米ドルをみつけた

かつて頻繁にロサンゼルスへ仕事で行っていた頃に使っていた，モンベルのパスポートケースを引っ張り出してきた．このところ海外に出ることがないのでまったく使っていなかったのだが，振込用紙などにぴったりのサイズだということがわかったので，銀行などに行くには便利だ．

久しぶりに開いてみると，クォーターがちゃらちゃらっとこぼれだしてきた．使わずに残っていたものだ．カード入れにはノースウェスト・JAL・ANA のマイレージカードやテレホンカードが入ったままになっている．これらを取り出し，さらに何か残っていないかとポケットを順に確認していくと，ドル紙幣まで出てきた．しかも 150 ドルくらいある．

あぁ．このドル安ですっかり価値が落ちている．円に戻してもなぁ...

長澤まさみの卓上カレンダー

NTT はコマーシャルに起用しているタレントを使って，目玉となるカレンダーを作ることがある．かつて当時人気絶頂だったスピードのカレンダーを作り，今年は長澤まさみの卓上カレンダーを作っている．NTT 西日本はデビュー間もない無名の頃から長澤まさみをコマーシャルに起用しているので，なかなか先見の明があったといえよう．広告の価格対効果も高いに違いない．今年の卓上カレンダーは，表は大きな写真の下に小さく日付が入り，裏は下 1/3 に大きめの日付が入っているという凝った作りになっていて，パッケージングも手が込んでいる．

この手の目玉カレンダーはコスト面から製作数が少ないので，NTT の営業さんたちの間で奪い合いになるらしい．もちろん自分が欲しいというのではなく，自分のお得意さんにこそ持って行かなくてはならないと互いに主張して譲らないという．

そんな目玉カレンダーが，とある大学のとある研究室にはよくやってくる．しかし教授がそういう若いアイドルのカレンダーを教授室に飾ることはあまりなく，欲しい学生さんがいるだろうと放出される．ところが学生は互いに牽制しあうので，これが最後まで残ってしまったりするのだ．今年の長澤まさみはさすがに出来がいいので牽制よりも奪い合いになりそうだが，このカレンダーがどんなエピソードを生み出してくれるか楽しみだ．意外と教授室に飾られるかもしれない．

私のところにはどんなのが届くでしょうねぇ？＞ NTT の営業さん

JR 西日本社長の言い間違い

JR 野洲駅で，車掌が包丁を女子高生に突きつけて下着を奪った事件．当の車掌についてはもはや語るに値しないが，この事件について謝罪会見をした JR 西日本社長は，またしてもやってしまったのではないだろうか．

記者会見で社長は手元のメモをたどたどしく読みながら，尼崎の列車脱線事故いらい全社をあげて信頼回復に努めてきたのにと言った後，このような「事故」を起こしてしまったことはと言ってしまっている．同様の言い間違いは過去にも例があり，事故とは何たることかと批判されたことがある．それを知らないわけはないだろうが，本当に申し訳なく思っているのならば，メモを用意していたとしてももう少しきちんと読み上げられるだろう．先に事故と言ったことが頭に残っていて事件を事故と読み間違えただけのことといえばそれまでだが，リスクをマネジメントできていないこと甚だしい．

「脳から知覚映像を読み出す」

京阪奈にある ATR で，ヒトの脳活動パターンから見ている画像の再構成に成功したという．新聞やテレビの報道では，5x5 ピクセルの 2 値画像が再構成できたようにしか書かれていないので，少数の選択肢の中からどれを見ているか認識できるようになった程度のものだと考えていた．

その程度の説明をベースに，将来は寝ているあいだにみている夢の映像を記録できるようになるかもしれないとコメントされても，ちょっとギャップが大きすぎて言い過ぎのように感じていたのだが，ATR のプレスリリースを読んでみるとメディアに流れているよりもはるかに優れた成果が出ていることが分かる．

詳細はプレスリリースを参照してもらうとして，ここまで高い識別性能が出ていてなおかつ見てる画像の変化を映像として再構成することができたとなると，夢の映像記録も少しばかりリアリティを帯びてくる．久しぶりにわくわくする研究成果をみた気がする．

ATR のプレスリリースはこちら．

USJ が 2009 年から再入場を禁止する

USJ が再入場を禁止する．一時退出してパークと駅のあいだにあるユニバーサル・シティウォークで食事をする人が多いからというのがその理由だという．プラチナ年間パスを何年も持っていた私に言わせてもらえれば，それは間違いだ．

そもそもの原因は，その雰囲気を差し引いたとしても値段の割に美味しくないことと，集中する客をさばけるだけのキャパシティを備えていないことにある．さらにそれによって客足が遠のいたレストランの営業時間を短縮したことで，外への流出に自ら拍車をかけている．

USJ は再入場を禁止してレストランの利用を強制するのではなく，なぜ外へ流出するのかを考えるべきだ．もちろん価格競争で勝てるわけはない．もっと美味しいものを提供する努力も必要だろう．しかし，どうしたらパークの中で食事をしたくなるかを考えることがもっと大事だ．

このことはパーク全体の運営方針にも関わってくる．私が年間パスホルダーでなくなった理由は，USJ が映画の世界ではなくなりつつあることが最大の原因だ．今はシュレックとセサミストリートに変わってしまったシアターはかつて，名作のシーンを集めて映画のすばらしさを伝えるムービーマジックをやっていた．今はピンクに染まっているピンクパンサーのカフェは，モノトーンで壁にはハンフリー・ボガートやオードリー・ヘップバーンの写真が飾られていた．そもそもピンクパンサーの映画にピンクのカフェなど出てこない．ショップにはキャラクター商品が増え，映画の匂いがする商品が減っていく．そうやって映画の世界を捨て，キャラクターの集客力に頼る運営方針が私をパークから遠ざけた．

もちろん問題はパーク側だけにあるのではない．パーク内の建物に，映画のタイトルが書かれたプレートが埋め込まれていることを知る人はどれだけいるだろう．私は初めてそれに気づいたとき，自分が好きな映画を探し，そこに立って写真を撮った記憶がある．その後，どの建物がどんな映画のどこで使われていたものかを解説する本も公式に販売されていた．間違いなく USJ は映画の世界としてスタートしていた．しかしそれに気づくことなく，映画の世界を失わせたことにはゲストにも責任の一端がある．

日本ではアメリカのように映画が文化として定着していないと言われる．USJ の変遷はそのことを証明しているのかもしれない．確かに日本人はアメリカ人ほど映画を観ていない．ロスのユニバーサルスタジオで，ベイツモーテルとロゴが入っただけの白いタオルやスリッパ，バスローブをみつけて衝動買いしてしまう私のような日本人はそれほどいない．

そんなバックボーンがない日本で運営する USJ にも辛いものがあるだろう．しかしそこは長いスパンで考えてもらいたい．パークに来る前に映画を観ていなかったことが残念に思えるような，日本ならではのアトラクションが考えられるはずだ．USJ はディズニーランドではない．キャラクターの力ではなく，映画の魔法を駆使するパークであって欲しい．

キャノンのプリンタドライバ（続報）

プリンタドライバがディスクフォーマットによっては動作しないという問題について，キャノンから回答が届いた．結論は，今後とも対応するつもりはないというもの．残念だ．

こんな細かい仕様までチェックして機材を調達するのはかなりの負担になる．そもそも今回の件でも，私が指摘して初めてディスクフォーマットに依存するという但し書きがダウンロードサイトになされたという経緯がある．そこから類推すれば，他社のプリンタドライバに同じ問題が内包されていても，購入前には分からない可能性がある．

直せないバグは仕様だと言えという話も世の中にはあるが，もう少しまともな開発をしてもらえれば，つまらない但し書きなど要らなくなる．