スペイン映画の巨匠、ペドロ・アルモドバル監督のコンペ出品作『Volver (ヴォルべール)』(原題)の記者会見が行われました。憧れのペネロペ・クルスの姿を間近で拝める! そう思うと居てもたっても居られず時間より早めに会場に到着! 張り切りすぎちゃったかな~と思ったら、そんなことなかった。会場には、映画祭側の予想をはるかに上回る数の取材陣が詰めかけ、会見参加の受付が途中で閉め切られてしまったのだ。ほっと胸を撫で下ろす。
冊子の表紙にも麗しのペネロペ・クルス
登場したペネロペは、意外にも小柄で綺麗というよりも可愛らしい印象。
Q:ご自分の過去をこの作品に投影したのですか?(『Volver (ヴォルべール)』とは「帰郷」の意味)
アルモドバル監督:私の振り返りたくない時期との和解だよ。小さい頃は女性に囲まれた環境で、男性は誰もいなかった。私という人間は、女性によって育てられたんだ。その中でいろんな事を学んだ。この作品は僕の子供時代を反映しているよ。
ペネロペ・クルス、ペドロ・アルモドバル監督
そしてペネロペにこんな質問も!
Q:トム・クルーズと別れた後、幸せを見つけましたか?
ペネロペ:あなた達のことはリスペクトするけど、今は映画の話にしてもらえる?
Q:ハリウッドでも母親の役ができたと思いますか?
ペネロペ:ハリウッドにペドロみたいな監督がいたとしても、私に母親役はできないわ。なぜなら、ペドロという人間は1人しかいないから。彼なしに今の私のキャリアはなかったわ。だから本当に感謝しているの。彼の女性に対する観察力はすごくて、毎回驚かされるわ。ペドロは女性の魂を描く監督です。
アーモンド型の目が印象的なペネロペ
Q:ペドロはハリウッドで映画を作ってみたいですか?
アルモドバル監督:英語で映画を撮ってみたいけど、今までに来た脚本はどれも良くなかった。『ブロークバック・マウンテン』の話も最初に私へ来たけど、ハリウッドは規制が多く自由が少ないので断ってしまったんだ。あの超話題作の監督を断っていたなんて初耳! でもアルモドバル監督の『ブロークバック・マウンテン』も観てみたかったなー。
会見後、快くサインに応じるペネロペとアルモドバル監督
自信に満ちた表情のペネロペ
メイン会場のパレ前を歩いていたら、偶然にも取材カメラが集まって異常な人だかりが出来ていました。なんだろう、と思って近付くと、人の輪の中心にいたのは韓国が誇るスター、チェ・ミンシク!
警備員に囲まれ、緊迫した表情のチェ・ミンシク
2年前の『オールド・ボーイ』の時とはうって変わり、今回は韓国映画界を代表してスクリーン・クォーター制度について熱く語っていました。
スクリーン・クォーター制度について語るチェ・ミンシク
現在韓国で実施されているこのスクリーン・クォーター制度とは、年間上映日数の40%に相当する146日以上は韓国の国産映画を上映しなければならないというもの。韓国の映画産業を守るという意味ではあるものの、一方でアメリカを含む海外の映画の上映が制限されることになり、韓国内でも賛否両論あるようです。
地元フランスや海外からの記者達の質問にもひとつひとつ丁寧に答えていました。
取材陣の質問に丁寧に答えるチェ・ミンシク
眉間に皺を寄せた真剣な表情は、あたかも映画の中のような迫力で、取材陣ですら圧倒されるような雰囲気。
真剣な表情
でも笑うとこんなに素敵な笑顔なんです!
笑顔はとってもチャーミング