タラちゃん優勝おめでとう。
前回のトゥルソワ先輩ほど優勝を予想していたわけではないが、前年度JGPシリーズ1位通過の大物選手、(グバノワ)たん様がミスを重ねたためか、あっさり優勝してしまった。
ダブル・アナスタシアの表彰台にはならなかった。
ウンス、真瑚は昨年も表彰台に乗っている選手で安定感があり、JGPF、世界ジュニア選手権では強力なライバルとなるかもしれない。
アナスタシア・タラカノワはジュニア1年目。誰よりも色白で、誇り高きタタールの子。いつも自信に満ちた表情をしている。
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
左からイム・ウンス(160cm)、アナスタシア・タラカノワ(152cm)、山下真瑚(151cm)
大会結果と動画
順位 | 名前 | 区分 | 所属 | 得点 | SP | FS | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | アナスタシア・タラカノワ | J1 | ロシア | 196.68 | 1 | 1 | 「暴れ馬」と命名 |
2 | イム・ウンス | J2 | 韓国 | 186.34 | 2 | 2 | '17韓国ナショナルチャンピオン |
3 | 山下真瑚 | J2 | 日本 | 181.04 | 3 | 3 | スケート王国名古屋は健在 |
4 | アナスタシア・グバノワ | J2 | ロシア | 160.75 | 6 | 4 | 美少女に成長、苦悩する表情 |
5 | スター・アンドリュース | J4 | 米国 | 159.28 | 4 | 5 | 3Aに挑戦、黒人選手 |
6 | 岩野桃亜 | J1 | 日本 | 147.99 | 7 | 6 | FS衣装はリプニツカヤと同じ |
タラカノワはJGP豪州大会のトゥルソワの197.69点に次ぐ得点196.68点だ。今大会はフリーでステップがレベル4と認定された選手が4人いた。(タラカノワ、ウンス、グバノワ、アンドリュース)
大会結果の詳細
フリー番長
JGP第2戦が終わった段階であるが、フリー番長が誰であるかチェックしてみた。(背景が水色の選手は昨シーズンの結果) 今季のPCSトップはタラカノワだが、今季のフリー番長は今のところトゥルソワ先輩だ。タラカノワも130点を超え負けていない。どちらの選手も昨季のザギトワのようにPCS(とGOE)が上昇していけば記録を更新する可能性がある。
名前 | 出場試合 | FS 得点 | BV | TES | PCS | (*) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
トゥルソワ | JGP豪州 | 132.12 | 68.73 | 75.62 | 56.50 | 6 | Lz*2, F*2, StSq4, Sp4*3 |
タラカノワ | JGPオーストリア | 130.00 | 61.85 | 70.55 | 59.45 | 6 | Lz*2, F*2, StSq4, Sp4*3 |
イム・ウンス | JGPオーストリア | 121.55 | 56.72 | 64.32 | 57.23 | 4 | Lz*2, F*1, StSq4, Sp4*1 |
山下真瑚 | JGPオーストリア | 116.55 | 55.25 | 59.44 | 58.11 | 4 | Lz*2, F*1, StSq3, Sp4*3 |
グバノワ | JGPオーストリア | 106.76 | 49.48 | 52.99 | 55.77 | 6 | Lz*2, F*1, StSq4, Sp4*2 |
グバノワ | '16JGPF | 133.77 | 60.22 | 71.27 | 62.50 | 5 | Lz*2, F*1, StSq3, Sp4*3 |
アンドリュース | JGPオーストリア | 99.35 | 48.64 | 47.12 | 52.23 | 5 | Lz*1, F*2, StSq4, Sp4*2 |
コストルナヤ | モスクワオープン | 121.36 | 60.79 | 69.09 | 52.27 | 7 | Lz*1, F*2, StSq3, Sp4*2 |
ワシリエワ | モスクワオープン | 114.95 | 58.47 | 65.87 | 49.08 | 5 | Lz*2, F*2, StSq2, Sp4*3 |
パネンコワ | '17ソフィア杯 | 128.04 | 62.18 | 70.57 | 57.47 | 7 | Lz*2, F*2, StSq3, Sp4*2 |
ザギトワ | '16JGPフランス | 126.30 | 61.98 | 68.88 | 57.42 | 7 | Lz*2, F*2, StSq3, Sp4*3 |
ザギトワ | '17世界ジュニア | 138.02 | 64.01 | 75.81 | 62.21 | 7 | Lz*2, F*2, StSq4, Sp4*3 |
(*)後半に跳んだジャンプの数
タラカノワ
ショートプログラム
3F+3T FSSp StSq / 3Lz(r) 2A(t) LSp CCoSp
タノではないが冒頭の3F+3Tは良く飛べていたと思う。しかし安心して見ていられる得意な3Lzに比べ加点は半分程度。シャーロットスパイラルから2Aタノジャンプ、イーグルが素晴らしい!
PCSはタラカノワ、ウンス、真瑚が27点台。勢いと流れ、疾走感のある演技。
3Lz(r)+3T CCoSp StSq / 3Lz(r)+1Lo+3S 3F+2T(t) 3Lo 3F 2A 2A FCCoSp LSp
サラバンドの音楽がイイ。元気が良いというよりWild Horseのような演技。エテリ色に染まりつつあれどタラちゃんらしさも消えていない。見せ場は前半の躍動感のあるステップか。前半は音楽に合わせてもう少ししっとりとした演技がよいか。
高くて勢いのある3Lz(リッポン)ジャンプも加点1.4がついている。3Fジャンプはやはり少し苦手か、それでも後半に2本跳んでいる!松岡あかりさんほどではないがトゥルソワ先輩より好きなスピンだ。
背筋姿勢が、フリーレッグが…と所作の細かい点まで言えばきりがないと思うが、ジュニア1年目のデビュー戦でこれだけできれば大したもの。他の選手も彼女と同じ基礎点になる構成(3Lzリッポンを2回と3Fを2回ミスなく跳ぶ、後半6ジャンプ、スピンは全てレベル4、ステップもレベル4)の演技をしてほしい。
青き衣を纏いて銀盤に降り立つべし
あんちくしょうには負けへんで!(私の衣装の減点審査は何だったのかしら?)
高得点に驚くタラちゃん (Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
表彰式
今回も布の国旗を掲揚した。昨季は何度かスクリーンに国旗を映す「デジタル国旗掲揚式」だったが、やはり布のほうが厳かでよい。(メダルも金属製の重そうなもののほうが見栄えがする。)
ロシア国歌のメロディーもイイね。ソ連時代の国歌を歌詞を変更して使い続けている。
タラカノワのテレビ出演
2014年3月30日のテレビ「ミスターサンデー」で、タラちゃんがコメントを話していた!
取材班がスノーレパードを訪れ、タラカノワ、コスチュク、ソツコワ、パノワコーチなどが写っている。
→ツイッター 、個人様ブログ
タラカノワのインスタグラム
今年の5月まで限定公開だったタラカノワのインスタグラム。他の選手はフォロー申請をするとすぐ許可してくれたが、この選手は2回拒否し、3回目でOKしてくれた。
フォローして以降も、コメントを書いても無視され続け、自分の好きな時に好きなだけ写真を投稿するタラちゃん。最近ようやく「ありがとう」と短い返事をくれるようになった。かわいいぜ、タラちゃん!
エテリ組の女王様と召使いたち
(グバノワ)たん様と桃亜
インスタグラムを見ると成長期を迎えたように見え、少し気になっていた(グバノワ)たん様。しかし直近のサンクトペテルブルク杯で212.59点を叩き出し、調子が良いものと思っていた。ザギトワさんやトゥルソワ先輩は3Lz+3Loなどの高難度ジャンプを跳ぶときだけハラハラしながら見ているが、たん様はすべてのジャンプをハラハラしながら見ている。
フリー冒頭の3Lz+3Tは素晴らしく、巻き返せるかと思ったが、及ばなかった。ジャンプが不調でもステップやスケーティングスキルは素晴らしいが、昨年のJGPファイナルのような完成度の高い演技をまた見たい。たん様の笑顔も。
ブースカに似たお子様から美少女に成長したたん様
岩野桃亜さんは、青木祐奈さんや浅田真央さんのようにセカンド3Tが苦手?でセカンド3Loを跳んでいた選手。今回はセカンド3Tを頑張って跳んでいた。評判通りテッドバートンが絶賛するほどの滑りと表現だが、セカンド3Tだけでなく回転不足は直っていない。3Feもか。桃亜さんが表彰台に乗るだろうと予想していたが、少し及ばず。
スター・アンドリュース(ジュニア4年目、カリフォルニア)
世界ジュニア選手権では某テレビに放送をカットされてしまったアンドリュース。今回はしっかりとライストを見た。冒頭で3Aに挑戦。ダウングレードではあるがあともう少しという感じ。その他のジャンプも回転不足があったが、後半の3S+3T+2Tは意欲的なジャンプだった。身体能力の高さを感じる演技で、ステップもレベル4だった。ボーカル入りの曲はあまり好きではないがホイットニー・ヒューストンの「One Moment in Time」はとてもよい。ロンドン五輪、リオ五輪で勝った器械体操のように黒人選手がフィギュアスケートの優勝者になる日も近いかもしれない。
女子選手はジュニアからシニアにかけてに訪れる"成長期"のジャンプに及ぼす影響が大きく、タラカノワやトゥルソワも来年どうなるかは分からないが、メドベージェワやパネンコワを見る限り、エテリ組は対処方法を確立しつつあるのかもしれない。
ツイッターの知り合いというのかFFさんに影響を受け、演技を見ながらエレメンツを書き出す作業が少し面白い。間違った所はこっそり直しておこう。演技とリプレイのわずかな時間で書き出すのはとても大変だが、今まで以上に演技を集中して見ている感じだ。