「殯(もがり)の森」囲み取材
時間:現地5月27日 21:30頃
場所:パレ内、記者会見場前
Q:受賞の気持ちをお聞かせ下さい。
A:早くこの喜びを、日本のみなさんに伝えたいです。
Q:授賞式の会場で発表を待つ時の気持ちはどうでしたか?
A:ドキドキしすぎて疲れました。最初に何か賞があると聞かされていたけど(ほかの賞が呼ばれていくにあたって)グランプリとパルム・ドールしかなくなっていたので何かの間違いかと思って…。
Q:最後に名前が呼ばれなくて(パルム・ドールではなくて)残念でしたか?
A:あります。(でも)次のステップにあがれる賞だと思っているので。
Q:10年前の受賞(「萌の朱雀」:カメラ・ドール)と今回の受賞での気持ちの変化は?
A:ある意味落ち着き、ある意味興奮し、10年前とは全然違う気持ちです。今回はプロデューサーもこなし、映画を作ることの困難を乗り越えて完成させてたのでフランスとの共同も含め、そこ(映画製作)に携わった人たちと喜びを分かち合いたい気持ちでいっぱいです。
Q:自身ではどこが評価されたのかと思いますか?
A:今回、"殯"(死)を描いた作品が多く、世界的に何かに迷っているのだと思う。人は何かが足りないと思う時に、物質的なものではなく、形のないものに心のよりどころを求めたり、日本人は先祖代々から受け継がれるものに、感謝する民族だと思うのでそういう部分が映画に描かれたいたので、世界が評価してくれたと思います。つまり、日本が評価されたと思いたいです。
Q:夫とお子さんにメッセージはありますか?
A:本当に、彼らのおかげです。
Q:お子さんに何か言われましたか?
A:昨日の公式上映を一緒に見て、主人公が森で彷徨うシーンで泣き出しそうになっていたけど、「しげき(うだ)が苦しい時には、真千子(尾野)が助けてくれて真千子(尾野)が苦しい時には、しげき(うだ)が助けてくれるんだからね」といったら納得してくれて…。人間と人間が助け合い、つながって生きていくことを伝えたかったんだけどまだ3歳なんで、どうかな…(笑)
Q:今回の受賞が、今後の作品作りに与える影響はありますか?
A:また、(今回のように)大騒ぎになると思いますし外から声もかかるともいますが、10年前と同じで自分にしか撮れないものを作り続けていきたいと思います。
Q:審査員の方からの感想はどうでしたか?
A:審査委員長(スティーブン・フリアーズ)が「すごく好きな映画だ」と言ってくれた。審査に対しては、すごい討論が分かれた様ですが、最終的に、すごくいい評価を与えてくれたのだとも思います。
Q:奈良(映画の舞台となってる土地)の皆さんにメッセージをお願いします。
A:私の古里が世界に評価されました。本当に小さな田舎町で撮った映画が、世界で賞をもらいました。一緒に喜びを分かち合いたいです。早く。
Q:最後に賞状を見せていただけますか。
A:(賞状をみせつつ)これはどのくらいすごい賞なんですかね~。
Q:なにも知らずにグランプリというのは、どんな気持ちですか?
A:とにかくドキドキしすぎて疲れました。まさか脚本賞では、ないだろうと思って(笑)。
「殯(もがり)の森」2007年6月より全国順次ロードショー
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■番組紹介
WOWOW「VIVA カンヌ映画祭 2007」
放送は、6月3日(日) 午後 7:00~
再放送は、6月5日(火) 午後 6:00~
お楽しみに!