるように思える。ある程度馴れてくれるものの猫と違って思考が人間的ではないからだ。

問題はコストである。犬と比べるとかなり費用は安く出来るものの、ギリギリFIRE生活が成り立っているレベル、特に借家住まいの人であれば猫を飼うのはかなり困難であろう。猫に掛かるコストは月に1万円以内という人が多いらしいが個人的にはその費用本当ですか?と思っている。資産があればペット保険に入る必要はないと思うがペット保険に入らなくてもそこそこ良いフードを与えるだけで月に1万を大きく超えてしまうというのが正直な感想だ。他にグッズ、おやつ、ペットシーツ、除虫剤と言った消耗品のコストも掛かる。私の場合は多頭飼育になってしまっているので一頭あたりのコストはかなり下がっているものの結局ニャンゲル係数wはかなり高くついてしまっている。猫が通院した月は10万を大きく超えている場合もある。

動物好きであれば猫の飼育は幸福感を大きく引き上げてくれる。ただし、コストは決して低くないので飼うなら予算と覚悟が必要である。
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FIREについて

2025-02-09 18:21:23 | 日記・エッセイ・コラム
これまでFIREについて何も書いてこなかった。理由は単純で私は厳密にはFIRE実践者ではないからである。どちらかと言えば無職だが投資で金は稼いでいる状態だ。昔風に言えば高等ではないが遊民である。小人閑居して不善をなすという言葉が私ほど似合う人物はなかなかいないであろう。

それでもFIRE生活に極めて近い生活を送っておりFIREについて思うところもあるので書いてみようと思う。

積極的FIREと消極的FIRE

フルFIREだのコーストFIREだのサイドFIREだのFIREの分類については様々言われているところだ。だが、この手の分類は本質的な部分が見えていないと思っている。より本質的な分類として私は積極的FIREと消極的FIREという分類を考えているのである。

私が考える積極的FIREは世間一般に言われているFIREに近いものと考えてもらいたい。その眼目は経済的自由である。他者からの支配を免れるために離職するがそれはその人がより自由に活動するためである。この積極的FIREを目指す人々は元々普通の人たちよりアクティブな人たちである。アクティブだからこそFIREできるだけの資金を貯められるほど収入が高く仕事がうまく行っているにも関わらず自由を求めて離職するのである。積極的な性格でなければ上手く行っている仕事を辞めたりはしないだろう。FIRE達成前には積極的に副業を行い退職したとしてもすぐさま起業、長時間のアルバイトといった労働を始めるのを当たり前と思っている。大前提と言ってもよいだろう。言わば働きたいけど他人から強い制約を受けるのが嫌という人たちなのである。

一方、私が考える消極的FIREというのは端的に言って労働からの逃走である。労働から逃走する理由は一様ではない。仕事がうまく行っていない、精神的に参ってしまった、病気になった等。最近ではHSPなんて概念もあって仕事を辞めたくなりやすい性格みたいなものも分析されている。引きこもり、不登校といった問題もこのHSP、発達障害のような近年出てきたような性格分析である程度説明可能になっている。問題はこれらは先天的なものであって、治療や努力で容易に克服できるものではないということだ。病であれば治療の方法がある程度確立されているが先天的なものは簡単に変えようがないわけだ。こうした人達が起業や副業、長時間のアルバイトをしようと思わないのは言うまでもないであろう。更にこうした人は両親の期待になかなか応えられないため両親との関係も良くなく大半がアダルト・チルドレンでもあるはずだ。アダルト・チルドレンは後天的な問題ではあるが、理由が先天的な気質、障害であればこれまた改善が難しい。

You-TubeでFIREを語る人の大半が積極的FIREを語っていることはいうまでもないであろう。You-Tubeで大成功を収めるような人の多くは積極的で人付き合いにも長けた人ばかりであろう。なので消極的FIREを目指している人がいることは気づいていても語る内容は積極的FIRE一辺倒になってしまう。

それはそれで仕方がない。HSPや発達障害といった人の問題は積極的FIREを目指し実現した人には想像できない、体感できないものだからである。問題はFIRE志願者のうちどの程度が積極的FIREを目指しているのか消極的FIREを目指しているのか、その割合である。私は実はFIRE志願者は後者の方が数が多いのではないかと思っているのである。

HSPの人は全人口中の20~25%もいると言われている。神経過敏なあまりに大人しすぎる反応を示す人たちなのであるが、いじめを受けた、不登校になった、出社拒否、退社、離婚した、最悪の場合自殺した人たちの数を足したら見事に近い数字になるのではないか。勿論、耐えて耐えて普通の人を装って生き抜く人もいるであろう。そのように社会をドロップ・アウトせずに生き延びた人であっても早く離職したい、楽になりたい、解放されたいと思う気持ちは抑えがたいのではないか。そういう人がFIREを目指して労働からの脱出を図っているのが実情なのではないだろうか。

FIRE指南の大半が的外れになる

そうであれば消極的FIREを目指す人々にとって現在You-Tubeや書籍などでFIREを指南、指導している人の大半の人のメソッドは的外れということになるのではないだろうか。彼らが実に簡単にサイドFIRE、コーストFIRE、副業を推奨してくるのは彼らにとっては労働がそれほど苦痛ではないからだろう。より楽しい、より楽しく楽に儲かる労働を求めているわけである。FIREしてみたものの退屈過ぎる、刺激がなさすぎる生活に耐えられずFIRE卒業するといった例も実際のところ労働が特に嫌いではない人がブームに乗ってFIREしてしまったからに他ならないと思う。

誰だって少なからず働きたくないと思ってしまうことはあるだろう。職場とのミスマッチだってあるだろうし。しかし、消極的FIREを目指す人はそういうレベルではないのだ。FIREできなければ無職、ニートになってでも仕事を辞めたいレベルのストレスを抱えているのである。そういう人に副業をやれ、職についていたときより働け、積極的に活動しろ、人生を好転させるために考える前にまず動け、なんて指導されても的はずれであるとしか言いようがないのである。HSPの人は動く前に考えずにいられない人たちだからである。しかも、簡単に刺激が脳の許容量を超えてしまうため思考がオーバーフローしてしまう。職場では実に使いづらい人材になっている可能性が高い。そうなればHSPの人は自分はこの職場にいないほうが良いと判断してしまうのではないか。

消極的FIREを如何にして実現するか

積極的FIREを指南する人たちからもある程度FIREのメソッドを学ぶことが出来る。特に投資や会計、節約の技術はどんなFIRE形態を目指していようと必要になってくるであろう。だが、その先、消極的FIREを達成した人が如何にFIRE生活を維持、管理していくかについては明確な答えがない。消極的FIREを実現している人は少なからずいると思われるが、積極的に情報発信をする人たちではないからだ。

私もHSPである。このブログが数ヶ月に1回ぐらいの頻度で一気に更新されるのはHSPの特質で定期的に思考が暴走するからである。内容が脇道にそれて支離滅裂になりやすいのも他に刺激を受けたらその方向性に文章が引っ張られて本筋に戻ってこられないというHSPの気質にほかならない。消極的FIRE生活を如何に実践していくか?これから自分の体験を通じて模索していきたいと思う。
コメント (2)
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DeepSeekショック(笑)

2025-01-29 18:10:31 | 日記・エッセイ・コラム
予想通りフェイクに近い話だった。

技術の不正入手か、nVIDIAの最新GPUを第三国経由で入手していて設備費用が10分の1以下は虚偽だろうと思っていたが案の定であった。

情報の蓄積のために巨大なデータセンターが必要なのである。他からデータを盗めば巨大なデータセンターはいりませんわな(笑)。天才がこの会社に在籍しているのは事実らしいがその技術はデータを盗むことに使われていたわけだ。盗んだデータでヌケヌケとOpenAIと互角の精度と宣伝していたらしい。

中国の基礎技術力は年々上がっているものの会社設立後僅か数年でこんな夢のようなシステムを構築できるわけがなく、中国の国威高揚のためのプロパガンダであったと見るべきだろう。ガンダムIGLOOのヅダ、ドイツのMe209の類ですね。

ただし、中国の科学技術力は上がっているので近い将来に米国のIT産業を本当に脅かす存在になってもおかしくはない。近未来に本当にそのような技術が中国で開発されてもおかしくないのだ。仮にそのようなシステムが実現出来たとしても中国が他国の情報を盗むのに使われるのはほぼ確定である。中国を敵視しているトランプは当然のように米国民、企業、欧州の同盟国、日本のような隷属国にそのようなシステムの利用を禁止、制限するであろうから使用するのは中国、ロシア、インド、グローバルサウスの国々に限定され欧米、日本への影響は限定的ということになるのではないだろうか。

そのようなフェイクに近いニュースであってもアメリカの株が上がりすぎていて売る理由を探していた機関投資家にとってはいい機会だったに違いない。一旦調整しなければもっと酷い状態になった可能性もあり得るのでガス抜きとして良かったのではないか。今度はアリババが似たようなシステムを構築したと宣伝しているが騙されないぞ(笑)。全世界の情報を吸収するデータセンターと情報の蓄積に掛かる時間なしであのようなシステムが作れるとは思えない。今の時点で技術が劣る中国の企業が米国企業と同じ精度を実現するためには米国企業より更に巨大なデータセンターを作るという力技が必要になるはずだ。
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