WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

『森のリトルギャング』パーティー!

2006年05月31日 | 現地レポート

未公開ネタ第1弾は…『森のリトルギャング』パーティー!
楽しいパーティー取材!のはずが...

本来なら私達はパーティーの中へ入りアライバル取材となるはずで、意気揚々と出かけて行ったのですが…なんと「パスがないと入れない」と入口で断られてしまった!そんな中、入口のゲートの向こうに以前から仲良しのドリームワークスの知り合いを見つけたので、このイベントを取り仕切る担当者と交渉してもらったのに、「もうスペースがない」と軽く一蹴。実はこういうパーティー取材が一番辛いのです。インタビュー取材も詳細がころころ変わるけど、パーティー取材は本当に変更が多くて大変。と、アライバル取材の交渉をしていたら、見覚えのあるダンディな日本人男性が入口から入っていったではありませんか…役所さんだってば!! 思いっきりスルーしてしまいました。もう、泣きっ面に蜂。慌ててカメラ用意して、その後に到着したブルース・ウィリスとアヴリル・ラヴィーンは何とか撮影成功


レッドカーペットの時と同じドレスで登場のアヴリル


上機嫌でファンにサインしまくるブルース・ウィリス


ホントに機嫌が良さそうだ!

でも、この場所って外だから、一般観光客も撮影できる場所なんだよねぇ。

役所さんとBoAちゃんを撮り逃したショックは大きく、こうなったらパーティー会場から出てくるまで粘ってやる! というわけで、延々と待機。中に入る交渉も続けてはいるけれど…。あ、やっと出てきてくれたーと思ったら、森のリトルギャングたち........

前がハーミー君で後ろにいるのがRJ。なぜかイケメンにエスコートされています。


ヴァーンがカメラの目の前にやって来た!

可愛いけど、なんか悔しい。カメラに向って「ハーイ」とか言ってくれてるけど、なんか負けた気がする。ええい、もういいからアッチ行け!

やっと役所さんとBoAちゃんがパーティー会場から出てきたところを激写

役所さん、カッコいいっす!


アジアの歌姫から世界の歌姫へ、日本版吹き替え役のBoAちゃん発見!

さらにアヴリル・ラヴィーン

来た来た!パーティーから出てきたアヴリルだ


みんなしつこくカメラで撮るもんだからエージェントに止められちゃった!

そしてブルース・ウィリス再び登場…??

ブルース? ブルース? ブルース!? ブルース!? ブルース!?

同じヘアスタイルの影武者がガードしてるので、後姿では判別できません

あっ! ブルース見つけました!

はぁ、今夜は辛い出来事だったわ、と悲しそうな私の顔を見たらしく、ドリームワークスの友人が呼んでいるとのことなので行ってみると、「ゲストとして入れるから。ほんとゴメンね」と。パーティー会場に入ってみると私の隣で、この映画の声優の一人、ニック・ノルティが真剣な表情でビュッフェに並んでいて、渋くてかっこよかったー。最後の最後で和ませてくれました。

以上、『森のリトルギャング』パーティー、夜の出来事でした。皆が皆、あまりに忙しいせいで、普段だとあり得ないミスとか発生してしまうのがカンヌの怖いところ。カンヌには魔物がいるから気を付けてねー!


カンヌ映画祭、ウィナー達の喜びのコメント

2006年05月30日 | 現地レポート

記者会見場に順番に入ってくるカンヌ映画祭のウィナー達。興奮が止まない状態で行われた記者会見の模様をご紹介しましょう。皆、席につくなり煙草を一服する姿が目立ちホッとした様子でした。各自5分弱の短い会見でした。
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◎最優秀監督賞 『バベル』アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督賞をとったら、という気持ちの準備をしないようにしていたから、舞台で何を言っていいかわからず、焦ったよ。ちゃんと立派な事を言えなかったような気がする!

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督

Q:この賞はメキシコにとってどんな意味があるでしょう?
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督勿論、国籍を超えて、一個人としても最高の報いだよ。僕が初めてカンヌに招待されたのは6年前。そして、今回初めてメキシコ映画がコンペに2作品も入った。それはとっても大事な意味を持っている。これからもラテンアメリカの物語が国際的にも評価を受け入れられ、興味を持ってもらえれば嬉しい。

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◎審査員特別賞 『Red Road』
アンドレア・アーノルド監督先週公式上映で感動したばかり。5時間前にはロンドンにいた私よ。本当に感動的なことだよ。

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◎最優秀女優賞、脚本賞 『ヴォルヴェール』
ペドロ監督が女優達皆の名前を紹介し、最後に自己紹介『You can call me Pedro』と上機嫌。

上機嫌なペドロ監督とペネロペ・クルス

Q:今回の受賞で一番大事な事は何?
ペドロ・アルモドバル監督:まるで、大きくなった気分だよ。監督というより、彼女達の親になった気分で喜んでいる。本当にすべて彼女達のおかげ。脚本も一人一人の女優が書き込んで作ったようなものなんだ。

Q:作品を観て、多くの人がペネロペが女優賞をとると噂していたけど、あなたの今の気持ちは?
ペネロペ・クルス勿論噂は知っていました。でも、あまり気にしすぎないように心がけたけど、正直やっぱり私も弱いひとりの人間だから期待はしてしまったわ。でも、こうして団体で賞を頂けて、スペイン女優として誇りに思える事をとっても嬉しく思っています。でも、トロフィーは誰が貰うのかしら??

主演はペネロペ・クルス

ペドロ・アルモドバル監督彼女達は私生活では一緒に住んでないからね!とにかく、こうして世界各国の人々がこの映画を観てくれるようになることが嬉しいよ。スペインには沢山素晴らしい女優がいるんだって事を世界に認めてもらえる、スペイン女優全員の賞です。

Q:ペドロに沢山助けてもらっていると?
ペネロペ・クルス初めてペドロの映画を観た時から、心の底から好きな監督でした。そのペドロとこうして10年前からの付き合いが始まり、私の人生の中にペドロが存在することを本当に幸せに思っています。

受賞した女優陣とペドロ監督

Q:今回の映画祭の期間中、皆がずっと『ヴォルベール』がパルムだと噂してたけど、今の気持ちは?ストレスは?
ペドロ・アルモドバル監督公式上映されて以来、速報誌の『le film francais』や『Screen』を毎日チェックしてたら、ずっとパルム候補一位だった。嬉しかったけど、でもこれらの速報誌で一位の座にいると、malediction(不運)を呼び、パルム・ドールは手に入らないジンクスがあるんで心配だったよ!でも、パルム・ドールじゃないにしても、充分大きな賞を頂けて悔いはない。感謝一杯。ひとつだけこの場を借りて言いたいが、映画祭主催者にギリギリまで連絡をくれないのは止めてくれって言いたいよ!カンヌに夕方入るには時間が必要だし、皆ハラハラして連絡を待っていた。ギリギリの朝11時30分に連絡がきて、すっ飛んできたんだ。本当、もう少しで閉会式に皆が揃えないところだったよ!そのストレスが顔に出ていただろう?

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◎グランプリ(審査員特別賞)『FLANDRES』
Q:パルム・ドールを貰いたかった?
ブリュノ・デュモン監督いやいや、もう賞をとれるとは思ってなかったから、子供のように喜んでいるよ

ブリュノ・デュモン監督

Q:自分の作品がウォン・カーウァイやティム・ロスに認められると思った?
ブリュノ・デュモン監督カンヌ映画祭の選択も、ウォン・カーウァイやティム・ロスも既成の産業映画や娯楽映画を推奨する人たちじゃないからね。とにかく観る人一人一人の心を掴む作品にしたかった。ケン・ローチは尊敬する巨匠。彼がパルムで本当に嬉しい。独自のスタイルで作品を作るのはある意味大きなリスクを背負っているので、こうして賞を頂けると本当に勇気つけられるよ。

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◎最優秀男優賞 『Days of Glory (原題)』

やったぜ男優陣!記念撮影を、っとアレ、ジャメルの姿が...

Q:(英語にて)なぜ表彰式であの歌を合唱したの?大事な歌なのですか?

司会者がジャメルにフランス語に訳すと、ジャメルなんで訳すんだよ、僕が英語がわからないとでも思ってるのかい??じゃあ、英語で答えるよ、『I,I,I, you know,an....how say... I just to say you Thank you!』 (場内爆笑)今回賞を貰えるなんて思ってなかったから、あまりにも興奮しすぎて、真面目になんて答えられないので、宜しく!

はい、こちらジャメルです。会見終わっているのに興奮してしゃべりまくってます。

ロシディ僕は英語ができるから、その質問に答えるよ!どの国でもそうだけど、戦争には必ず歌があるでしょう、戦場にいる兵士にとってはとっても深い思いが込められるものだと思う。だから僕らも今は死んでしまった北アフリカ出身の兵士たちを憶い、喜びの席で歌ったんだ

Q:映画によって亡くなった兵士を蘇らせることが出来ると思う?
ラシッド・ブシャール監督蘇らせるのではなく、この過去を多くの人に共有してもらいたい。フランスの歴史のひとつとして。帝国主義、植民地について事実を伝える事は大事な事。

Q:モロッコのジャーナリストですが、モロッコ人のジャメルに質問。こうした賞を受けて役者として...(質問が永遠と続く)
ジャメル君は本当に典型的なモロッコ人だなあ、質問に2時間かかってるぞ!
司会者時間が少ないので、質問は何ですか?Q:原住民をうまく演じられたと思う?(作品のフランス語タイトルである『Indigenes』は植民地時代にフランス人が現地の北アフリカ人をこう呼んでいた。)
ジャメル答えは短くするよ。『原住民』と呼ばれていた祖先の全ての真実を伝た、というような自惚れは一切ない。僕らはこれらの歴史のほんのメモ用紙の一部を演じたようなものだ。それに、このテーマは僕らが初めて映画にしたのではなく、52年頃に既に映画化されている。大事な事は語り続けることだと思ってる。(ちなみにジャメルはこの作品のプロデューサーでもある。)

ベルナール(陸軍伍長役)公式上映の際に、僕の横に実際にこの戦争へ行った元兵士が座っていた。作品を観ながら、歌のシーンでは一緒に口ずさみ、ずっとコーランを唱えていたよ。唯一、現実と違うと指摘されたのは、山の中の雪景色のシーンで、『雪はもっと降っていたぞ』と言われた。

ジャメル生き延びた兵士たちと合う機会があって、話を聞いているとき、『可哀相な』と同情を含んだ呼び方をしたら、彼等は胸をはって、僕らは被害者じゃない、同情される意義はない、と言われました。被害者でもなく、英雄でもない歴史的人物達なんだ、という事を理解したよ。
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◎パルム・ドール(最高賞)『麦の穂を揺らす風(仮題)』
ケン・ローチ監督カンヌに来るのはこれで13回目。この数字が幸運を呼んだのかな。まさかパルム・ドールを貰えるとは思っていなかった。この作品は10年前からやりたいと思っていた内容。このようにして今日認められたってことを本当に嬉しく思おうよ。

パルム・ドールを手にするケン・ローチ監督

Q:今年のカンヌは戦闘的、過去の過ちを振り返る作品が多かったけど。
ケン・ローチ監督僕らは素晴らしい時代に生きていると思う。映画が世界政治に目を向ける手段として認められるというのは、4、5年前では考えられない事だと思うよ。映画が娯楽という小さな枠を出て、我々の生活の大事な部分に入れるようになったんだ。

Q:これはイギリス映画?それともアイルランド映画?
ケン・ローチ監督共同製作はしているが、スタッフもキャストも全てアイルランド人なので、アイルランド映画と言った方が正しい。でも、もっといいのは、世界映画と言うべき。映画は国籍に限度されるべきでないと思います。

記者にサインをするケン・ローチ監督

Q:審査員全員がこの作品をパルムドールに選んだ、と言いますが、本当だと思う?真相を調べた?
ケン・ローチ監督今さっき知ったばかりで、まだ裏調べをする余裕がないよ!

Q:出演俳優達とは話したの?
ケン・ローチ監督これから電話するところです。また、ケン・ローチ監督の「過去の真実を語ることは現在の真実を語ることでもある」というスピーチに私は思わずグッときてしまいました。ケン・ローチ監督、パルム・ドールおめでとうございます!


カンヌ受賞結果発表後に行われた会見の模様

2006年05月29日 | 現地レポート

受賞結果発表後に行われた審査員の記者会見の模様をどうぞ!

受賞結果の発表後に行われた審査員たちの記者会見
ウォン・カーウァイ審査員長:本当にいい時間を過ごせたよ。こんなに熱心に仕事をしたの初めてなんじゃないかな!(笑)朝の8h30から試写してたんだからね!モニカの涙や、ヘレナの笑い声が今既に懐かしい思い出だよ。

Q:皆の意見が一致したとのことについて。
ウォン・カーウァイ:作品が心に響くってことはそういう事だよ。観点は違っても心へ届けば一緒。ね、ヘレナそうだよね?

ヘレナ・ボナム・カーター:え、そうね、ええ、ごめんなさい、私本当に今回疲れ果ててしまったわ。1日に2本の映画を観る、しかも、今回のコンペ作品はとても重みのある作品ばかりで、あまりにものエモーションに消耗してしまったわ。ケン・ローチの作品は開催初日の作品だったので、とても強いインパクトがあったし、深い部分で残ってしまったの。今回のセレクションには5作品戦争の映画があるけれど、ケン・ローチによってアイルランドの歴史を学べたこと、真の兄弟同士でも殺し合うという、今までには理解の出来なかった事を理解させてもらえたことは印象的。

「疲れたわー」とヘレナ・ボナム・カーター

パトリス・ルコント:今回の審査員の中で一番疲れてないのが僕なんじゃないかな。ケン・ローチについては、この作品を観て感じたエモーションはとても大きかった。それから毎日試写をする度に審査員仲間と話し合ったが、最後までこの作品は心に響き続けていたんだ。素晴らしいコンペ作品が多く、それに対し与える事のできる賞が少なすぎる。特にこの場を借りていいたいのは、アキ・カウルスマキの『LAITAKAUPUNGIN VALOT』は素晴らしかった。賞を出せなくて本当に残念。

「いや、オレが一番疲れたんだ」とパトルス・ルコント

ティム・ロス:ぼくはソフィア・コッポラの『マリーアントワネット』、ポルトガル人監督のペドロ・コスタの『JUVENTUDE EM MARCHA』、中国人監督ルー・イェの『サマーパラス』に賞が与えられない事が残念。でも、ケン・ローチの作品では、普段映画を見て涙するときは目を瞑って秘かに泣くのに、のどから声が溢れ出ておいおいと泣いてしまったんだ!

パルム・ドール作品には声を出して泣いたと告白したティム・ロス

Q:最優秀女優、男優賞の両方にグループ賞を与えたのはなぜ?
ウォン・カーウァイ今年の作品の役者は皆素晴らしかったのが理由だ。『ヴォルヴェール』とは『戻る』事を意味しますが、昔の作品の中の女優達に戻るという意味合いも持てるのでは。そうなった場合、この評価は一人の女優でなく、集団に対する賞であったほうが正当だと思われた。一つの作品を作るとき、我々は『家族』になるんだ。そして、『Days of Glory (原題)』に関しては、この作品の中での戦いは一人の戦いではなく、集団の戦い、そして最後の4人の戦いです。それは不正や人種差別に対してなどとの戦いです。一人の役者の賞にはなり得ない。今回わざとシンメトリックを保つ為に、女優賞、男優賞をグループにあてたのではなく、これらの優れた作品が我々の選択を導いたのだ。

Q:今回の審査方法について。
ウォン・カーウァイ:主催者側からは審査をするにあたって、最低映画祭期間中に3回の会議を持つようにとの条件をうけました。でも、僕らは自然と毎日作品を観る前と観た後に意見の交換をしたんだ。審査員としての意見より、一観客として皆で意見を交わし合ったよ

Q:イタリア映画に賞はなかったけど?
モニカ・ベルッチナンニ・モレッティや、パオロ・ソレンティノなど、素晴らしい作品があったのに、賞が行き届かなくて本当に悲しい気持ちよ。ナンニはパルム受賞歴もある巨匠、ソレンティノは若手の奇才な監督。新しい表現法を生み出しているわ。

地元のイタリア映画に賞が出なくて残念とモニカ・ベルッチ

サミュエル・L・ジャクソン:本当に。今回のイタリア映画も素晴らしかったが、賞は出なかったが、僕らの心の中での賞はでているよ。

ここでもやっぱりお洒落なサミュエル・L・ジャクソン

Q:ケンローチの作品の中で描かれているアイルランドの占領や破壊によるテーマはパレスチナを連想させましたか?
エリア・スレイマン:そういう第一印象は受けていないし、政治的コンテクストが違うからね、その理由で選んだのではありませんよ。とにかく、この作品に魅了されたんだ。上映が終わって、僕らは50分間喋る事ができなかった。映画祭期間の初めに上映されたので、皆の記憶から薄れてしまうのは残念だったか、結果的には最後まで心に残った作品だったよ。パレスチナと例えるなら、『サマーパラス』のほうが相似点があったと僕は思ったんだけど。いい作品が多くて、その数に対しての賞がなくて本当に残念。

良い作品が多すぎたと、エリア・スレイマン

Q:マリーアントワネットに賞がでてないのはなぜ?
ティム・ロス:『サマーパラス』にだって賞が出てないんだよ。皆のお気に入りだったのに!

Q:植民地制度の問題をテーマにして作品が多くなかった?それは今の流行の主題なのでしょうか?
エリア・スレイマン:あ、そのテーマは僕の専門分野なので、僕が答えようかな。このような主題を取り扱う映画が増えた事は偶然の出来事ではないのは確かでしょう。ただ、テーマを評して賞を決めたのではなく、どのようにしてテーマを扱っているか、表現しているかが重要なんだと思う。

Q:開幕時の記者会見では、ベージュ色の選択にならないようにって話していたけど、どのような色で選択されたと思う?
パトリス・ルコント:勿論ベージュじゃないですよ。本当に皆が心が愛した映画を選べたと思う。今年のセレクションは素晴らしかったので、全てのお気に入りの作品に賞を出せなかった、という事実も確かだが、もちろん賞を受けなかった作品の中には嫌いな作品だってあるよ。


ちょっとしゃべり疲れた様子の審査員長のウォン・カーウァイ


審査員のみなさん、お疲れ様でした!

私の受賞予想は『バベル』が監督賞かパルム・ドール。そして、『ヴォルヴェール』が女優賞か監督賞を受賞すると思っていたので予想が半分あたりちょっと驚きでした!例年カンヌの予想はいつもほとんど当たらないんで…。


カンヌ映画祭受賞結果発表の模様

2006年05月29日 | 現地レポート

閉会式のセレモニーマスターは開幕式と同じく、ヴァンサン・カッセル。開会式ではフランスの移民に対する現在のフランス政府の方針に抗議したスピーチを盛り込み、中国語、アフリカ語、アラブ語などを混ぜたスピーチをしたヴァンサン。閉会式でもカンヌ映画祭初めてのセレモニーマスターという座をしっかりこなしていた。ウォン・カーウァイのお言葉:普段は台本を使わないのが常だけど、今日は特別に使わせてもらうよ。今年のセレクションは本当に素晴らしく、歴史、抑圧、希望、哀れみ、連帯意識など興味深いテーマが目をひいた。これらの素晴らしい作品に賞を与える事について、審査員のメンバ-にはとにかく、周囲の意見や見解によって、窓を閉ざされる事のないように勇気を持って選択するように御願いしたんだ。審査員長という役割は今回初めてだけど、本当に情熱を燃やせる興味深い経験をさせてもらえた。主催者のジル・ジャコブ氏に心から感謝している。ではここで、各賞の発表の模様、受賞者のコメントをご紹介します。

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◎審査員特別賞 『Red Road』
出席者:アンドレア・アーノルド監督
あるひとりの女性の復讐劇。寂しい都会の街と、貧窮な郊外の団地が舞台の作品。見て行くうちに影の薄そうな登場人物達に何故か強く惹かれていく、とっても力強い作品。
アンドレア・アーノルド監督たったの5時間前はまだロンドンにいたのに信じられない!

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◎最優秀女優賞 『ヴォルヴェール』に出演の女優全員
出席者:Penerope CRUZ, Carmen MAURA, Lola DUENAS, Blanca PORTILLO, Yohana COBO, Chus LAMPREAVE 合計6名プレゼンター:ジャン・ロッシュフォール
ジャン・ロッシュフォール
:最優秀女優賞の裏にはすごい嫉妬劇がちらついていたんだよ。職務乱用できるのなら、今宵家でひっそりとこのトロフィーを女優さんに渡したいね。
ウォン・カーウァイ:この賞は才能のある女優達とそして彼女達を導いた監督に送りたい。ステレオタイプではない、本物の女性を描いてくれてありがとう。...と言い、主演女優6名の名前を告げた。ペドロは客席から舞台にたつ女優達を見守って、各自のスピーチに対し投げキッス!
カルメン・マウラ:ペドロ、ありがとう。こんな素晴らしい役を与えてくれて!
ペネロペ・クルス:皆で一緒にこの喜びを味合わせてくれてありがとう!そしてこの賞はペドロのものです。ペドロ、本当にありがとう。そして全ての女性のためにもありがとう!私はこれからも一生あなたのファミリーよ。

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◎最優秀男優賞 『Days of Glory(原題)』
出席者:Jamel DEBBOUZE, サミー・ナセリ, Roschdy ZEM, Sami BOUAJILA, Bernard BLANCAN
ジャメル:この作品の主人公である兵士達にこの賞を送りたい!
サミー:この作品は、愛を求める叫びなんだ。
ジャメル:皆にお礼をいいたいよ!音楽を担当したKhaled、そして制作に参加した全てのスタッフ、それから、僕のお父さんに滞在許可を発行してくれた警察官。あなたがいなければ今の僕は存在しません!それから、モニカ・ベルッティ!ありがとう~!(と駆け寄ってキスをする。)会見後、作品の中でも歌われている、北アフリカ兵士達の軍歌を合唱し喜びを表現していました。おめでとう!

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◎最優秀監督賞 『バベル』
出席者:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督プレゼンテーター:ティム・バートン、マリヨン・コチヤール
アレハンドロ:6年前に初めて私のトリロジー第1作品目のアモーレス・ペロスでカンヌにやってきて、そして今回トリロジーの最終作品のバベルでこのような賞を頂けて、2000年にはこのような未来が僕を待っていたとは想像もつなかなった。そして、カンヌでIn the Mood for Loveと出会い、そのウォン・カーウァイと、ティム・バートンに賞を頂くなんて、きっと僕の子供達は話しても信じてくれないだろう!

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◎脚本賞 『ヴォルヴェール』
出席者:ペドロ・アルモドバル監督
ペドロ皆に感謝をしたい。そして僕の姉妹達。撮影中の料理を作ってくれたのも全て彼女達なんだ!

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◎グランプリ 『FLANDRES』
出席者:ブリュノ・デュモン監督プレゼンテーター:ミッシェル・ヨー
ブリュノ:これはフランス映画全体に対する名誉でもあるでしょう!

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◎パルムドール 『麦の穂を揺らす風』
出席者:ケン・ローチ監督プレゼンテーター:エマニュエル・ベアール

ウォン・カーウァイ:この選択は、私たち審査員全員の満場一致の結果です。
パルム・ドールを手にしたケン・ローチ

ケン・ローチ本当に感謝の気持ちで一杯です。そしてこのようにしてイギリスの帝国主義のシステムについての過去の事実を多くの人に見てもらう最高の機会を与えてくれて心からありがとう!


教会で『ダ・ヴィンチ・コード』のチケット?

2006年05月29日 | 現地レポート


カンヌ市内のとある教会。



何かこっそりと貼り紙が! よーく見ると…


なんと『ダ・ヴィンチ・コード』のチケットが売ってるではないか!?抗議行動として座り込みをしているシスターがいる一方、別の教会ではチケットを売ってたりもする。で、もちろんですが、カンヌ市内でも『ダ・ヴィンチ・コード』絶賛公開中です!

カンヌ市内の映画館


ハリー・ベリーが本音を語った!『X-MEN 3』記者会見!

2006年05月28日 | 現地レポート

先日行われていた『X-MEN 3』の記者会見の模様を振り返ってみましょう。

人気映画の第3弾ということで、カンヌでもかなり話題のこの作品。特にハリー・ベリーの人気は相変わらず絶頂で、この会見もとても多くのプレスが彼女目当てに各国から集まった。さすがはオスカー女優!


来ましたハリー・ベリー! 晴れ晴れとした表情が素敵ですよー

 

出演者が豪華なこの作品。続々とその出演者達が入場してカメラのフラッシュがたかれているけれど、やっぱり常にその中心にいるのはハリー・ベリー。単にルックスの良さから男性に支持される女優とは違い、彼女の場合は圧倒的に女性からも好かれているのが特徴じゃないかなぁ。


ベン・フォスターとショーン・アシュモアも登場

 

Q:今作で第3作だけど、続編はありますか?

ブレット・ラトナー監督:いや、これが最後です。


ベン・フォスター(右)は、どのカメラにも笑わない人でした

 

メイン会場であるパレには、公式取材の許可が下りてプレスパスを持った人間だけが入れるんですよ。プレスの特権として、こうやって記者会見やレッドカーペットに入れるわけだけど、スクリーニング(公式上映会)のチケットも手に入りやすい立場にいます。で、パレの入口には、そんなプレスの人間からチケットを譲ってもらおうとする一般のお客さん達が集まっていて、それぞれ自分の欲しいチケットのことを紙に書いて(まるで空港の出口で到着客を待つツアコンのように)胸の前に掲げている光景が毎日見られます。こうした背景があるという上で…

Q:今日、パレの前に「X-MEN 3のチケット、またはハリー・ベリーの電話番号が欲しい」という紙を持った人がいましたが、どう思いますか?

ハリー:(大きく笑った後に)カンヌはとてもロマンチックだわ。ここに来る度に気持ちの幅が広がって、心の中の選択肢が増えていくの。

Q:選択肢というのは?

ハリー:それは…想像に任せるわ。


以前とはまた雰囲気が変わった気がするハリー・ベリー

 

一般的にこの作品は、超能力のような異なる力をもった登場人物達が暴れまわる、最新CGと派手なアクションの映画と見られているけど、作り手側の根底に秘められた共通認識のテーマが見えてきました。

ラトナー監督:この映画は、愛や友情を考えさせる作品にしたかったんだ。

ハリー・ベリー:私達は皆、この映画に対する気持ちが近かったの。私は黒人女性だからこそ、この役をやりたかったんです。

イアン・マッケラン:疎外された者達…この映画を観て、子供達が勇気を持ってくれたのなら、この映画の意義があるんだ。

ヒュー・ジャックマン:僕にも子供がいて、引越しをする度に友達を失って新しい人間関係を築かなければならなくて、子供はその度に疎外感を感じている。そういう時、ずっと一緒にいてあげたいと思うからね。

 


シリアスな映画にも、エンターテイメントの映画にもひっぱりだこのハリー

Q:オスカー女優として、今後の仕事をどのように考えていますか?

ハリー・ベリー:オスカーを受賞したからといって、プレッシャーは受けないわね。今まで通り、黒人女性として、女優として、やっていきます。幸せになるために、このキャリアを続けているのですから。


ヒュー・ジャックマン渋い!


左からパトリック・スチュアート、アンナ・パキン、席を立つヒュー、サインして微笑むイアン・マッケラン


美しい笑顔でサインするレベッカ・ローミン

 

練りこまれたストーリー、秘められた社会テーマ性。だけど純粋にアクション映画としてのエンターテイメント性は最高のものとなったこの映画。是非、第1話と第2話をご覧になってから観ていただくのが良いかと。

それにしても…ハリー・ベリー、素敵でした!


映画界の重鎮!シドニー・ポラックのマスターズクラス&インタビュー!

2006年05月27日 | 現地レポート

いやー、興味深いお話でした。シドニー・ポラックのマスターズクラス!


「現代映画界の大御所」シドニー・ポラック

●皆さんはシドニー・ポラックという人物をご存知でしょうか。大の映画ファンであれば、彼の名を耳にしたことぐらいはあるはず。

●1934年7月1日アメリカ生まれ。古くからハリウッド映画の基盤を支えてきた映画監督。 俳優の演技力に固執し、ハリウッドから数え切れぬほどのスターを生み出してきた。

●『愛と哀しみの果て』でアカデミー賞監督賞。また同作品は作品賞も含む7部門においてオスカー獲得。その後も数々のヒットを飛ばし、トム・クルーズ主演『ザ・ファーム/法律事務所』でも監督を務め、スタンリー・キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』で今度は役者としてトム・クルーズと共演。監督・製作・出演まですべてをこなす。2003年製作参加したジュード・ロウ主演『コールド マウンテン』はアカデミー賞6部門にノミネートされ、レニー・ゼルウィガー助演女優賞をもたらした。

●他、彼の作品に出演・共演した主な人物は、ジェーン・フォンダ、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、ポール・ニューマン、メリル・ストリープ、ハリソン・フォード、ケネス・ブラナー、ブルース・ウィリス、デニス・クエイド、アンディ・ガルシア、スーザン・サランドン、ミシェル・ファイファー、ビル・マーレイ、ティム・ロビンス、メグ・ライアン、キーファー・サザーランド、ショーン・ペン、ニコール・キッドマン、ジョシュ・ハートネット、レイチェル・リー・クック、ケイト・ブランシェット、ベン・アフレック、サミュエル・L・ジャクソン、グウィネス・パルトロウ、ナタリー・ポートマン、など、挙げればキリがない。トム・クルーズすら赤子扱いできるハリウッド映画界の重鎮。こんな長い説明を読んでしまったあなたも今日から立派なシドニー・ポラック通♪

その彼が前日、映画監督としてマスターズクラスを映画祭のイベントの一つとして開いたところ、人気爆発でほとんどのプレスが入れず、45分前から延々に並んでいた私は運よく入場を許可され・・・。


会場一斉からのスタンディング・オベーションで迎えられたポラック

 

彼の過去の作品のクリップを紹介しつつ解説していくアクターズスクール方式のお話。途中、編集のコツ映画音楽の役割なども話してくださり、講義の後は質問コーナー。ひっきりなしに質問がやみませんでした。通常、コンペ作品の記者会見でも途中で質問がなくなって司会者がムリやり聞いてみたりするぐらいなのに。やはり彼は尊敬に値する監督なのですね。約2時間弱という長い時間でしたが全く飽きることなく聴いてしまいました!


次から次へと休みなくポラックへ質問が続く


ユーモアやジョークも交えながら話し、会場の笑いを誘う

そして次の日の単独インタビュー!温かさが表情からにじみ出ている感じのあるポラック監督10分というインタビューでしたが、とても興味深いものとなりました。


ハリウッドの歴史と共に歩んできた男、シドニー・ポラック


『スキャナー・ダークリー』インタビュー!

2006年05月27日 | 現地レポート

今日は「スキャナ・ダークリー」の取材で、格調高い“ホテル・デュキャップ”へ参上。

カンヌの市街を離れること30分、厳戒態勢のホテル(映画祭だからというのではなく普段からよほどのことがないと中へ入れない!普通のホテルみたいにロビーを歩いてみることもできません)。しかもうわさではこのホテル現金しか使えないとか、たとえば1泊10万円の部屋なら、10泊でもしたら100万円の束を抱えていかなきゃなのかしら(まぁ支払いはユーロだけど)。

目指すインタビュー場所はそのホテルの庭。これはカンヌ映画祭の恒例行事です(ハリウッドスターは必ずこのホテルに滞在してるんですわ)。

ちなみに正面入り口からは入れてくれず(格好がドレスコードに引っかかるのか景観を損ねるからなのか・・・)裏口から入る。これも恒例のことです。その裏口を入ると森のような木々がひろがります。その奥にあるキャビンでのインタビュー。たまに波が高いとキャビンまで波しぶきがとんでくるんですよねー。ちなみに「森のリトルギャング」のインタビューも今年はここでした。



それにしてもカンヌの気候や雰囲気がそうさせるのか、ハリウッドスターもいつもよりずっと朗らかな表情で上機嫌!キアヌ・リーブスが笑い、ロバート・ダウニー・Jr.がジョークを飛ばし、リチャード・リンクレイター監督もノリノリ!すべてワンショットのインタビューだけど、全てとっても楽しいインタビューでした。


キアヌ・リーヴス凱旋!『スキャナー・ダークリー(原題)』レッドカーペット!

2006年05月27日 | 現地レポート

カンヌに来てみて思ったのが、日本では映画スターの人気の流行り廃りが早いけれど、海外特に映画祭などでは有名スターの人気は落ちることがないということ。しっかりとした固定ファンが付いているし、何より映画祭に来ているお客さんや取材陣の皆が、心よりスターの登場を喜び祝福しているということがわかります。

そしてこの日も、あの『彼』が…カンヌの地で盛大な喝采を浴びた…

キアヌ・リーヴス!

もったいつけて書いた割にはタイトルで既にばればれでしたが、何はともあれ『スキャナー・ダークリー(原題)』のレッドカーペットの模様です!

 

と、その前に、このレッドカーペットは夜の10時からスタートという遅い時間で、他の作品と同時開催で行われました。こちらの作品はこの後に公式スクリーニング。


かつての「ミス・ティーンエージャー・ヨーロッパ」受賞者ローラ・シャッティー

イタリアが世界に誇る女優、ローラ・シャッティー。最新出演作『L'Amico di Famiglia(原題)』でカンヌ入り。


ミケランジェロもびっくりの、彫刻みたいな美しさ

はうあー!美しいー!日本では知られていなくても、世界にはまだまだすごい人達がいるものです。

少しでも良い写真を撮ろうと、周りのカメラマン達で「お前のカメラ邪魔!」「お前が引っ込めよ!」とケンカ勃発。映画祭では当たり前の光景。


ちなみにこんな感じ。映画祭取材は闘いだ

 

と、ローラに見とれていたら、レッドカーペット入口から凄まじい歓声が!もしや…


とんでもない数のシークレット・サービスを引き連れてキアヌ登場

待ってました!キアヌ・リーヴス!


キアヌのお隣は監督のリチャード・リンクレイター

 

キアヌって実は背が高いんだなぁ。長身で細身で、スーツがとても似合う。


品格もあって、キアヌ人気は衰えない

 

キアヌファンの皆様、お待たせ致しました。ドアップ写真入りまーす。


クリックでさらに拡大キアヌ

 

共演のロバート・ダウニーJr.も加わり、レッドカーペットは興奮最高潮へ。


帽子が素敵なロバート・ダウニーJr.(左)


リンカーンみたいなヒゲもいい味を出してます

 

ゆっくりゆっくりと歩き、カンヌのレッドカーペットを楽しんでいる様子でした。


キアヌより楽しそうなロバート・ダウニーJr.と、引き締まった表情のキアヌ

 

スキャナー・ダークリー』のゲストの方々は、この後は隣のブルーカーペットへ進んでいきます。


奥の階段を上り詰めるとメイン会場の建物の中へ


すっごくいい笑顔のロバート・ダウニーJr.とキアヌ


「ウィーーー!」とは言わなかったけど、皆にサインを送るリンクレイター監督

 

夜遅い時間にも関わらず、レッドカーペットを見にきた観客達は最後まで盛り上がり、この夜を楽しんでました。これが映画祭の醍醐味なんだなぁ。今年もカンヌはアツい!


カンヌの夜を眠らせない男たち。また日本へも来てくださいね


ソフィア・コッポラ&キルステン・ダンスト!『マリー・アントワネット』記者会見

2006年05月26日 | 現地レポート

ソフィア・コッポラ監督の最新作『マリー・アントワネット』。

一般的に悪女として知られる王女マリー・アントワネット。彼女の知られざる真実を、ソフィア監督が独自の視点で描いたこの作品。

事前の情報ではキルステンが帰国したため記者会見には来ないという噂だったのですが…来ましたよー、キルステーン!


ソフィア・コッポラ&キルステン・ダンスト、そろって登場!

 

キルステンが、ソフィア・コッポラ初監督作品『ヴァージン・スーサイズ』に出演して以来、今回で2度目のタッグですね。当時は幼さが残っていたキルステンもすっかり大人になりました。


これまた異常な数の取材陣が押しかけた会見になりました

 

さっそく記者会見の内容をご紹介!

Q:フランス革命についてのあなたの個人的意見を聞かせてください。

ソフィア:まあ、最初から凄い質問で始まるのね、でもフランス革命についての映画を作ったわけではないのよ。

Q:あなたにとってマリー・アントワネットは何を意味しますか?

ソフィア:マリー・アントワネットは私にとってデカダンスのシンボル。とても興味があって調べてみると、14歳でいきなりひとりで他国に来た少女だと知ってますます興味を持ちました。


今回のソフィア・ワールドを創り上げた皆さんが勢揃い

 

Q:なぜこの作品の中ではマリー・アントワネットだけに焦点をしぼったのですか?そしてなぜキルステンを選んだのですか?

ソフィア:やはりマリー・アントワネットに一番興味があったし、18世紀のフランスが好きです。キルスティンは強く、深い部分のある女優。この役に最適だと思いました。

Q:マリー・アントワネットはモダンな女性だと思う?

キルステン・ダンスト:彼女の物事の感じ方は当時の人たちに比べると少し違ったのだと思います。


キルステン、すっごいキレイな青い目だー

 

Q:あなたとマリー・アントワネットの生い立ちは似ていると思われる?

ソフィア:当然映画を作る際に、自分の私生活が反映される部分はあるけれど、私の環境とは全然違います。


真剣に記者からの質問を聞くソフィア&キルステン

 

Q:フランシスコッポラの娘として、父親に影響を受けてこの世界に入った?

ソフィア:若いころ父親の仕事をする姿を見て育ったから、彼のような仕事をしたいと望んできたわ。そして彼は私の思いを支えてくれ、彼と同じではなく、私独自のスタイルを持って進めることを望んでくれました。


娘を見守る父の図。ソフィアのパパ、フランシス・フォード・コッポラ(中央、ピンクのシャツ)

 

Q:カンヌでコンペに参加するのは難しいことだと思いませんか?デカダンスの世界を描くために4000万ドルを使うのは無駄だと思わない? 今朝のプレス試写でブーイングが出たことをどう思いますか?

ソフィア:決して莫大なお金を無駄使いしたとは思っていません。ダ・ヴィンチ・コードだってプレス試写でブーイングされましたよね。でも、今朝のブーイングの話は今初めて聞きました。

司会者:ここはカンヌだからね。そういうのも名物ですよ。

ソフィア:アメリカ人がフランスの物語を描くこと自体、フランスでは受け入れられにくい事ではあるでしょうね。

スティーブ・クーガン:ソフィアの映画が好きな人は必ずこの作品も気に入るはずだよ。でも、万人に受けることのほうが可笑しいのだから、嫌う人がいてもいいと思うんだ。


まるで姉妹みたいに本当に仲が良さそうなソフィア&キルステン。

 

Q:『マリー・アントワネット』はあなた過去2作の作品のトリロジー(3部作)の3作目って事ですか?

ソフィア:私の映画の主人公は常に若い女性のアイデンティティー探しがテーマでした。そして、この『マリー・アントワネット』は、この自分探しのトリロジーの最終章になったと思います。 キルステン・ダンスト:ソフィアは現代の映画監督で唯一女性の心の内面を描ける人です。同じ年代の女性が、必ず彼女の描く女性に類似点を見つけられると思います。

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会見場から去るジェイソン・シュワルツマン&キルステンに声をかけてみました

 


声をかける前にカメラ目線をくれたソフィアさん

 会見を通して、ソフィア監督とキルステンがお互い深く信頼し合っていることが伝わってきました。おとぎ話のようなソフィア・コッポラ・ワールドに、キルステンは適役だと…思いませんか?