ヲラトニク(旧 ココカラ Blog)

有限会社アサヒ技研コミュニケーションメディア研究所からお届けします.

沸かしたお湯は急須から溢れる

2009-12-05 12:37:47 | よしなしごと
お茶を煎れようと急須にぴったり水を汲む.それをケトルに移して沸かし,茶葉を入れた急須に注ぐ.何も考えずにお湯をまるごと急須に注いだら,勢いよく溢れてしまった.まさにその急須で汲んだ水量なのに,茶葉の体積を差し引いてもずいぶんと多くのお湯が溢れてしまった.

ちょっと考えればこれは小学校の理科の問題.まずは復習から始めましょう.水を熱すると温められた水は上にのぼり,冷たい水が下におりて対流が生じます.この物理的な水の流れが生じる理由は,温い水のほうが冷たい水よりも軽いためです.軽い油が水の表面に浮かぶように,軽い温水が重い冷水の上に浮かび上がってくるのが対流です.ここで言う重い・軽いは,同じ体積あたりの重さすなわち比重のことを言っています.つまりケトルで沸騰させることによって,急須で量った水は比重が小さくなっているのです.

しかしこの世には質量保存則という鉄則があります.煮ろうが焼こうがどのような化学反応を発生させようが,そこにある物質をどこかに逃がしたりしない限り,質量は絶対に変わりません.最初に急須で量った水全体の重さは,沸かす途中で蒸発したぶんを除けば,沸騰させたあとも変化していません.

比重が小さくなっても質量が変化しないようにするためには,体積を大きくするしかありません.ホットケーキが膨らむように,水もお湯になれば膨らんでいるのです.だから急須に注いだお湯は,膨らんだぶんだけ溢れてしまったのです.

気づいてしまえば当たり前のことですね.次からはちょっと少なめに汲むようにしましょう.
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