米連邦預金保険公社(FDIC)は5月6日、フロリダ州のコースタルバンク
が業務を停止したと発表した。
2011年に入り、これで破綻した地銀は40件に達した。
今年に入って米銀の破綻件数は、去年と比べペースが落ちている。
これは量的緩和策で大量のマネーがじゃぶじゃぶ回ったことと、閉鎖され
た銀行を他行が引き継いでいったことが主な理由だろう。
過去2年間、5月一週目までの破綻件数は、
・2009年が33件
・2010年が68件
今年はその中間程度といったところか。
しかし油断してはいけない。
今は嵐の前の静けさである可能性が高いのだ。
PIIGSをはじめとしたユーロ圏危機で、米国自身かなりの損失を被ること
になる。
世界的な金融機関であるG.S(ゴールドマン・サックス)は、金融危機前
までに数百倍のレバレッジをPIIGSや英国に賭けていたのだから。
こういった損失はすでに発生しており、過去2回の量的緩和策で、何とか
止血といった応急措置がとられているに過ぎない。
また米国はドイツ、フランス、英国ほどではないが、PIGS4ヶ国にかなり
の額の銀行債権を保有している。
とりわけアイルランドやスペインの2カ国に対して、多くの融資をしている
が、ギリシャ危機の再編やユーロ脱退という話が現実化してくると、連鎖
という形で襲ってくることは間違いない。
個人破産も去年から急激に伸びていると思われる。
なぜ、去年からか?
2010年7月に成立した金融規正法で、クレジットカードの金利が大幅
に引き上げられたからだ。
それまで7%程度の金利が、一挙に30%台に上がったという消費者が
出てきたのだ。
公式発表による最新のカード負債額は、全米で7985億ドル。
もちろんこれ以外にも住宅ローン、カード以外の借金も立派に存在する。
米国では民間企業によるリストラが急速に進んでいる半面、公的機関の
雇用が増えていることから、デフォルト宣言後はこういった従業員も犠牲
になることは言うまでもない。
★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者